[新装版] 企業参謀 戦略的思考とは何か [Kindle]

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  • プレジデント社
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感想・レビュー・書評

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  • 戦略の自由度という言葉を友人から聞いて読み始めた本
    今では当たり前になっている経営企画室やコーポレート部門の必要性を提唱した先駆けとなる本ではないか
    今なお色褪せぬのは、戦略的思考、勝つための考え方を説いているからではないか。
    日ごろの買い物での考え方、カメラ会社の戦略、漁業の戦略、根底には勝つための、あるいは、思い通りにするための考え方、物のとらえ方が記されていると思う。

  • 企業の経営戦略に必要な戦略的思考について述べられた本。
    「なぜなぜ分析」や「企業の事業における4分野分け」などといった有名な思考方法をわかりやすくまとめてあり、企業の経営戦略担当や重役はこの本を何度も読み、考え方を頭に叩きつける必要があると思った。
    製品系列のポートフォリオ管理(PPM)+成功の鍵(KFS)で自社のどの分野が強く、成長性はどこにあり、シナジーがシナジーになっているかを分析することの重要性、中期戦略の立て方といった点は非常に重要だろう。
    完璧主義放棄・障壁の発見・成功の鍵の解明などは日常生活にも役立ちうる。

  • こちら(↓)で書評を書きました。

    https://www.rinen-mg.co.jp/web-rinentokeiei/entry-5361.html

    大前研一氏が32歳のとき、いきなり16万部のベストセラーになった、原点の一冊。現在まで世界各国で読み継がれ、海外の大学やビジネススクールの教科書としても使われています。

    挙げられている事例は当然古いものの、企業経営に不可欠な戦略的思考の要諦を抽出した内容は、いまも古びていません。

  • 結構、古い本になるので、参考事例がメーカー中心だったり、ピンと来なかったものも多いですが、非常に示唆に富む本でした。
    ただ理論を列挙するのではなく、実際に企業戦略の策定の実行プロセスを紹介している点で勉強になるなと。

    「完全主義捨てて、勝つためのKFSを見い出し、そこを徹底的に追及する。」
    「灰色に妥協できる柔軟性が必要」
    「制約条件に制約されない。」

    など、日々の仕事に活かせる重要な考え方が詰まっています。

  • 早熟、生意気で弁が立ち、「智に働けば角が立つ」タイプで旧陸軍のカワイイ後輩と言った印象。

  • コンサルタントとして目指すべき姿勢から実践的スキルに渡るまでを幅広く書いた本。
    ・既知の内容が多かった。
    既知と言っても自分が読んできた本がこの本のパクリなのだろう。コンサル系ビジネス本の走りとして出版されたこの本が爆売れしたのは当然だと思う。最初にこれはすごいかも。

    ・流石に古い
    当時の時代背景を踏まえた例が多いが、流石に古くて共感性にかける。

  • 1970年代、それも大前氏30代の頃の本とは思えないくらい、現代の経営にも響く神本。コンサルのバイブル。すべては3Cに行きつくこと、論点思考・分析思考を改めて学べた。すべてを理解しきれいていないので、もう少し成長したら、また読み返したい

  • 大学生ということもあり、会社のイメージが湧きにくく、あまり頭に入ってこなかった。然るべき時に再度読み直そうと思う。

    学び
    ・設問の仕方を解決策志向的に行うべき
    →そのためにはその問題をちゃんと理解しておくのが前提条件である
    ・イシューツリーの作り方
    ・定量的、定性的に物事を評価する
    ・日本の会社組織は失業率が他国に比べて低いが、実は余剰人員がたくさんおり、必要でない人間を見える化していないだけ。
    →これがメンバーシップ型のデメリット
    ・日本が世界一の記憶偏重教育を行っている。
    →分析力、概念を作り出す力が低い
    ・企業戦略は競争相手との相対的力関係の変化を計画する作業である
    ・世の中に広まっていないコンテンツでも、それを考えている人間はたくさんいるわけで、結局その事業機会を獲得するのは"即効性があるか""資金があるか"。これに尽きる。
    ・戦略的思考→徳川家康から学びがある。


    参謀の心得

    戒 1 =参謀たるもの「イフ」という言葉に対する本能的恐れを捨てよ
    戒 2 =参謀たるもの完全主義を捨てよ
    戒 3 = KFSについては徹底的に挑戦せよ
    戒 4 =制約条件に制約されるな
    戒 5 =記憶に頼らず分析を

