天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ(下) [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 本作に登場する主な登場人種/機械は、普通の植民地人(人間)のほか、体内に多量の電気を溜めコイルガンを操る《海の一統》、共意識を持つ "石工"(メイスン)= "昆虫兵" =《休息者》、アンドロイドの《恋人たち》=《娼婦たち》、シェパード号の制御プログラム "ダダー"、そして大きな体/琥珀の瞳/鋭い腕/絡む血をもつ《プラクティス》=《咀嚼者》など。

    彼らの存在理由や因縁が明かされないまま、「メニー・メニー・シープ」は終了してしまった! しかも、成功したかに見えた革命が新たな人類存続の危機を招いてしまう、悲劇的な終わり方で。

    続きを読むっきゃないな!

  • 前半でとんでもない疑惑が浮上し、スケールの大きさに背筋がゾクゾクする感覚を味わった。革命の成否が気になって読み進め、最後に領主が全部白状して大団円かと思ったところで唐突に迎える予想外のラストには「ちょ、おいィ!?」と叫ぶしかなかった。謎をばらまくだけばらまいておいて一切回収しない壮大なプロローグ。最終巻まで読むしかない。

  • レクターを倒して終わり、ではなくここからが新たな受難の時代だった…的な終わり方。続きが気になって仕方ない。
    イサリとカドムの結末が哀しい。
    生き残ってるのはエランカだけ?

  • 植民地である星から、唯一の宇宙船で逃げ出そうと企む臨時総督「領主」とレジスタンスの戦い、だと思って盛り上がっていく話を楽しんでいたら、思わぬ展開に。鍵はやはり異形の「イサリ」の謎にありそう。この植民地星の成り立ちに関わる話に留まらず、このシリーズの舞台となる世界観そのものの謎が明かされていくのかな。ちゃぶ台ひっくり返された感で、SFよりファンタジー、ラノベ要素が濃くなっているのは気になるが。まあ、SF大賞受賞作なんだし、続きいってみよう。

  • 前巻に引き続き、アクリラの周りのキャラがどんどん死んでいく。これで折れないアクリラは強い。
    でも終盤、とうとうアクリラ本人もやられてしまった…。あっけなさすぎる退場だったので、まだ生きてると思いたい。
    敵だと思って憎まれてたたキャラが実は一人孤独に戦っていたという展開好き。ほぼ全滅で終わっちゃったけど、この話が他とどう繋がってくるかが楽しみ!

  • 長いシリーズの序章なので、かなりの謎を振りまいて終わったが、結末の意外性も含めて、一つの話として結構面白かった。

    シリーズを通して、本巻の謎が明かされていくらしいので、のんびり続きを読んでいこうか、という感じ。

  • 心理描写が浅く薄い。
    描きたい物語に沿って人物を矛盾なく動かすために、わざと描写を削ったかのような印象。
    そのため小説というより、作品プロット、設定書、歴史書のような淡白さがある。
    恐らくだが、説明のされていない数多くの設定に細かいディティールが仕込まれていて、それを今後少しづつ開示して伏線回収としたいのだろう。
    個人的には各設定はしっかりと説明した上で、複合的な解釈により伏線となるような作品のほうが好みなのでこの評価です。
    まとめ買いしたので今後も読んでいきます。

  • 小川一水の長大なSF大河ドラマシリーズ、「天冥の標」のオープニングを飾る作品の下巻がこちら。上巻の興奮が冷めないうちに下巻を読み始めたら、面白すぎて一晩で読み終わってしまった。

    メニー・メニー・シープと呼ばれる植民地惑星と、そこで生きる人々を丁寧に描いたのが上巻とすると、この下巻ではそれらの人々が「領主(レクター)による星からの脱出」という陰謀に対してどのように立ち向かい、そしてどのように散っていくかが語られる。

    圧倒的な力を持つ領主とその軍に対して、主人公のカドムや<<海の一統>>の次期当主であるアクリラは、当初は小さな抵抗を試みようとする。しかし彼我の圧倒的な力の差に加えて、加速する星の荒廃を前にして、やがて彼らは全面的な戦争へと突き進んでいく。そしてそれは同時に、上巻で愛着を持って描かれたキャラクターたちの多くが死を迎えるということを意味する。

    驚くのは、本作が単体の作品であれば絶対に許容できないようなエンディングを提示する事だろう。ネタバレタグをつけているとはいえやはりこの驚きはネタバレしないで読んでほしいと思うので詳しくは書かないが、この「メニー・メニー・シープ」を最後まで読むと、単にとてつもなく長い物語の序章でしかなかったことを痛感させられるのだ。

    読み進めるにつれてむしろ謎が深まっていく本作を読んでしまったら、残りの作品を読まずにはいられない。

  • nfm

  • 普通の人間、アンドロイド、原住民などが混在する惑星で、暴君?を倒すために一致団結する主人公たち。最終的に暴君を倒したはずが、実は...。本書の結末が想定外すぎです。俄然盛り上がってきました。続編に期待です。

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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