悪の教典 DVD スタンダード・エディション

監督 : 三池崇史 
出演 : 伊藤英明  二階堂ふみ  染谷将太  林 遣都  浅香航大  水野絵梨奈  山田孝之  平 岳大  吹越 満 
  • 東宝
3.07
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本棚登録 : 1538
感想 : 301
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104075932

感想・レビュー・書評

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  • 今や主役級の若手俳優らが多数出演した本作は、かなりの殺戮シーンでR15指定なのも納得である。
    サイコパスな教師は二面性を持ち、生徒や教員らを一人ひとり密かに時には派手に殺害していく。伊藤英明のような爽やかイメージな俳優が上手くその二面性を表現していた。
    ラスト辺りの展開は、少々意味不明な所もあり、続編が本当に出来るのかどうか曖昧さを残し、多少不完全燃焼ぎみ。

  • 2012年 日本 129分
    監督:三池崇史
    原作:貴志祐介『悪の教典』
    出演:伊藤英明/二階堂ふみ/染谷将太/林遣都/浅香航大/水野絵梨奈/KENTA/西井幸人/松岡茉優/伊藤沙莉/岸井ゆきの/工藤阿須加/山田孝之/吹越満/平岳大/篠井英介/岩松了/小島聖
    https://mv.avex.jp/aku/sp/movie/

    高校の英語教師・2年4組担任の蓮実聖司(伊藤英明)は、イケメンで爽やかで知的、生徒たちからは「ハスミン」の愛称で親しまれている人気者。クラスの安原美彌(水野絵梨奈)が教師の柴原(山田孝之)からセクハラに合っているのを知り助けてくれるなど、一見とても良い先生。しかし彼は天性のサイコパスで自分に不都合な相手を殺害することに何の躊躇いも罪悪感もない。娘がいじめられていると苦情を言い続けるモンペ親父(滝藤賢一)を放火で殺したり、男子生徒・前島雅彦(林遣都)と同性愛関係にある美術教師・久米(平岳大)を脅迫したり、セクハラから助けた女生徒と結局自分が交際し、それを目撃した男子生徒・蓼沼(KENTA)のことも呼び出して殺害した。

    一方、2年4組の片桐怜花(二階堂ふみ)は、仲の良い男子・夏越雄一郎(浅香航大)と、1組の早水圭介(染谷将太)といつも一緒にいたが、頭の切れる圭介は、集団カンニングを計画したり、危険なゲームに乗り出しがちで怜花は不安。さらに圭介は、蓮実を嫌っている根暗な教師の釣井(吹越満)から、蓮実の経歴に不審な点が多く、彼が以前いた学校で4人の連続自殺があったことを教えられる。しかしそれを盗聴していた蓮実に釣井が殺され、蓮実の魔の手はついに圭介に…。

    原作は未読。犯人捜しではなく、最初から蓮実はサイコパスとして描かれている。『三文オペラ』の劇中歌「メッキー・メッサーのモリタート(殺人物語大道歌)」=ジャズのスタンダードナンバー「マック・ザ・ナイフ」をBGMに淡々と殺人を行う描写は、オシャレというと語弊があるかもしれないが、悪くなかったと思う(原作通りらしい)

    序盤では、蓮実のサイコパスに気づいた釣井や圭介が、蓮実の正体を暴くためにいろいろ攻防を繰り広げるのかなと思いながら見ていたら、二人ともあっさり殺されてしまい、拍子抜け。さらに蓮実は、交際していた女生徒・美彌を自殺に見せかけて屋上で殺害、しかしそこへ偶然やってきた女生徒(伊藤沙莉)に死体を見られてしまったことから彼女も殺害、どう隠蔽しようか窮するあまり、クラスの生徒全員を殺すことを決意。久米に罪をなすりつけるため彼の猟銃を持ち出し(本人も呼び出し)文化祭の準備で泊まり込んでいる生徒たちと、宿直の教師を次々とその猟銃で殺し始める。

