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感想・レビュー・書評
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読書はザルで水汲みのようなもの
他人に考えさせ、自分で考える必要がないから楽なものである
確かにそうです。
少しでも読書から得たものの備忘記録として、このブクログを利用していることを思い知らされます。
著者は一見キツイことを優しく表してくれます。
お人柄が感じられます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「『世界が明日終わりになると知っていても私は今日リンゴの木を植える』という有名な言葉があります。私は、明日死ぬことがわかっていても、やっぱり勉強を続けたいと願っています」
五十代半ばのいまならまだ、新しいことにチャレンジできる、勉強もできる、と思ってNHKを退社したという池上さんのパワーには圧倒されました。
私も仕事でいろんな分野に触れたりするごとに、知りたいと思うことが増えていきます。たとえば一本の映画を観ただけでも、その背景知識がもっとあればなぁと思ったり。
「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」、逆に「すぐには役に立たないこと」を学んでおけば、「ずっと役に立つ」のではないか、と言う池上さん。教養とは何か、ということをあまり真剣に考えたことがなかったけれど、こういうことなのだなーと感じました。そのときは点でしかなかったものが、後々いろんな形で繋がっていく。読書とはザルで水を汲むようなものだけれど、汲まなければ決してたまらない。そして読むだけでもダメで、そこから自分で考える力をつけなければ意味がない。
私は意志が弱く、やる気がぐんと上がることもあれば、あのときのやる気はどこに?ということも不思議なくらいによくあります(^_^;) そんなとき、この本をまた開いてみようかなと思いました。
自身の英語の勉強方法、ノートの取り方、歴史を学ぶ意義、紙の新聞を勧める意味、福島原発周辺の話題など、具体的なお話もたくさん。池上さんの本は本当に読みやすく面白くて、いつも引き込まれてしまいます。「伝える力」とはすごいものだな、と思うけれど、その裏にはたゆまぬ努力があるのだということがよく分かりました。
今自分が大学生だったら、きっと当時とは全然違った姿勢で勉強に取り組むことができるだろうな、と思ったりもします。でも、それは一度社会に出ていろんなことを経験したからこそなのだろうな、とも。これからも自分なりの歩みで少しでも前に進んでいきたい、と力を与えてくれる一冊でした。 -
名刺がなくても通用する人間になるには勉強が必要。
すぐに役立つことは、すぐに役立たたなくなる。 -
ご存知池上彰氏が教養とは何か?学ぶ事とは何か?人は何故学ぶのか?を語った一冊。
学ぶということは、「要するに何なのか?」「そこから導き出されるものは何なのか?」を考えることだと。それはその通りだと思えて、ネットで情報が速攻で簡単に大量に手にはいるからこそそれを自分なりに噛み砕いて一般化する力が求められるよなぁと。あと歴史は因果関係をきちんと知ること、ってのもなるほどと。へー彼が天下取ったんだー、で終わらせずに、何故?と自分なりに考えるのが大切ねと。
答えのない問題に取り組める力が大切なんてだいぶ前から言われるようになったけれど、果たして同士たらそんなスキルが身につくものかと考えてしまう。兎に角考えて、自分なりの答えを導くことが訓練かなと思ったりしたけれど、やっぱり自分で考えるって大変だよなと思ってる時点で俺には考える才能ないんだなとか思える。
それでも少しずつでも自分の中に落とし込んでいく事は訓練しないとなと今更ながらに思えた本でした。 -
池上彰さんによる教養論、勉強論。NHKに入社したころから、取材など仕事の合間を見つけては本を読んだり、独学で様々なことを学び続けてきたそうです。池上さんも書いていますが、一般的な日本企業では、仕事以外の勉強をすることは周囲からは、必ずしも良い評価を受けません。(個人的体験からもわかるな。不思議なことですが。)しかし、仕事以外の分野を幅広く学ぶことは、視野を広げ、仕事しかしていない人から見ると意外な観点からアイデアを生むことに繋がります。それは池上さんの今の活躍ぶりが証明してますね。
教養こそ王道。従来の日本モデルがほとんど機能しなくなってきた昨今、目先の知識、ノウハウではなく、幅広い教養を身につけることが再評価されてきている印象があるのは良い傾向かと思います。(全体からみるとごく一部のトレンドなのかもしれないけど) -
池上彰氏の考え方、学び方が少しでも分かる本。とても分かりやすく、文章も読みやすかった。ただ、機械的なものに頼るのではなく、自分の脳力を高めていく様にしているのが分かる。
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尊敬するジャーナリスト池上彰さんの本。その1
彼の人気は専門家と一般人のあいだのギャップをうまく埋めてくれるところにあると思う。ドラえもんの道具でいうならば、「ほんやくコンニャク」。
それって、そう簡単にできるわけじゃなくて、自分自身がまずしっかりと知識を咀嚼してからわかりやすくして吐き出すわけで、日本にも池上さんのようなジャーナリストがあと10人でも現れれば日本大きく変わる気もするなー。
この大変革の時代だからこそ、後に続きたいものです・・・。精進せねば。 -
池上さんの原点や、どのようなことを考えながら大学で教えていたか、そして池上さんの考える教養とは何か、を平易にエッセイっぽく書いた本。売れているハウツー本のように何かができるようになるわけではないけれども、なぜあんなに解りやすく物事を説明できるのか、という問いの片鱗が見えた感じ。
個人的には、この本にあったように、理系が教養として社会科全般を学ぶことはとても大切だと思っている。私大の理系なんて、文系科目は高校の前半までしかマトモにやってないんじゃないかな。わたしもそうだった。だから選挙は行かないし税金もよくわからない、関わる筈の社会保障制度についてもおざなりにしか理解していない、という困った医療人を輩出してしまうのだ。 -
現在、東京工業大学のリベラルアーツセンター教授として、教養課程を教えられている著者の、「現代版教養のすすめ」。
「すぐ役に立つ」ことより、いつしか「役に立った」ということを学ぶ楽しさを知り、またそれが「よりよく生きる」ために重要であることを感じ、勉強意欲が湧きました。
一番響いたのは、「読書はザルでの水汲みのようなもの」で、読んでもその後に自分で考える時間がないと、自分のものにならないというところです。
今後は、本書で触れられているノートの取り方など参考にし、読了後に少し自分のものにする時間を設けたいと思います。