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- / ISBN・EAN: 4907953043435
感想・レビュー・書評
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2011年5月2日(誕生日じゃん!)に実行された国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン捕縛・暗殺作戦とそこに至るまでの道程を描いた作品。監督は「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー。
“9・11テロ後、CIAは巨額の予算をつぎ込みビンラディンを追うが、何の手がかりも得られずにいた。そんな中、CIAのパキスタン支局に若く優秀な女性分析官のマヤが派遣される。マヤはやがて、ビンラディンに繋がると思われるアブ・アフメドという男の存在をつかむが…”
「ハート・ロッカー」同様ドキュメンタリータッチの撮影手法はそのままだが、前作よりも映画的な演出は多い。しかしやっぱり今回も地味(笑)映画的な面白みに欠けると言っても、そもそもそういう描き方をしない監督なので、如何に史実に忠実かとか、そこに込められたメッセージとかが評価されているんだと思う。あたしは「ハート・ロッカー」も好きな人だけど、今作も同じくらいには楽しめた。
ストーリーは911以降に実際に起きたテロなども交え、ビンラディンのしっぽを掴むまでを描き、映画のラストで暗殺(というより殺害)作戦という流れ。主人公のマヤはエージェントではなく、分析官で現場に出ることはないがいつどこに居ようとも死と隣り合わせという緊張感はずっとあった。
殺害作戦の描写はヘリのくだり以外は淡々と静かに描かれている。ビンラディンとの遭遇もあっさり。銃のサプレッサーの音が怖く、凄く印象に残った。暗視スコープの視点など非常にリアルで、ほぼ実際の作戦と遜色ないものなんじゃないかと思うほどクオリティーが高かった。
キャラクターを掘り下げる演出はほとんどなかったが、最後のマヤの表情が何とも言えない気持ちにさせられた。ビンラディンを見つけて殺すことを目標に生きてきた彼女がそれを達成した時に感じたものは達成感だったのか?それとも生き甲斐を失った喪失感だったのか?双方が正義を主張し、復讐を続ける限り、テロは終わらないと言うが、果たしてビンラディンの殺害はゴールだったのか?様々な感情が全て最後のマヤの表情に集約されていて、この辺は本当に巧みだと思った。
今年亡くなったジェームズ・ギャンドルフィーニが口の悪いCIA長官役だったのはこの映画の唯一の笑い所かもしれないw ふぁっきんふぁっきん言いまくって、字幕もなぜかべらんめえ口調に訳されており、凄く和んだ。本当に惜しい俳優を亡くしたなぁ;;
「ハート・ロッカー」が合わなかった人は今作も避けておいたほうが無難だが、911を忘れないために、平和とは何なのかを考えるためにも観といて損はない作品だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今、注目のジェシカ・チャステインが主役だったという事で改めて観なおしてみた。相変わらず男前。多分この人 地がそうなんだろうな。
CIAの分析官って事象の関連性を選り分けて、繋げてなんとか事実をあぶり出していく地味な仕事なんだろうな。そんな事もあってか前半は少しスローテンポ。後半はビンラディン殺害の作戦実行なんだけど、これまたそんなにはっきりとした証拠があるわけもなく推定で作戦実行が決断されていくところがなんか本物っぽい。作戦注目も結構混沌としていて現実って作り物のように白黒つかないんだと逆にリアリティを感じたりした。 -
オサマ・ビンラディン氏殺害のニュースは詳報されていたが、それをドラマ化したもの。証言を集めてできるだけ忠実に映像化したのだろうドキュメントのようなタッチで緊張感がある。赤穂浪士の討ち入りみたいだ。ただそれまでの経過はやや退屈。拷問のシーンが長いが、これはテレビドラマでよく見かけるもので全体のバランスが悪い。結局ビンラディン氏がいるかどうか不明のまま突撃したことになるが、その決断の過程を描いているが最後詰めきれていない。あやふやなまま突撃ということなんだろうか。