    終盤30分くらい延々、この学校内大殺戮が続いて、正直飽きてしまった。殺し方のバリエーションもなく、ただただ単調に、逃げ惑う生徒を撃ち殺していくだけ。生徒側も、40人弱いるのにまともな抵抗も対抗策もほとんどなさない。見どころは、殺される生徒が今見ると豪華キャストなところくらいか。伊藤沙莉はセリフも多かったしハスキーボイスですぐ気づいたけれど、アーチェリー男子(西井幸人)に告白されてた女子が松岡茉優なのはしばらく気づかなかった。アーチェリー男子は唯一蓮実に反撃らしきことをするので、もっと活躍してほしかったな。工藤阿須加は全くわからなかった。トイレに隠れていたのを殺される女生徒は岸井ゆきのだった。

    わりと早めに蓮実に殺された蓼沼を演じたKENTAというのはダルビッシュの実弟らしい(似てない)林遣都はなぜか無駄に濡れ場(男同士の)があるので、「おっさんずラブ」ファンはそこに注目。染谷将太は『神様のいうとおり』と同じく、頭脳派キャラなのに序盤で殺される不憫な役どころ。二階堂ふみは、ある意味生徒側の主役なのだけど、おどおどしているだけで何もしないのでもどかしい。ともにピンチを脱する相手が浅香航大というのもちょっと微妙。一応イケメンだけど、いまいち光るものがなく…原作では小柄でぽっちゃりキャラらしいので、原作通りのタイプを選んだ方が意外性はあったかもしれない。

    蓮実はサイコパスだけれど、重要なポイントとして、彼はけっして快楽殺人者ではない、という部分があげられる。中学生の頃に彼のサイコパスに気づいた両親を殺し、その後、京大を中退してハーバードに行くなど頭脳は天才的、アメリカで同じくサイコパスのお友達と一緒に殺人を繰り広げたが、そのお友達は快楽殺人者であったため、ポリシーの違いから蓮実は彼をも殺害したという経歴がある。つまり蓮実は「邪魔者を排除する」という目的のために手段を選ばないだけで、殺害自体に快楽を感じているわけではないので、基本的に殺し方はあっさりしている(仲間を吐かすため拷問された圭介だけは可哀想だった…)

    だからこそ合理的な猟銃による大量殺人だったのだろうけど、全員殺せば自分が犯人だとバレないという思考回路が安直すぎて、めちゃめちゃ頭が良いという設定と矛盾していると感じてしまった。序盤の展開でもうちょっと、蓮実が犯人だと気づいているのに証拠がないからどうすることもできない、という圭介や釣井のジレンマ、しのびよる蓮実に対する恐怖、みたいなのをもっとちゃんと描くべきだったんじゃなかろうか。怜花も蓮実の本性に気づいているというよりは、単に好きな男の子(圭介)の無茶な行動を心配しているようにしか見えないし。サスペンスとして明らかにこの映画には「スリル」が足りていない。蓮実のことを、困ったサイコパスだなあとは思うけど、恐怖は感じないんだよなあ。

    それは学校内大量殺戮の場面でもそうで、たとえばバトルロワイヤルのように、自分ならどうするか、生き延びるためにはどうしたらいいか、という生徒側の必死さがないので、隠れて自殺してしまう子の感じていたであろう恐怖、信頼していた先生に裏切られた生徒たちの絶望、みたいなものが全然見えてこない。つまり感情移入できない。かといって当然、サイコパス蓮実に感情移入することはできないので、観客はおいてけぼり。いっそ蓮実の心情にもっと共感させるような演出も可能だったと思うのだけど(悪漢小説のように、彼の悪の成就を無意識に応援してしまうような心理に)そういう配慮もなく、ただただ怪物蓮実の乱行を見せられるだけ。結果、ハラハラもドキドキもできない、つまりシンプルに映画としてつまらない…。

    蓮実はなぜかボロボロの廃屋に住んでいて、いつも全裸で腹筋している。まあ全裸腹筋の件は彼のナルシストぶりがよくわかって笑えるけど、廃屋の件はよくわからず、いずれにせよちょっと調査すれば明らかに胡散臭い彼の私生活をなぜ誰も暴かないのか、あと大量殺戮に至る前に、少なくとも二人の生徒が失踪しているのに、事件になっていないのが不自然すぎる。ふつうは高校生が二人行方不明になったら保護者だって騒ぐし学校に警察も来るし大問題でしょう。そういうちょっとしたご都合主義や説明不足が気になり、集中して観れなかったのも残念。

