桃さんのしあわせ [DVD]

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監督 : アン・ホイ 
出演 : アンディ・ラウ  ディニー・イップ  ワン・フーリー  チン・ハイルー  チョン・プイ 
  • パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2013年5月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988113828079

桃さんのしあわせ [DVD]の感想・レビュー・書評

  • wowowで録画視聴。字幕版。
    こういう老いがテーマとなる話は見ていて辛いかな…と最初は少し怯みました。しかも老人ホームの様子が描かれる最初の方は、入所したばかりの桃さん同様にかなり動揺していたのですが、そんな中でも少しずつ桃さんが立ち位置を確立し、人々と馴染んでいく過程をけしてべたつかず淡々と描く様子は非常にすんなりと観る事ができました。
    そして、家政婦の桃さんに育てられた男性を演じるアンディ・ラウの佇まいが本当に素敵で。
    桃さんに献身的に、けれど過保護になり過ぎずに傍にい有る様子は、共に生活してきた者同士の自然な関わり方を伝えてきました。思いやる事さえ当たり前…という。
    それでいてどこか老いた育ての母に対するというよりは、一番大切な女性をエスコートするような姿に見える瞬間があるのはアンディ・ラウのもつ抑えた色気と桃さんを演じた主演女優の方の毅然とした美しさの所為なんでしょうね。
    他の家族ももちろん桃さんを尊重し大切にしてはいるけれど、彼とは微妙にその感覚が違う、家族ではなく使用人としての線引きがあるというのが彼と他の家族との会話に垣間見えるのですが、それをけして非難せず、だけど迎合もせずにさらりとかわすやりとりなど、会話のセンスも光る一作でした。
    これは見てよかったと凄く感じる良作でした。

  • 生きているということはいつか必ず死ぬということ。近しい人のそれをまっすぐに見つめるということはどういうことか。

    いつもあたりまえのように家族以上に近くにいた家政婦の桃さんが倒れて、彼女と二度と会えなくなるまでのロジャーの日々について/消えていく自分の命に向かい合う桃さんの日々について、の映画。雇用主と使用人という関係性だというのに毎日の繰り返しを共にしているという事がどれだけ人間の中の大きな部分を占めるのかということを問いかけてくる。そしてそんな相手に対してどうやって報いる事ができるのかという(無言の)疑問が非常にアジア的でもあり、胸にせまる。淡々と過ぎて行く残り少ない日々。細くたよりなくなっていく桃さん。だんだんと減って行く老人ホームの人々。体は静かに動かなくなっていく。黙って桃さんは笑うばかりだ。

    桃さんのご飯を食べて育ったロジャーが、外でご飯を口にしないところに胸が痛んだ。どんな愛かはどうでもよくて、それはただ静かな、愛みたいなものに見える。

  • 何十年間も家事使用人として一家のために尽くしてきたタオさんが脳梗塞で倒れ、それまで彼女に頼り切って生活してきたロジャーは、はじめて自分の方が彼女をケアする側となることを選択する。それは、産まれてこの方当たり前だったタオさんと自分との関係をあらためて見直す経験だった。
    年老いていく人の看取りという普遍的なテーマを扱っているが、ロジャーとタオさんの関係は親子のように親密でありながら、社会的には大きな差異によって隔てられている。13歳から70代まで、自分の家族をもつこともなく他人のために働き続けてきたタオさんは、全身に厳しい労働倫理がいきわたり、体がきかなくなっても自分のためにお金を使うことは嫌がる一方で、ロジャーをはじめ他人に対しては甘い。一方のロジャーは成功した映画プロデューサーで、家族も欧米に移住するなど、国境をまたいで特権的な生活を享受している。しかしその生活を支えているのは、タオさんのような肉体労働者たちなのだ。
    ロジャーはタオさんの介護費用を負担し、頻繁に訪れては親密な愛情を示すが、一歩間違えれば金持ちの自己満足的な「恩返し」の話になりかねない。この映画がそうなってはいないのは、ロジャーのモデルとなっている映画の作り手が、非常に敏感なセンスをもって、自分の振る舞いやタオさんとの関係を内省的に見つめているからだ。
    ロジャーが修理屋やタクシー運転手とまちがわれるシーンは、肉体労働者と知識人の歴然とした階級差を意識させるし、正月で人のいなくなった老人ホームで、タオさんがロジャーの一家から電話をもらったあと、同じように家族のいないケアマネージャーとTVの花火を眺めるシーンには、雇い主との疑似家族的な愛情では満たされない孤独の深さがうつしだされる。細かなディテールの積み重ねによって、親密な愛情という表面の下にある複雑さ微妙さをとらえる細やかなセンスが実にすばらしい。
    ただの「いい話」では終わらない、親密さと階級と家族について細やかな内省と洞察に誘う映画である。