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9.11後にワタシの知っている世界はもしかしたら変わってしまったのかもしれないとは思う。憎しみってうまれてしまったらもう消すことは出来ないから、宗教にすがるんかな。神に祈れば助けてもらえるなんて、ワタシは信じないけれど、何かを信じられる人たちは幸せなのかもしれないとは思う。ビンラディンを殺害するまでのCIAの執拗な作戦はこの映画の展開としてもちろん軸になっているけれど、その気持ちを完全に理解することは絶対に出来ないなとは思う。
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劇場にて
2012年アメリカ キャスリン・ビグロー、ジェイソン・クラーク
タイトルのゼロ・ダーク・サーティは軍事用語で午前0時30分のこと、映画の中で時計が0時30分を指すシーンがあります♪
2011年にアメリカの精鋭部隊がパキスタンに隠れ住んでいたビン・ラディンを殺害するに至るまでの史実をもとに作成、、、というか、事実のみを(どこまでが事実かは不明ですが)淡々と放映しているジャーナリズム系作品。
欧米人以外、特に日本でのほほんと暮らしていると911以降のテロも「あ~~そういえば、こういうことあったなぁ」という感覚でしかないので、次々とおきる爆発にいちいちビックリ、、、てんこ盛りの話についていくのが超大変でした。
特にCIA職員が多数被害にあった自爆テロなんて、、私はそういう事実を知らず(ニュース音痴なだけかもしれませんが)この事件一つでさえ本が出てて、映画になりそうな複雑な事件。
(本、、、買いましたが)
拷問のシーンがかなり衝撃的でした (ジャックバウワーかよって) 本当にこんな拷問してるんだ、、、拷問の是非、、考えさせられます。
前半では拷問なんて非人道的だ、、、と思うのに後半では 拷問しないと情報を得ることできないじゃないかって思ってしまった、、これはマヤ(キャスリン・ビグロー)の心の流れと同じなんですよね(映画にはめられた)
カナリア作戦は精鋭部隊のはずなのに、なんでヘリコプターは1機、落っこちちゃったのでしょうか。
基地でCIA職員を巻き込んだ自爆テロ、、、あれって本当にあんなに間抜けな展開だったのでしょうか、ものすごいプレッシャーのもと激務をこなすと成果を焦ったりしてああなっちゃうのでしょうか。
と、突っ込みどころも満載の映画でした。
いずれにしても、誰もハッピーになれなかったやるせない気分だけが残りましたね。
マヤはこの後、どうなるのかとても気になります。すべてを投げ捨ててやり遂げた達成感よりも虚脱感が勝って見えますし、、ビンラディンの隠れ家に一緒に住んでた子供たちはある日突然、米兵がやってきて親を目の前で殺されて、、、彼らはどういう人生をたどるのでしょうか(新たな憎しみが生まれたとしか思えない)
世の中、救われないことだらけですね。 -
アメリカ同時多発テロ、
9.11を扱った社会派映画です。
9.11後から
ビン・ラディン暗殺までを
描いています。
前半2時間は
ビン・ラディンに最も近い人物を追い、
捜査を進めるパート、
後半1時間は
ビン・ラディンの隠れ家を見つけ、
暗殺するまでのパート
となっています。
映画としての派手さはありません。
しかし、恐らくビン・ラディン暗殺までの
様子は真実に近い描写がされている
と思われます。
ドキュメンタリー映画として
9.11発生から
ビン・ラディン暗殺まで
何が行われていたのか
真実の歴史を知りたい方は
ぜひご覧になってみて下さい。 -
高校でリクルートされたか
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映画だけど映画とは思えないリアルな演出。
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字幕: 佐藤恵子
事実かどうかはともかく、そして倫理だの正義だのをここで問いかけるのも脇に置いといて。
監督の骨太な描写に感服。
(愛国心丸出しでも、逆に一方的なアメリカ批判でもないところもいい。) -
いくらでも派手にできるところを特に大きく盛り上げもせず、淡々と進める演出がこの話にはかえってよかった。
CIA視点だけれど、正義・英雄化せずに逆にいろいろと考えさせられる作りかただと思う。