天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ(上) [Kindle]

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  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 小川一水の長大なSF大河ドラマシリーズである「天冥の標」のオープニングを飾るのが本作だ。舞台となるのは人類が300年ほど前に開拓した”ことになっている”ハーブCと呼ばれる星だ。

    この星では領主(レクター)と呼ばれる存在が、地球から伝えられたと言われる技術を使い、まるで王のように星全体を収めている。そしてその力の根源は、この地に電力(動力)を提供しているかつての宇宙船シェパード号であり、代々領主一族のみがこのシェパード号をコントロールする権限を保有しているのだ。

    シリーズ10作、17巻になもる大作のオープニング作品ということで どうしても読者でもあるこちら側は身構えてしまっていたのだが、 魅力的な登場人物が序盤から物語はぐいぐいと引っ張っていってくれる。何か大きな仕掛けが張り巡らされていることは 展開の端々から想像がつくのだが、この上巻の段階ではまだほとんどその全貌は姿を表さない。

    欧米のハードSFとは異なり、描写がかなり視覚的なために日本のSF漫画に親しんでいる人であればスムーズに世界観に入り込むことができると思う。 上巻の段階ではまだ物語の 材料がちりばめられているだけなので、下巻ではその材料がどのように一気に纏めあげられるのかを楽しみたい。

  • 宇宙の植民惑星に移り住んだ後、人類はどのような生活を送るのか。本書では、独裁状態の世界が繰り広げられる。今から1000年後ぐらいの世界だけど、あまりハイテクを感じることはないかな。アンドロイドは人間と区別つかないけど。

  • 日本のSFの最高傑作だと思っています。
    これだけ長いのに全く飽きなかった。ベーステーマの人類と疫病も時代の先取り感があります。この小説を読みながら、ウイルス・生物起源・宗教などに思いを寄せ、思いつく書籍を読み返したりしていました。
    とても印象に残る一冊です。
    ただ終わり方が若干無理やりだけど・・・

  • 一昨年最終巻まで読破したが、無性に読み返したくなって再読を開始。1冊目は状況説明が多いが、そこかしこに漂う不穏な空気に引っ張られて止まらない。終盤で明らかになる謎の事態は、結末のスケールの大きさを予感させ、ワクワクさせてくれる。

  • カドム、アクリラ、ラゴス、エランカ、リリー、イサリと魅力的なキャラがいっぱいだし、続きが気になるし、でいつもより早く読み進めてしまう本。
    カヨの献身的な態度が可愛い。
    ただ人はガンガン死んでく…。

  • 天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ(上) [Kindle] 2020/5/6までのスペシャル0円キャンペーンで購入。いずれ読もうと思っていたけど、重そうな話でちょっとこのタイミングは・・と思っていたけれど、予想に反してというか予想通りというか止まらなくなって読み進んでしまった。

  • ラバーズのくだりが特に好きだった。
    愛の中にはリスペクトがある場合と、そうではない場合がある。

  • あとがきを見ると10部作ということですが、まだⅧまで。

    久しぶりにSFが読みたくて。
    時系列が飛ぶ話はやや苦手としてますが、それでも面白い。
    1冊読むごとに巻末の年表と用語集で復習です(笑)。

著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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