この世界の片隅に コミック 全3巻完結セット (アクションコミックス)

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著者 : こうの史代
  • 双葉社 (2009年4月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ

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この世界の片隅に コミック 全3巻完結セット (アクションコミックス)の感想・レビュー・書評

  • 映画を観たので本の方にもログ。

    こうの史代さんの原作は以前読んだ時から本当に素晴らしいと感じていた。なので、アニメになったらどう動かすのかなぁ、と楽しみにしていた。
    映画を観て、片渕須直監督はさすがだと感じた。『マイマイ新子』や『Blacklagoon』を観て、外さないだろうなとは思っていたけど、自分の予想なんてどうでも良いくらいに良かった。どちらかというと皮肉屋な自分が映画館で純粋にボロボロ涙を流すとは思わなかった。
    すずさんの暮らしの中には、多くの映画で語られる芝居じみた、戦争、広島、原爆が無い。戦争は大きな要素を占めた出来事ではあるけれど、けして全てではないのだ。そういう淡々とした悲しみ喜びが溢れる表現がとても愛おしい。

    映画の感想になってしまうが、いわゆるマンガ原作のアニメ化の悪影響がなく、相乗効果を出している幸せな作品だと感じる。能年玲奈こと、のんさんの演技も悪目立ちせず、なくてはならないピースとしてすずさんを浮き立たせている。
    戦争や広島を伝えていく新たな想像力を与え、長く親しまれていく作品の誕生にただ感謝したい。

  • 「この世界の片隅で」こうの史代。2007~2009に連載された漫画です。

    ぐっと来ました。素晴らしい。大好きです。



    読書会の課題図書。
    こうの史代さんは1968年広島出身。これまでも「夕凪の街 桜の国」というのも名作らしいという情報は知っていて、読んでみたいな、と思っていたところ渡りに船。



    戦前の広島・呉が舞台。
    いわゆる偉人ではなく、まったくの市井の一少女・すず、が主人公。
    海苔の養殖を営む両親の下に生まれ、父はやがて工場労働者に。
    なにかと妹をいじめる乱暴者の兄と、仲の良い妹。
    すずは、画を描くのが得意で大好きなだけで、これといった異能はない。大きな野心もなく、とってものほほんと過ごす。

    呑気な娘時代が終わり、縁談があって、呉鎮守府の軍法裁判所の書記の男性と結婚。呉の婚家に移住します。当たり前のように大家族。義理の両親に加えて、義姉が婚家と折り合いが悪く子供を連れて出戻ってきて同居。この義姉がなにかにつけて、不器用で呑気なすずにちくちく。

    なんだけど、話は全然暗くなりません。

    主婦であり嫁であるすずの日常。家事の細部を丁寧に描く。落ち込むことはあっても暗くはならない。
    この漫画の世界では、脇役たち、意地悪そうな義姉さえ、それなりの愛嬌もある。何より、寡黙で一見頼りなさげな旦那さんが、実はちゃあんとすずのことを大事にしている。惚れている。かわいらしい。
    (この旦那さんとすずさんは、プロローグ的な第1話で実は子供時代に出会っている、という伏線が効いていますね。この第1話はちょっとファンタジック。おとぎ話のような味わい)



    主人公すずの、なんともほわんとした持ち味。視野が狭く、遠くを気にしない楽天さ。こうのさんの絵のタッチにすごく合っている気がします。読み易い。

    そういう、サザエさんばりの「日常もの」かと思いきや。

    読み手の側は(僕は)初めから分かっているのですが、全て戦前戦中下の話です。すずが結婚したのが1944年。

    1944年の呉。主人公の実家は広島。です。
    15年戦争はずっーと前からやっていますが、庶民の日常まで圧倒的に破壊されたのはラスト2年間くらいだったそう。

    すずの日常にも、戦争がやってきます。

    #

    実家では兄が出征します。
    幼馴染も出征します。
    物資が乏しくなってきます。
    隣組。欲しがりません勝つまでは。
    空襲まではじまります。

    すずは、この漫画の人々は、
    「歴史の結果と評価を知っている後世の人の目線で見る」
    ということは決してしません。

    一日、一日、小さな喜怒哀楽と正面から向き合いながら、ある意味では流されて生きています。

    その描き方が、日常的な肌合いが、ナントモ言えず僕は好きでした。
    戦後生まれの作家さんですし、読み手の僕も戦後生まれなんだけれど、「ああ、こういう感じで戦争になって、それが悪いとかそういう物差しは当然無いままに、進行していくんだよなあ」と。
    人間の想像力(と取材力)ってすごいなあ、と思いました。



    もちろん、物語。フィクション、漫画ですから。

    淡々としているように見えてちゃんとドラマチックに感情が揺れていきます。

    やはり、「幼馴染が婚家に訪ねてきた事件」は、表面上の事件は何もないのに、水面下で強烈な緊張感がありました。

    そして、終戦に向けて辛いことが、次々に主人公とその一家に襲いかかって来る。そのくだりの表現が、これまた僕は大好きでした。

    悲惨過ぎない。

    起こっていることは、悲惨そのものなんですけれど、それを表現として、かわいそうでしょ?という側面を前に出してこない。

    だって、可哀想な状況に居ても、人によっ... 続きを読む

  • 戦中の普通の人々の物語。
    これこそ後の世に伝えたいコミック。
    かわいくて苦しくて切なくて愛おしくて勇気が出る。
    鬼イチャンのエピソードが大好きです。

  • 映画みて号泣して、原作を読んでみたくなり即日購入。本当に良い物語を知ることができた。映画もよいが、映画に出てこない人間関係が、物語にさらに深みを持たせている。

  • 終戦前後の広島、呉市に住むごく普通の女性「すず」

    気立てがよく働き者の彼女は嫁ぎ先の呉で日々を懸命に生きる。苦しい生活、悲しい別れなどたくさんの苦難。
    広島の原爆も悲惨な光景が描かれている訳ではないだけに、酷さ、悲しさが際立っている。

    戦時中の生活についてもよく調べられていて、庶民の戦中の生活がよくわかる

    未来への希望も感じさせられる作品。

  • 我々は戦時というのを異常で悲惨な暗黒時代のように思いがちだが、配給や焼夷弾や原爆や8月15日や悔しさや諦めとともに生きた普通の人々が確かに存在したのだな、と、この漫画を読んで実感しました。

  • 映画がとてもよかったので読んでみました。
    何度も泣きそうになりました。
    辛くて悲しいけれど希望も持てる素晴らしい作品。

  • 映画試写見たので備忘。

  • この街はあるアーティストを追いかけてライブに行ったことがある。まさかそんな街に戦争で焼き尽くされたという、悲しい出来事があったとは思わなかった。ガイドブックを見ても知ろうともしらなかった。もっと知らないといけないことがたくさんあることを思い知らされた。私に出来ることは、出来る限り「知る」ことそしてそれを「伝える」こと。当事者ではない私がこんなことを言うのはおこがましい限りなのだけど、何か行動したい衝動に駆り立てる作品だと思う。

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