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- / ISBN・EAN: 4988003817688
感想・レビュー・書評
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緊急事態宣言も東京アラートも解除されて、徐々に外で人と会うことができるようになった。
映画好きの友人と、自粛中に観た映画について話している時にわたしが「観る映画に意図せず新井さんが出てくることが多くて…」と話したところ、この作品を勧められた。彼女は言った、「この映画はね、珍しく新井さんがいい奴役なんだよ!」と。なるほど。
出演者は、堺雅人、山田孝之、新井浩文、綾野剛。
うん、何か不穏なことが起こる気満々な感じ。
加えて、安藤サクラとでんでんも出演している。漂う園子温感。
(※監督は園子温ではありません。)
自粛中は、意図せず新井さんが出てくることが多かったけれど、
自粛後、わたしは自分から新井さんへ当たりにいくことにしたのだ。キラーン!
「凶悪」では、事件を追及して悪を焙り出す、善の役として主演を張っていた山田孝之。今回は、「凶悪」で悪の側にいたリリー・フランキーやピエール瀧のような、暴力で人をどうにかさせようとする側、悪の役だ。それに逆らえない綾野剛、彼らに殺されかける新井浩文。
山田孝之演じる木島は堺雅人演じる健一の妻をひき逃げする。この時、綾野剛演じる小林も助手席に乗っていた。妻のことを忘れられない健一は、木島への復讐を誓う。それを心配している健一の妻の兄(健一にとって義兄)にあたる青木役を演じているのが新井浩文。なんと学校の先生!健一の身体を気遣って「タバコやめろよ」とか言っちゃういい奴。それでも、妹をひき逃げされている過去があるわけで、心に抱えた傷は深い。だから、時折声を荒げたりするシーンは狂気じみていて、新井さんの不穏さがうまく活かされている。
作中で小林(綾野剛)が「平凡でいたい」と言う。
それに対して青木(新井浩文)が「平凡ていうのは、全力で築きあげるもの」だと言う。
この作品は言うなれば「平凡じゃない人たちが、平凡を追い求めるお話」なのかもしれない。
でも実際に平凡が訪れれば、人は退屈になって、自分から平凡じゃないものを作り上げてしまうか、平凡じゃない世界に行きたくなってしまうのではないか。
わたしも、平凡な日常を送っているつもりだった。結婚して、子どもも何人かいて、そんな平凡な生活を送っているつもりだった。誰もがそれを平凡だと思っていたし、誰もが手に入れられる平凡だと信じていた。みんなとっくにその平凡を手に入れた。それがいつのまにか平凡は、自分の手の届かないところにいっていた。その平凡を手に入れた人たちはきっと、全力で築き上げ、全力で守り抜いているのだろう。わたしはいつからか、平凡じゃない生活の方が、どうしてか居心地がよくなってしまった。そして思う、平凡、とは。
無性にプッチンプリンが食べたくなって、けれどあいにく冷蔵庫には入っておらず、
代わりにKALDIで買ってきたベトナム風練乳プリンを食べた。めちゃめちゃ美味しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
★ケンちゃ~ん!また隠れてプリン食べているんでしょ!★
堺雅人が演ずる中村ケンちゃんは妻を轢き逃げされ
妻の死を受け入れられず、弔い方もわからない、
妻が残した留守電メッセージを5年も呪文のように聴く男。
一方、ケンちゃんの妻を轢き逃げした木島(山田孝之)は
人を撥ねた直後に
”あ、サバ味噌の匂いがする・・・どこかで今夜はサバ味噌だな”
という状況判断に乏しい頭のおかしな男。
この2人の男が5年後の大雨の中で対峙するが、
こんばんは、と互いに挨拶を交わしてから取っ組み合う。
おかしいのはこの2人だけでなく登場人物全員がズレズレ。
案外、あたしも周りの知人達も一見、
正常のような気がしているだけなのかもしれないと思った。
ラスト、ケンちゃんがプリンを頭や顔に塗りたくり
留守電を消去するシーンが印象的でした。
山田孝之、もっと凶暴さがほしかったな。 -
救いようのない人間性のひき逃げ犯を演じるのが、
山田孝之さんがうまい!
