- Amazon.co.jp ・電子書籍 (497ページ)
感想・レビュー・書評
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今更ながらエラリー・クイーンに挑戦。有名作であり、確かにミステリとしての構成も良いと思うが、現代の常識からずれる部分もある。カバーの説明に病毒遺伝の一族とあるが、内容には誤解を招く記述もあり現代だったら発行できなかっただろうと思う。
創元推理文庫の旧訳(鮎川信夫訳)で読んだのだが、まず活字が小さいのにびっくりした。1959年の初版だが、訳文が読みやすいのにも驚いた。2012年で116版!一部の用語を除いて、ちっとも古びていない。(一箇所、化学式の誤植があり、50年以上もそのままだったのかとも思った。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
推理小説の世界では、古典の名作と名高い本作。
いま改めて読み返すと、時代の違いによる常識の変化に多少のひっかかりは感じるものの、それでもここまで理詰めで謎解きをする作品は、推理小説というジャンルのひとつの完成形と言っていいでしょう。
新作を定期的に読む人は、時には古典を読み返してみるのも悪くないと思いました。 -
おもろい。
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ニューヨークの港で男の水死体があがった。それは、奇人変人揃いハッター家の中でも一番の奇人、エミリーの夫だった。それは、その後ハッター家の中で起きる数々の事件へと波及していく。
今回のドルリー・レーンさんは苦悩の連続です。
犯人はこの人しかいない!と早い段階で目星がつくのだけれど、ありえないし、そうであってほしくないし…。
私も読んでいて「こいつか?」と思ったけれど、まさかね…とさっさと消去しちゃった。
レーンさんの苦悩を現わすように、公には事件はあえて解決させないという結末になっている。
おまけに、レーンさんは事件を恐ろしい方法で収束させている。
『Xの悲劇』よりも深~い。 -
時代を感じさせる差別用語がバンバン出て来る。
ミステリーとしては、まぁまぁ。犯人は確かにわからずにラストに「わわ!」となったけど、あんまり後味良くないなぁ……