NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2013年 03月号 [雑誌]

制作 : ナショナル ジオグラフィック 
  • 日経ナショナルジオグラフィック社
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感想・レビュー・書評

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  • 一番面白かったのは「無人飛行機がやってくる」。
    なんだこれ、SFの世界じゃないか!
    虫や鳥の形をした無人飛行機…気づかれずに敵陣に入り込み…
    こんなのが当たり前になってしまったら、間違いなく恐ろしい事になる(笑)

    時代が進むにつれて、人間はどんどん頭しか使わなくなるなぁ。
    行方不明者やはぐれた羊の捜索なんかには役立つかもしれませんが、
    結局国防と称して戦闘に使われてしまうんでしょうね。

    「月光がいざなう夜の庭園散歩」
    夕暮れ時や、人気のない夜の庭園には、例えようのない美しさがある。
    世界各国の夜の庭園の写真が載せられています。
    夜桜の季節ですね(*^_^*)

  • 2013年3月号の目次
    ボノボの森へ

    コンゴ川の左岸だけに生息し、「セックスと平和を愛する」といわれる類人猿ボノボ。近年の研究で、その意外な素顔が見えてきた。

    文=デビッド・クアメン 写真=クリスチャン・ツィーグラー

     人間に最も近いといわれる類人猿、ボノボは「セックスと平和を愛する」ユニークな生態で有名だ。他集団との争いや子殺しも辞さない好戦的なチンパンジーと近縁でありながら、なぜボノボはこんな風になったのか? コンゴ川の左岸にボノボ、右岸にチンパンジーとゴリラが暮らす現在の分布が、進化の謎を解く鍵とみる説も出ている。

     一方、野生ボノボの観察を通じて、既存のイメージとはちょっと違った素顔も見えてきた。ボノボたちが暮らすコンゴの森を訪ね、フィールドワークの現場から最新の知見をレポートする。
    編集者から

     野生のボノボの研究は、なまやさしいことではありません。ボノボたちが暮らす奥地の森にたどり着くだけでも一苦労のうえ、マラリアや毒ヘビなどの危険もいっぱい。ボノボの保護に、地元の村人たちの理解や協力を得ていくのも大切な仕事です。朝は早起きして、食べ物を求めて移動するボノボの群れをひたすら追跡。顔も体も真っ黒なボノボたちを遠くからでもそれぞれ見分けて、観察します。

     そんな野生ボノボの観察研究では、草創期から今に至るまでずっと、日本の研究者たちが大活躍しています。そのことを知って、なんだかとても誇らしい気持ちになりました。(編集H.I)

    大草原の石油ブーム

    新たな採掘手法が開発され、石油ブームに沸く米国ノースダコタ州。大草原の町に、仕事を求める人々が押し寄せてきた。

    文=エドウィン・ドッブ 写真=ユージン・リチャーズ

     今やテキサス州に次いで全米第2位の原油産出地となったノースダコタ州。その大躍進の原動力となっているのが、水圧破砕法(フラッキング)と呼ばれる採掘手法だ。地下3000メートルほどの岩盤に分布する「バッケン層」という地層まで油井を掘り、特殊な流体を高圧で送り込んで地下の頁岩層(シェール層)に亀裂をつくり、原油を油井に呼び込む。

     2006年にノースダコタ州西部で水圧破砕法による大規模な採掘が始まると、石油開発業界だけでなく、輸送業やサービス業など、さまざまな業種で求人が増え始め、職を探す人々が州外から押し寄せるようになった。過疎に悩んでいた町の人口は急増し、景気も上向いてきたが、その一方で交通渋滞や家賃の高騰、治安の悪化といった問題も起きている。

     大草原で鳴り響く「石油狂想曲」。油田地帯で大型トレーラーを運転する39歳の女性や、地元で農業を営む夫婦の物語から、ブームの実態が浮かび上がる。
    編集者から

     最近、新聞や雑誌でもときどき目にするようになった「水圧破砕法」という技術。本誌では50~51ページのグラフィックで、わかりやすく解説しています。あと、無数の油井が地下でどのように掘削されているかを“透視”した48~49ページの地図も必見。石油開発のスケールの大きさに驚きます。(編集T.F)

    長江のほとり再会の時

    かつて英語の教師として中国の田舎町に赴任した筆者。教え子たちに会うために再訪した町は、経済発展により大きく変貌していた。

    文=ピーター・ヘスラー 写真=アナスタシア・テイラー=リンド

     1996年から2年間、中国・長江沿いの涪陵(フーリン)で英語を教えていた筆者。教え子たちに会うために再び訪れた町は、三峡ダムの建設をはじめとする経済発展の渦の中で大きく変貌していた。一見豊かな生活の裏に見え隠れする矛盾。果たして人々の心も変わってしまったのだろうか?
    編集者から

