灰燼のカルシェール -What a beautiful sanctuary-

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灰燼のカルシェール -What a beautiful sanctuary-の感想・レビュー・書評

  • 私は普段あまり小説を読まないのですが、
    テーマソングを歌っているVERTUEUXが大好きで
    ワンマンライブで聴いたテーマソングの『PRECIOUS LIFE』を
    CDで一刻も早く聴きたかったのが購入を検討するきっかけでした。

    元々ニトキラのファンだったので、ニトキラ作品にも素晴らしい楽曲を提供している
    ZIZZ STUDIOのBGM付き、というところにも魅力を感じ、
    そう言えばニトロプラスの作品には興味はあったものの
    今まで一度も触れたことがなかったな~と思い、
    小説自体にも興味が沸いて購入を決めました。

    とは言え、作家さんは、ニトロプラスの方ではなく、
    『Liar-soft』の桜井光さんという方だそうですが。
    私はLiar-softも桜井さんのことも初めて知りました。

    この作品はLiar-softの『スチームパンクシリーズ』の一つらしいのですが
    (あとがきによると、これまでの作品のバッドエンド後の世界らしいです)
    他のシリーズ作品との繋がりに強い意味合いはないということで
    単体で出来上がっている作品なので、他の作品を読んでいなくても大丈夫だそうです(^-^)

    未読の方のために、明確なネタバレを控えつつ感想を書きます。


    ■装丁について

    凄くこっていて、高級感があって素敵でした。
    写真をブログに載せておりますので
    ご興味のある方は宜しかったら見にいらして下さい♪
    http://ameblo.jp/mezcolanza/entry-11494272962.html


    ■読み方(BGMのかけ方)について

    まず、この小説の読み方ですが、ZIZZ STUDIOによるBGM CDが
    付いているので、それを流しながら読みます。

    ページ下部に黒い歯車マークがたまに付いているのですが、それがBGMマークです。
    そのマークがある行から、歯車に書いてある数字のトラックの曲を流しながら読みます。

    ちなみに、私は最初このマークの存在に気付かず^^;
    「章ごとに変えて聴くのかな・・・」と勘違いして
    途中までずっと同じBGMで読み進めていました・・・。
    何しろ、BGMに関してのそういった説明書きが、
    どこにも書いていなかったのです・・・。(探したが見つからなかった)

    特に、途中で番号が付いていない普通の歯車のマークがあったのですが
    それはどうしたらいいのかわからず凄く悩みました。
    多分数字がないということはBGM OFFということだろうなぁと思いつつ、
    気になったので問い合わせたら、やはりOFFにして読むということらしいです。

    読者にマーク通りに曲を流すことを強要しない意味も込めていたのか、
    それぐらいわかるだろうということなのか・・・
    きっとあえて説明を設けなかったのだろうとは思うのですが、
    事実自分はどうしたらいいか結構迷ったので
    説明書きがあればもっとスムーズに読めてよかったのになぁと思いました。


    ■BGMについて

    BGM付きの小説を読むのは初めてだったので、
    読み始めの時は BGMの方が気になってしまって
    文に集中できないようなこともありましたが、これに関しては
    音量を控えめにして、少し読み進めたら本当にすぐに慣れました。
    (PCゲームやドラマCDはよく聴くので当然と言えばそうかも)

    私は小説を読むのが元々苦手なのですが、
    その理由として、淡々とただ活字を読むという作業に飽きてしまい
    集中力がすぐに切れて読むのに大変時間が掛かるということがあるのですが。

    でもBGMのお陰で作品の世界に入り込むことが出来、
    本当に一気に読み進められたので感動しました。
    (勿論、小説自体が読みやすく引き込まれ... 続きを読む

  • そこは、全てが終わってしまった、もう一つの到達点。世界中に突き刺さった時計塔が何もかもをあまりにも突然に終わらせた。生ける命のない街には機械死人(サイバーゾンビ)が残った命を喰らい続ける。やがてはその死人達も朽ちていく灰色の世界の中を、けれども旅する“二人”がいた――その体のほとんどが鉄と化した青年・キリエ。彼を保護し共に歩く少女・ジュヌヴィエーヴ。最後に残った二人。だけど命は、ひとつだけ。二人は探す。二人は向かう。お互いが「命を使わずに」いられる、最後の場所、サンクチュアリへ――ライアーソフトとニトロプラスが夢のコラボレーション。人気シリーズ・スチームパンクシリーズもう一つの最新作。

    スチパンのデッドエンドを重ねた先の物語、という意味でスチパン最新作。なるほどなと思いました。巻末の年表なんか見てみるとゾス計画が成功してたり太陽宣言がなかったり明らかに逆の方向に向かってしまったんだなとわかるようになってます。ギーが手を伸ばさなかったら、メアリが走ることをやめてしまったら、エリシアが旅をやめてしまったら……そんなバッドエンドの果てにある、希望の狩り尽くされた世界に、本当の意味で最後の希望として生きる二人の物語でした。付属のサントラの曲番号が下の方に指定してあって、それをBGMに読み進めるとそのまんまゲームのスチパンになるので、面白い試みだなー!と感動。おかげでバトルシーンは大変臨場感を感じました。こういう手法もっとあればいいのに~
    キリエとジュネは最後に残った二人であるから、恋人同士なんて暢気なくくりでくくれなくて(出逢いからして)どっちかっていうと姉弟、家族みたいな感じで読んでいました。ジュネの正体にはほんっとにびっくりしました。いい意味で裏切られた! だから「命はひとつだけ」なんだなあ。全然予想もしませんでした。よく見てみれば&考えてみればわかるのになあ。でも、ジュネのキリエを守りたいという気持ちは命令やプログラムでないと思う。ジュネは普通の人間以上に人間だったと思います。メアリがモランのことを彼女は人間よと言いましたが、私もそう言うと思う。ジュネは人間よって。
    この、ジュネとキリエ、お互いを守りたいって気持ちがとにかく尊い。護りたいって気持ちはお互いを想う気持ちですよね。相手へ向かう気持ち。それが恋であれ友情であれ憧れであれ尊敬であれ、そういう気持ちが世界の絶望の果ての果てでも“ひと”を生かすもの、明日を繋ぐ何かになる。そう感じました。
    ぶわっと、急に目頭が熱くなったところは最後の方の描写で、みんな生きようと、立ち向かおうとした、という旨の文章なのですが、というのも読んでいた時期が時期だけに一昨年の震災を思い出してしまって。カルシェールの終わりだって、3月11日のように突然訪れたもの。その裏にはチクタクマンがいて、あがく人間達を嗤ってて……でもジュネとキリエは諦めないでいて欲しい。それはとりもなおさず、私達もまた諦めないでいて欲しい。そう思う。そうするしか術はない。
    改めて、生きること、互いを守りたいと思うこと、その尊さを学んだような気がします。この作品の続きじゃなくてもスチパンを書籍の形で発表してくれたらいいなあと思います。ゲームで出てるののノベライズですとか!

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