それに恐怖感もあって
なんとなくくっついていってしまっている
綾野剛さんも演技がうまい。
この映画のテーマは
なんでこんなこと(=反社会的な行動)やってるの?/したの?
という問いに対する複数の
「なんか、、、暇だから」
という答えにある。
「暇だから」とてつもなく「暇だから」
恐喝するし、その共犯するし、売春もする。
それってある意味、真実なんだろうなって思う。
悪いことをしないのは道徳を守っているというよりもそんなことするほど暇じゃないから。
そういう側面はこの世界のどこかに絶対にあると思った。
そして、
主人公のいう「話をする」「ただ日常の話をする」という行為が
無辜の人々を犯罪加担から救うこともほんとうにあるのだろう、と思った。 -
《演技の上手い役者ばかり集めると映画はこうなる》
山田孝之が観たくて、たまたま見つけた映画。主演堺雅人と言うだけで期待が持てます。
内容はともかく、演技が出来る俳優女優しか出ていないので、観てて飽きない。名演技が名演技を呼ぶ様なそんな掛け合いを感じる事が出来る。
それもそのはず、こちらの映画の原作が舞台劇であり、その舞台劇の作者演出の方が映画の監督を務めているので、まるで舞台演劇を見ている様な感覚に陥るのだ。
この映画は好き嫌いが分かれる映画だと思うが、圧巻の演技を見るだけでも一見の価値はあるのでは無いでしょうか? -
2012年。自分の中では裏アカデミー最優秀作品賞。
(ちなみに表向きは北のカナリアたちでした。)
ぐるりのことを観たときくらいの衝撃。
いや、それとはちょっと違うな。
シリアスなはずなのに、アルゴとは違う意味で笑えて、
でもラストの堺雅人に激しく感動。
人が立ち上がるということは、
理屈やセオリーではないのだ。
乗り越えるために必要な時間も手段もその人それぞれ。
それは誰にも無理強いできないし、
かっこわるくてももがいて、もがいて、
苦しんで、
その人自身が納得して初めて、
乗り越えたと言えるのだ。
その姿には誰も笑えないし、
むしろ涙さえ流れる。 -
これは自分史上最高にわからない映画だった
それはもう時間を返してもらいたくなるほど
いくらなんでも自分に酔いすぎ -
2019/4/27
役者ってイイな。 -
8月10日
決行
*
憎しみ
罪悪感
嫌悪感
正義感
悪意
孤独
成し遂げたかったことは復讐ではなくて、
哀しむこと。
プリンの涙。 -
妻を轢き逃げで殺された男が、五年経っても尚 犯人への復讐だけを胸に生きる。けれど決して復讐劇ではないのが良かった。
堺雅人や山田孝之を始め演技派が揃い踏みで素晴らしかったです。重いシーンが淡々と続くので、キャスト目当てで観るには向かないかも。 -
妻の久子(坂井真紀さん)を轢き逃げされた中村健一(堺雅人さん)は、犯人の木島(山田孝之さん)が檻の中にいる5年間、毎日、命日に久子からかかってきた留守電を聴き、復讐心を忘れない様、努めていた。出所した木島の素行の悪さは相変わらずで次々と問題を起こしていくのだが、久子の命日についに健一と直接対決となるのだが。。。
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冒頭のひき逃げシーン、あまりの怒りに観続けることができず、終了。それだけリアリティのある描写だったのかもしれないが…。
定額制見放題でなく、お金を払っていれば、頑張って最後まで見たかもしれないが、残念。 -
コメディかな?観客を逆なでするようなキャラやセリフ、シーンが何の為に存在しているのかが全くわからず、不協和音をたてていて、ただただ不愉快であった。こういうチグハグな会話や人物って日常に潜んでいますよね、っていう狙いが透けて見えたから余計に辛かった。
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〜2015