  • なんか終始、涙ぐんで観てたよ。
    お母さんを思い出したり、老人施設の風景とか、タオさんがとってもキュートで。
    ロジャーは(アンディ・ラウ)の家に60年も仕えてきたタオさんをほんとに大切に思い介護し施設にも足繁く通って。
    その時のタオさんの嬉しそうな顔がおかあさんと重なってせつない。
    ロジャーが自分の製作した映画のプレミアム試写会にタオさんが精一杯のおしゃれをして二人で腕をくんで行くシーン、良かったなぁ。
    小山薫堂も言ってけどアンディ・ラウって若き日の高倉健に似ている。この役もぴったりだった。
    この役、日本でするなら誰かな…松山ケンイチ、いや意外に東出さんがいいかも。

    どんなに愛された人も、どんなに憎まれた人も最後はみんなひとりで死んでいく。

    今は亡き安西水丸氏も出てた”W座の招待状”、
    これは保存版かな。

    桃姐 A Simpie Life 2012 119 香港 中国 Wowow
    監督 : アン・ホイ
    出演 : アンディ・ラウ ディニー・イップ ワン・フーリー チン・ハイルー チョン・プイ

  • この作品を観ているとなんとなくではあるが、長年独身貴族であったアンディ・ラウの実生活はこんな感じではなかったのだろうかと思ってしまった。若い頃は武闘派作品に多く出演してきたもののアンディの真骨頂はこういったヒューマン作品にあるのではないだろうか?

    暖かいというか本当になごめるいい作品です。

    「桃さんのしあわせ」
    https://www.youtube.com/watch?v=jhuvbhRrcdk

    香港作品はどこか暖かみを感じる。俳優さんたちの中にお金がすべてじゃないみたいな感がある。本作は主演のアンディとアンディの一家に60年間という長い月日寄り添ってきた桃さんというメイドさんの2人の作品なのだが、カメオで多くの俳優さんがいたり、チョイ役でアンディと付き合いの長いアンソニー・ウォンがいたり所々で面白さ懐かしさを感じ旧作を手に取りたくなってしまう。

    桃さんが脳溢血で倒れた後、アンディは当たり前の存在の桃さんへのかけがえなない存在感に気が付く。実の母親にでもできそうにないことを実話ベースに作られたこの作品の中から感じさせる。本当に好きな作品ですね!

  • 桃姐。香港では2012年の各賞総ナメした傑作。主演のDeanie Ipが素晴らしい演技。Andy Lauもそれを引き立てる見事なパフォーマンス。描き上げた少子高齢化が進む香港の現状は観ていて非常に辛いのだが、警鐘を鳴らすと同時に観るものにイヤな感じを残さないのも素晴らしい。そしてサモハン・キンポーがカメオ出演。元気だね、洪哥。

  • 物語の見せかたや重さが自分にはちょうどよかった。
    現実にはアンディほどのいい男はなかなかいないと思うけど。

  • 淡々と進む物語。心地よいです。二人の会話、笑顔がとてもいいです。

  • 血は繋がっていなくてもこの人たちは家族なんだなと、笑い会う二人を見ていてしみじみ思えた。いいなあ。

  • よかった。けど、よかったんだけど、『息もできない』のあとに見たから、印象がうすまってしまった。

    映画なのに桃さんの60年の年月が見えました。
    あれが演技でできるなんてお芝居って凄い。

    人生って切ないです。

  • 良い映画でした。さすが、金獅子賞に輝いただけあります。

    みんなに愛された桃さん、しあわせな人生で良かったです。実話という事ですが、桃さんは良い家庭に恵まれました。

    やはり中国映画は素晴らしい作品が多いです。

    ただ、最初に何で八百屋冷蔵庫でいじわるされたのか、桃さんの面接した後釜はどうなったのか、取り戻したアパートもどうなったのか、が全く描かれていないのには不満が残ります。こんなだったら振らなければ良いのにねぇ。

  • 家政婦と雇い主の心温まるエンディングストーリー。

    60年間梁家に使用人として働く桃さんは、ある日脳卒中で倒れてしまう。
    介護が必要になった桃さんを雇い主だったロジャーが世話をすることになる。

    家政婦だった桃さんと雇い主だったロジャーの心のつながりを二人の日常の中でやさしく表現している。劇的な感動を誘う作品ではないが、幸せとは何かしみじみ感じさせてくれるようなぬくもりのある作品であった。

