- Amazon.co.jp ・電子書籍 (389ページ)
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
殺された鹿島アサミを巡って、周囲の人にワタライケンヤと名乗る男が話を聞きに行くという話なんだけど、最初のうちは話が全然進まなくてイライラしてしまった。とにかく建前の部分をワタライが責めて責めて責めまくるので、読んでて少し疲れる。
私は高校の時の国語の先生に言われた「人は矛盾を孕んでいるもの」という考え方がすごく好きで安心するので、途中でワタライに対して「うるせええ!」ってなってしまった。 -
京極夏彦さんの本は初めて読んだけど、個人的には読みやすく面白かったです。
他のレビューでは京極さんっぽくない的な感想も多かったけど、初めてなのでよくわかりません。
話は「ケンヤ」と他6人の登場人物との会話と心理描写のみで進んでいく。
この6人が皆、仕事、家庭、金、人間関係、他者の評価、責任感など、現代人が抱えるストレスに縛られまくっている。
皆、自分のことばかり喋りまくる。
対するケンヤは態度は悪いが、思考はシンプル。
ミステリーがメインではあるが、自己啓発的な一面もあり、なかなか考えさせられる一冊だった。 -
いやー、面白かった。独自のスタイルでストーリーが展開。一見一番まともでなさそうな人間が、一番まともというのは皮肉が効いてる。みんな、日常の中で何かから目を逸らしながら生きている、その何かを目の前に突き付けられる。その後味の悪さ、その先にある結末、、
-
京極作品を読んだことが無かったが、興味はあり何かしら読みたかった。
また、友人から本作を勧められ読むことにした。
内容は、死んだ女(亜佐美)が何故死んだのか、どんな女だったのかを主人公の健也が関係者から話を聞いていく形で進んでいく。
タイトルの「死ねばいいのに」という言葉はとても重い言葉であり、話を聞いた関係者の全員に健也は投げかける。関係者はそれぞれの思い込みや周りの環境等に対する主観と客観のズレからそれなりに追い込まれているため、関係者の心には刺さったようだ。
本作を読み思ったが、人生はそんな簡単に割り切れないということだ。
どうしようもない部分があるから、間違いや判断を誤ったりする。それでも人は生きていく。自分自身の満足を模索したながら、満ちることは無い器を満たすように各々の満足を満たすのが普通の人の在り方だ。
その螺旋を亜佐美は死というもので超えていく。殺した時に健也が感じた恐怖感ははかりしれないものだったのは間違いと思う。満ちることのない器は完全に満ちており、一方で人として何か放棄してはいけないものを完全に捨てている。
もう少し作者の作品を読めば色々わかると思うので、機会を見つけて読んでいきたいと思う。 -
ページ数の割には軽くて読みやすかった。
一人目はなんだか自分のことを言われてるみたいで物凄くドキッとした。でも健也はほんとあんまり頭良くなさそうなのに周りの大人達はなんで上手く言いくるめられちゃってんだろう?
でも一番最後の辻村さんの解説が一番どきりとさせられたかな。 -
「一人目」山崎部長
「二人目」篠宮佳織
「三人目」佐久間
「四人目」母親
「五人目」山科警部補
「六人目」弁護士