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感想・レビュー・書評
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面白かった。
特に終わり方。ミステリの場合、事件の真相を複雑にしすぎて登場人物の心理という面で不自然さが感じられることもあるが、この作品はそういうことがない。
西澤保彦の解説にもあるように、内面描写を抑えることでかえって登場人物の心理を読者に想像させ、なんというか共感できるようになっている。
心理面での不自然さがない、というのはミステリとしての完成度の高さを測る重要な指標だと思う。
「読者に真相を悟らせないように、無理に真相を複雑にしてみました、その結果、かえって登場人物の心理に不自然さが出てしまいました」、こういうミステリはありがち、よくない。この作品の場合はそういうことがなく、いわば「腑に落ちる」、読後に充実した余韻さえ感じられる。
巧みな構成、スピーディな展開、まさしく巻置く能わざる、誘拐ミステリの傑作だといえる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まだインターネット、スマホのない時代、いちぶのマニアによるパソコン通信しかなかった時に書かれたミステリー。公衆電話から音響カプラーを使って通信を試みるなんて今ではありえない時代だった。主人公の執念とも言える壮大な仕掛けはよく思いついたものだ。そのうち、AIを駆使した犯罪もでてくるのだろう。
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過去の誘拐事件を解決。
パソコン通信の時代が懐かしい。
トリックはよく出来ている。