新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 日本ミステリ三大奇書の一つと言われる大作。残りの二作、黒死館とドグラ・マグラは既読なので、これで三大奇書制覇…って嬉しくもなんともないが。

    戦後間もない頃に起きた洞爺丸事故、紫雲丸事故、頻発した殺人事件や放火事件、その他の怪奇な事件を背景に、氷沼家に次々と襲いかかる事件を描く。しかし、探偵役の登場人物は誰も彼もメタ・ミステリに興じたり、色や宗教との暗合を楽しんだりと、まったく緊迫感のない推理を次から次へとでっちあげ、物語をアンチ・ミステリの代表作へと押し上げる。

    全体的な印象は、残念ながら「貧弱な文章を纏ったアイデアの骸骨」の域を出ていない。当時の世相や雰囲気をもう少し細密に映し取れていれば、(三大奇書には入れなかったかもしれないが)平成の世に読み返しても面白い作品に仕上がっていただろうにと思うと、惜しい。

  • デビュー作にして代表作、東西ミステリーベスト国内2位▲昭和二十九年の洞爺丸沈没事故で両親を失った氷沼蒼司・紅司の兄弟と従弟の藍司にさらなる不幸が襲う▼三大奇書の中で最も読み易く、フォロアー作も多いとのことなので手に取る。ヨカナーンの首を欲しがる踊りから始まる奇々怪々、サロメが咥えた黄薔薇はロサフェティダ?妄想の『ザ・ヒヌマ・マーダー・ケース』が現実になるのか、殺人か病死か事故なのか⁉多すぎる素人探偵たちの競演は悪乗り『カナリヤ殺人事件』までもトレース。赤い月下『ルナ・ロッサ』の合唱から下巻へ(1964年)

  • ストーリーはシンプルなのに表現むずすぎ、、
    誰が誰かわからんくなる笑

    これが日本三大奇書の一つか、、

    下も頑張って読みます。

  • 『書きたい人のミステリ入門』で「意外な動機の例」として挙げられていた一冊。三大奇書の一冊に数えられる。

    残念ながら、あんまりおもしろくなかった。
    結局どんなトリックと言うか犯人なの? という興味はあったのでページはそれなりにめくれたが、事件それぞれはそんなに面白みがないし(そもそも密室殺人に興味が持てない)、登場人物も魅力的とは思えなかった。
    そして期待していたオチもすごく微妙だった。

    ミステリファンは数々の名作というコンテクストを踏まえて読んで楽しめるのだろうが、自分はミステリ(少なくとも本格ミステリ)は苦手なんだな、ということがしっかり認識できた。

    評価する人は文体とか挙げるようだけど、うーん。

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著者プロフィール

中井英夫(なかい ひでお)
1922~1993年。小説家。また短歌雑誌の編集者として寺山修司、塚本邦雄らを見出した。代表作は日本推理小説の三大奇書の一つとも称される『虚無への供物』、ほかに『とらんぷ譚』『黒衣の短歌史』など。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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