  • すごくすごく良い。
    暖かくて、よくみるとしみったれてて。
    生々しくて。

  • デニー・イップ演じる主人公:桃さんの表情が素晴らしい。「この映画は桃さんの表情だけを観ていればいい」とすら思ってしまったほど。特に実の息子のように面倒をみてきたロジャーが(老人ホームで桃さんが肩身の狭い思いをしないように気を使って)"義理の母"と呼んでくれたときの嬉しそうな表情は印象的。また、桃さんとロジャーが2人で出かけているときの雰囲気の良さは観ている側も心地良くなってしまうほどですが、それも主に桃さんの嬉しそうな表情から伝わってくるのです。演技だというのが信じられないぐらい。私生活でこんな笑顔をする人が身近にいたら幸せなことなのでしょうけれど、それが演技だと知ったらきっと人間不信になってしまいます(笑) しかし映画全体からみたら、桃さんが嬉しそうな表情をしている時間は決して多くなく、むしろ怪訝そうな顔のほうが多いのです。第68回ヴェネチア国際映画祭主演女優賞!

  • とにかく桃さんがキュート。

    60年間同じ家族に仕えてきた雇い主の息子に、
    最期を世話してもらえる幸せ。

    人生の苦労は大きかったろうに、
    その最期は、確かに幸せだったことだろう。
    時には娘のような表情で青年とつかの間の時間を過ごす。

    桃さんの人柄も、場面を通じて垣間見れるようになっていて、
    言葉少ないながらもそれがかえって効果的。

    やはり桃さんの私物を見ながら思い出話をする場面がとりわけ印象的で
    涙を誘う。

    http://onionmovie.jugem.jp/

  • いや~、やっぱり泣けました!
    桃さんが脳卒中に倒れて右麻痺になってしまってから
    老人ホームに入るわけですが
    家政婦として60年働いてた家のロジャーがこまめに面会に来てくれて
    病気を繰り返し、最後の日まで
    ロジャーや一家の人たちの思いやりの中で生きられて
    桃さんはしあわせだったんだな~って思います

    特に劇的にオーバーに描かれてないので
    淡々と進むのですが
    映されていないところにきっと悲惨な辛いことがあるんだろうなと見てとれる映画です

    だんだん桃さんが老いて、できないことが増えて、最後は車椅子になって
    意識もはっきりしなくなっていくのが見ててとても辛かったけど
    その合間にもロジャーや家族の人たちと会えて喜んでいる桃さんがいるから
    なんだか救われます

    桃さんは、分をわきまえていて、贅沢も甘えもしないけど
    家族の管理者として言わなきゃいけないことはキチッと言うところが素敵
    奥様でさえ、そんな桃さんには頭が上がらない(笑)
    桃さんはいい意味でプライドがあって頑固で、でも感謝を忘れない
    本当に自分のご主人様たちを心から尊敬していて迷惑をかけたくないと思っている
    そんな桃さんだから、家族もそれぞれが力になろうとしている、桃さんを大切に思っている
    やっぱ自分を育ててくれた人は、その最後を大切にしてあげたいと思うよね

    アンディが桃さんに優しくて、ほんっとうらやましい(笑)
    そりゃ幸せでしょうよ、桃さんっ(笑)
    ちょっとした会話がユーモアがあってほほえましい
    クスッと笑えるんだけど、なんかじわっと泣けてくる
    そんな感じの台詞がとても素敵です

    アンディは華があるはずなのに、この役では修理工やタクシー運転手に間違えられて
    ありえな~い(笑)

    また、ツイ・ハーク監督や、サモハン、チャップマン・トーなどがカメオ出演してて笑えました
    でも全然笑い声しないから、香港映画ファンが集う映画祭とは違うわ(笑)

    パンフレットもとても丁寧に作られています
    ディニー・イップの美しい写真もちゃんとあって
    映画見た人びっくりするんじゃないかしら
    ほんと、こんな奇麗な人なのに、桃さんになりきっててすごいです

  • 飛行機で英語字幕で鑑賞。
    邦題がおかしなことになっている。原題は「桃姐」。英語では「A Simple Life」。英語のも、う〜んという感じだけど、日本語よりいいような気が。
    内容はといえばすごくいい。淡々としていて、それでいて坊ちゃんとその面倒を見ていた老いた女性の確かな関係が描かれている。
    何事も大げさすぎない演出になっているのがいいと思う。最近は何でも派手だから、妙に心に残った。エピソードや小道具も突飛でなく、普通。でもとても丁寧に描かれていて、確実に来る死と、そこにある穏やかな日常の描写に引き込まれる。
    また見返したくなるような映画。

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