おどろきの中国 (講談社現代新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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    ── 橋爪 大三郎・大澤 真幸・宮台 真司
    《おどろきの中国 20130214 講談社現代新書》 [Kindle]
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B00BFAS2RM
     
    https://www.youtube.com/watch?v=o7iHdWNs2Pw&t=755s
     
    …… その後の警視庁への取材で、男の自宅から宮台さんが
    別の学者と執筆した「おどろきの中国」というタイトルの本
    を押収したことがわかりました。また、男は公開手配後に
    パソコンを処分していて、母親には「壊れたから捨てた」と
    説明していたということです。
    https://www.youtube.com/watch?v=6T8lWKQ6dbE
     
    (20230202)

  • 同じ現代新書の『ふしぎなキリスト教』のシリーズ?と思って本書を読む。
    橋爪さん、大澤さんのペアに、宮台真司さんが加わっているところが違うけれど。

    論点は多岐にわたる。
    「中国」という国家アイデンティティはいつ、どうやって成立するか。
    その原理は何か。
    官僚制度と権力の関係は。
    中国の近代化が遅れたのはなぜか。
    どうして共産党が主権を握れたのか。
    毛沢東はどのような権力者だったのか。
    中国が現在、資本主義の優等生のような状況になったのはなぜか。
    日中の歴史認識のそれぞれの構図はどのようなものか。
    中国は今後覇権国家になるか。
    …と、書き出しても、ごく一部だ。

    特に後半では、中国というより日本の問題が指摘され、読んでいると心配になってくる。
    日本的な決定システムの問題、方針があいまいであること、内部的な利益喪失を恐れ、対応を誤る傾向にあることなど、思い当たる部分もあるだけに、読んでいてつらくなる。

    橋爪・大澤対談では『げんきな日本論』というのがこの後に出ているようだ。
    そちらを読んだら、少しは前向きな気分になるのかなあ。

  • 私には理解できないような専門的な言葉がところどころに出てきて、理解しにくいところがあったが、目から鱗のような話がいろいろあり、非常に面白かった。日本的な視点とも違う、西欧的な視点とも違う視点で中国を見る必要があることが分かったのが収穫。また、中国には優秀なトップを必要とし、そのためのシステムが備わっているが、一方で優秀なトップが育たない日本の将来に悲観的になってしまった。

  • 中国には尊敬の念を持つべきとか、ちょっと中国寄りな表現がある本だなと思ったら、橋爪さんの奥様が中国人らしい。でも、日本寄りではない、違った視点から日本の現状や課題を知ることができて有益ではあった。

    日本が相手を理解する努力を欠いているということには同感。鎖国時代の名残なのか、日本の外交は周囲のニーズを敏感に察知して先手を打つことに少し疎い気がする。

    日本の戦争は東アジアの中国を中心とした朝貢関係を完全に無視したものであったから、ここまで尾を引いているという解説はなるほどと思った。長い間定着していた順序を覆すことが屈辱的で、イギリスが中国を攻めるのと、日本が攻めるのでは重みが違うのか。チベットの問題も朝貢関係として中国は認識しているから、問題はないとしている。価値観の違いとかそういったことをすり合わせていくのは複雑で難しいとつくづく実感した。

  • 橋爪さんの奥様が中国人だからなのか、
    ちょっと「中国に任せれば良い」みたいな
    結論に行きがちなのが微妙だった。
    香港も、台湾も、中国に吸収されれば
    大陸側は昔の「朝貢制度」と同じ認識なのだから
    今の民主体制は維持できるみたいな感じだけど
    本当にそうなのか?

    ただ、全体を通しては、こちらに住んでいてわかる
    「国としての強かさ」とか、考え方や行動の根本が
    歴史の紹介とともにわかりやすく書いてあるし、
    日本が先の戦争も踏まえてどうしてこう外交が
    下手なのか…という原因も、「ほんとそれな。」という感じ。

    生活(社会)の上での「常識」は作れても、
    国家としての「価値観」はどうしたら良いもんなんだろうか。

  • おどろきの中国 (講談社現代新書)
    (和書)2013年05月08日 15:23
    橋爪 大三郎, 大澤 真幸, 宮台 真司 講談社 2013年2月15日


    かなり面白い内容です。

    邦(ほう)という社会システムがあるという。


    題名をみてナショナリズムを扇動する内容かと思ったけど、大澤真幸さんの名をみて興味を覚えた。想像以上にいい本で驚きました。

    皆さんオススメします。

  •  どこかで読んだが、中国というのはひとつの国と捉えるべきではなく、あの中に世界の縮図がまるごと入っているのだという。中国の中に先進国と発展途上国があり、海があり砂漠があり、極寒の地から常夏の島まで抱えているのだ。本書でもそういうことは指摘されていて、中国と対置すべきは日本やイギリスといった国ではなく、「ヨーロッパ」くらいの枠だという。確かにそうだろうと思う。

     ではなぜそうなっているのか?あの国をひとつにまとめているものは何か?そういった疑問から始まる中国談義が三人の識者によって繰り広げられる。今後の日中関係のあり方(というか日本が取るべき政策)については賛否あるだろうが、あの国がどんな原理で動いているかという点では説得力ある解説だ。

     鼎談の体裁だが実際はどうやって書いたのだろうか。鼎談と言いながらひとりひとりの発言が何ページにも渡って続くことが多く、とても実際に喋ったものをまとめたとは思えない。編集者の名前もないが、多分上手にまとめた人がいるのだろう。

  • 初めて電子書籍で読んだが、やはり印刷媒体じゃないとダメだ。

  • 3者の対談の形で話が進んでいくのですが、客観的な話が少なく、話者の考えの上に議論が積みあがっていくので、信じていいものかどうかよくわからない本になっています。期待外れでした。

  • 「ふしぎなキリスト教」の橋爪、大澤コンビに宮台を加えた強力トリオが中国の謎を快刀乱麻を断つように解き明かすと期待したがちょっと期待外れ。やはり西欧起源の社会学の限界だろうか。取り上げている話題は幅広く、で興味深い。その謎解きが、なるほどと思わせるところもあるが、おいおい本当かよと突っ込みをいれたくなるところが多い。橋本大三郎の中国観を他の2人が拝聴するというスタイルなので、2013年版橋本中国論として楽しむのが正解か。

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著者プロフィール

橋爪大三郎(はしづめ・だいさぶろう):1948年生まれ。社会学者。大学院大学至善館教授。東京大学大学院社会学部究科博士課程単位取得退学。1989-2013年、東京工業大学で勤務。著書に『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『教養としての聖書』(光文社新書)、『死の講義』(ダイヤモンド社)、『中国 vs アメリカ』(河出新書)、『人間にとって教養とはなにか』(SB新書)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)など、共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』『おどろきのウクライナ』(以上、講談社現代新書)、『中国共産党帝国とウイグル』(集英社新書)などがある。

「2023年 『核戦争、どうする日本?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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