  • ・縮小するマーケットで多くの企業が苦杯をなめるまで踏み込んでしまうのは、「過去の栄光」に対する人情的未練である。
    ・問題点の絞り方。1.現象の羅列⇒2.グルーピング⇒3.抽象化⇒4.アプローチ設定。1.に対して打ち手を考えると短絡的で効果薄い。
    ・新入社員までトップ人事の動向や能力についてあたかも仕事の一環のような形で語ることが出来る。これは仕事時間中にこの種のディスカッションがあまりにも多くなりすぎると建設的な仕事のそのものの議論をする時間が犠牲になってしまう。
    ⇒なので、社員が余計なことに思いを馳せないように中計を作った。平社員は中計の理解には注力するが、中計の是非は議論しないで済む。
    ・高度経済成長期には、多少の事業計画の甘さ(例:販売力以上の設備投資)も業界全体が成長することにより、かき消されていた。それゆえ、戦略の甘さ・判断の誤りも企業へのダメージは小さかった。停滞期では、少しの誤りでも是正されずに残ってしまう。マネジメント判断のミスの許容度が著しく低下した。
    ・優れた戦略家は、答えにある程度予想をつけ、それを立証あるいは反証できるようにアプローチを組む。⇒仮説思考。
    ・日本人は制約条件を取り除いて考える思考のくせが弱い。しょうがなことをしょうがあることとして捉えて、展開する癖をつけること。
    ・時代を変革する力と維持・統治する力は別。幕末で力をふるった西郷らは変革ではリーダーだったが、その後の維持・統治の時代には、衰退した。
    ・若手には過去の過保護が依然として続き、トップが何かしてくれるだろうという甘い期待から、自ら進んで維新を敢行するプログラムも勇気を持ち得ていない人々が充満している。
    ・40歳くらいになり、大企業では昇進も出来ないし、才能も伸ばせないとし、宿命に対する抵抗をやめた人が実はかなりたくさんいる。⇒いつの時代も一緒。自分はどうする?
    ・マネジメント能力に関しては座学でその行動や思考癖が変わる可能性は低い。経験するしかない。
    ・KFSを設定する。それを徹底的にしつこくやる。
    ・シェアが金に繋がる場合は、その地位が他人に真似できない何かによって守られているとき。
    ・選択は市場と自社強み弱みを見極めて、誰が聞いてもわかりやすいようなストーリーを作らねばならない。

  • 企業体の頭脳として、戦略的行動方針を策定する企業の参謀グループ。
    企業の運命を左右するこの集団に必要な「戦略的思考」について、大前研一氏がわかりやすく説く書籍。

    戦略的思考の根底にあるもの。
    それは、渾然一体となっている事象を分析し、ものの本質に基づいてバラバラにした上で、それぞれの持つ意味合いを自分にとって最も有利となるように組み立てることである。
    物事の本質を考える時には、この「渾然一体」としたものを解きほぐすことが必要である。
    そして、解きほぐされた個々の要素が全体に与える影響を理解することが必要なのだ。

    戦略的思考の第1段階は、ものの本質を考えることにある。
    その際、スタート時点で大切なのは、「設問の仕方を解決策志向的に行うこと」である。
    例えば、残業が慢性化している会社で、しかも業績が思わしくない時、「残業を減らすにはどうしたらよいか?」という設問をすると、「昼休みを短縮する」「私用電話の長話を禁止する」等々、多くの案が出てくるに違いない。
    事実、こうした質問によって全社員からアイデアを募集し、改善活動を行うところは多い。
    だが、こうした提案箱的なやり方には本質的な限界がある。それは、設問そのものが解決策志向的でないからである。
    そこで、設問の仕方を、「当社は仕事量に対して十分な人がいるのか?」と変えてみる。
    こうなると、YESかNOしか答がなくなる。
    YES、すなわち十分な人がいるという答を出すためには、かなり分析をしないといけない。1人当たりの仕事処理量やコンピュータ化の程度とその経済効果などについて焦点が絞れてくるはずだ。
    そして、売上高から見ても、1人当たり利益から見ても、他社との比較においても、いずれも現在の人員レベルでは不十分、すなわちNOという答が出てきた時には解決策を得たに等しい。

    設問を解決志向的にして解決案を出す場合、的を射た設問とするためには、問題点を正しく把握しないといけない。すなわち、問題点の絞り方が問題解決の1つの決め手となる。
    この段階で重要なことは、「問題点の絞り方を、現象追随的に行うこと」である。よく用いられる方法としては、抽象化のプロセスがある。
    そのためには、問題となる現象をブレーンストーミングなどの方法で摘出し、共通項で整理して、抽象化する必要がある。

    戦略的思考を実践する際は、次の点に留意する必要がある。
    ①「イフ」という言葉に対する恐れを捨てよ:
    「What, If…?」(もし状況がこうなったら、どのように考え行動するか)と常に考え、代替案を探るようにする。

    ②完全主義を捨てよ:
    完全な戦略を立案しようとすれば、無限の人員と時間がかかる。大筋に影響がなければ、大局的な判断を果敢に行うべきである。

    ③KFSについては徹底的に挑戦せよ:
    物事には、その結果に影響を与える主要因(KFS:Key Factors for Success)が必ず存在する。それをうまく管理すれば戦略は成功する。

    ④制約条件に制約されるな:
    問題に立ち向かう時は、「何ができないか?」ではなく「何ができるか?」を考える。
    「何もできない、と思うに至った制約事項とは具体的には何ですか?」と聞く。次に、「これらの制約条件が一切ないとしたら、どんな可能性が出てきますか?」と質問をする。
    「理想的には…」という形で、これらのものが描き出される。理想的な姿がわかれば、制約条件となっていたことが、理想を達成するための障害物として把握される。
    そうなると、今度は障害物をどのようにして除けばよいかということを集中的に考えられる。

    ⑤記憶に頼らず分析を:
    「分析力」と「概念を作り出す力」を常に鍛えるようにする。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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