     中国の羽毛恐竜の研究者、徐星さんに、恐竜学者になったきっかけを尋ねたところ、「進路は自由に決められず、大学によって古生物学科に配分されたもので」という返答があり、編集部一同驚いた記憶があります。特集の“教え子”たちはそうした制度が変わる過渡期にあった世代。自由すぎてとっちらかっている日本の若者を思うと複雑な心境です。(編集H.O)

    無人飛行機がやってくる

    自動操縦や遠隔操作で任務をこなす無人飛行機。悪用の危険をはらみながらも、軍用から民間ビジネスへ広がりつつある。

    文=ジョン・ホーガン 写真=ジョー・マクナリー

     十数年前、無人飛行機に関心をもつのは、2種類の人間しかいなかった。ラジコン飛行機マニアと、無人機での偵察任務を行う軍の関係者だ。

     しかし、2001年9月の米国同時多発テロ事件と、それに続くアフガニスタンやイラクへの侵攻を経て、無人飛行機は米軍の必須アイテムとなった。米国本土にいながら何千キロも離れた標的を偵察したり、破壊したりできるようになった。

     2002年には200機に満たなかった米軍の無人飛行機は、今では約1万1000機。「あと20年もすれば、有人軍用機の大半は無人機に取って代わられるかもしれない」と、安全保障問題の専門家ジョン・パイクは語る。

     無人飛行機を保有する国は50カ国を超え、中国、イスラエル、イランなどは国内に製造拠点も構えている。メーカーや大学、政府が開発する次世代無人機は多様性に富み、大きさはガやハチドリほどのものから、翼幅45メートルのボーイング社「ファントム・アイ」まである。

     小さな新興企業から大手の軍需企業に至るまで、1000を超す企業が無人飛行機のビジネスに参入していて、一部はその用途を軍用以外にも広げようとしている。税関国境警備局に導入され、密輸業者や不法移民の発見に使われている無人機もあれば、コスタリカの火山、ロシアやペルーの遺跡、米国ノースダコタ州の水害被災地などで、科学的なデータ収集に貢献した無人機もある。

     近い将来、農業(生育状況の確認や農薬散布、はぐれた家畜の捜索)、マスコミ(大規模イベントや有名人のスクープ撮影)、気象予報、交通管制などにも不可欠な存在になると期待が集まる。「可能性は、この空よりも大きく広がっていますよ」と、ロッキード・マーチン社の技術者ビル・ボージアは笑う。「潜在ユーザーの手に届けられさえすれば、有益な使い道をたくさん考えてもらえるでしょう」

    (2013年3月号特集「無人飛行機がやってくる」より)
    編集者から

     湾岸戦争の、まるでゲームのような「ハイテク戦争」にも驚きましたが、うるさい蚊をたたいたら、小さな飛行機の残骸が手の中に……なんていうのが当たり前の時代がくるのでしょうか。ちょっと怖いですね。(編集H.O)

    夜の庭園散歩

    花々が香り、月光が表情を浮かび上がらせる。画家が愛した花の庭や趣向を凝らした富豪の庭園など、世界各地の夜の庭を訪ねた。

    文=キャシー・ニューマン 写真=ダイアン・クック、レン・ジェンシェル

     宵闇が深まるにつれて花々が甘く香り、真珠色の月光や華やかな花火が、昼とはまた別の表情を浮かび上がらせる――そんな夜の庭へ、ようこそ。

     ロックフェラー邸の趣向を凝らした庭園や、画家が愛した花の庭、シュールなオブジェが緑と融け合うメキシコの奇妙な庭。竹林を渡る風のささやきに耳を傾け、そぞろ歩く人々とともに夜桜を愛でるのもいい。写真家ダイアン・クックとレン・ジェンシェルが4年かけて各地で撮影してきた、夜の庭園の不思議な世界に出かけてみよう。
    編集者から

     短い特集ですが、京都の名所が二つも登場します。夜桜が美しい平野神社と、翡翠(ひすい)色の竹林が幻想的に照らし出された高台寺です。世界の名園と見比べるのも楽しいですが、個人的な大ヒットはメキシコの「ラス・ポサス」。シュールな彫刻がジャングルにそびえる様子は、イエメンのソコトラ島(2012年6月号)の風景を見たとき以来の衝撃でした。(編集M.N)

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