  •  表の顔はいい先生、しかし裏では都合の悪い人間を自殺に見せかけ殺していた高校教師。ある日、悪事がばれそうになった教師は文化祭の準備で夜に居残ったクラスの子達の皆殺しにかかる。

     うーん、これは中途半端だなぁ。
     話としては決して悪くはないんだけど、この手の正統派なホラー映画と比べると以下のところが中途半端。
     スプラッターが適当すぎる。殺し方も単調で痛みが伝わってこないし、つまらない。例えば高いところから飛び降りたら骨が飛び出ないと。ショットガンで遠くの敵を撃ち殺すのはさすがにおかしい。
     主人公の脆さ、弱さが伝わってこない。あらゆるホラー映画の殺人鬼って奇形だったり何か脆さがあってそこに悲哀があるのだが、この主人公にはそれが見えない。
     殺される生徒達のパニックぷりが微妙。立ち向かって倒してしまってはホラーにならないわけだけど、ただワーキャー言って殺されるだけだとなぁ。パニックならパニックでもっと変なことしないと単調。
     あと、根本的なこととして、これで完全犯罪を成立させようという前提が意味不明。キャラクター設定が分からないというより甘い感じがする。

     もちろん正統派ホラーでなくてもいいのだが、でないならばそれを超える何かがないといけないわけで、とても中途半端な映画になってしまっている。
     一般向けでホラー映画をつくりたいというのは分かるんだけど、結果としてホラーっぽい映画になってしまっていている。 

  • 大島優子ちゃんじゃないけど、この映画僕も嫌いです!というよりも三池監督ということで購入したのですが、前評判も週刊文春のミステリーベスト10の1位でしょ。ミステリー好きとしてはそこそこ期待をして購入なんですけどね……

    ジェノサイドやホロコーストと言った方があっているような気がします。同じような感覚で見た作品で言えば、2003年に制作された「エレファント」の方が精度を高く感じた。

    「悪の教典」
    https://www.youtube.com/watch?v=WP3D1zHf_cc

    ミステリーの定義というか意味は神秘的、謎、不可思議なことのはずなのですが、過剰なCM効果で犯人の謎はなくなり、神秘的と言った類もまるでなく、不思議と思えるのは犯人の動機だけ、それ以外の何もなければミステリーと呼ぶことはできないと思う。

    人を殺すときの動機というものは必ずあるものだと思うが、二階堂さんが最後に言った殺人ゲーム。本当にその台詞がぴたりと当てはまるそんな作品でした。

  • 映画館で観ました。正直、”う~~~~ぅん”って感じです。
    キチガイ教師とひたすら殺されていく生徒。。。
    貴志祐介さんの書籍の方は読んでいないのですが、貴志さんは何を伝えたかったのでしょうか。。。

  • ハスミンというニックネームで呼ばれ、生徒たちから圧倒的な人気と支持を集める高校教師・蓮実聖司(伊藤英明)だったが、その正体は他人への共感や良心を持っていない反社会性人格障害者であった。学校と自身に降り掛かったトラブルや障害を取り除くために、平然と殺人を犯しては校内での地位を強固なものにしていく蓮実。しかし、ささいなミスから自身の凶行が知られそうになってしまう…。

    緻密で狡猾な犯行を繰り返す蓮見の黒い内面が徐々に明らかになるところが見どころの原作上巻部分は、始まって早々に本性が出てしまっていますし、ライバルを酔わせて事故を起こさせるエピソードや修学旅行のエピソードがカットされていました。
    また、サイコパスの蓮見から生徒たちがいかにして逃れるかが見どころの原作下巻部分は、あらゆる手段で立ち向かう生徒たちの姿が無視され、抵抗することなく殺されていくだけでした。蓮見のサイコっぷりが判りにくいですし、殺し方にも芸がなく不満が残りました。
    お客さんを震撼させある程度の成功は収めたと思いますが、映画の出来は今一つだと思いました。

  • 素材的にはもっと面白くなりそうなのだが、
    どうにもこうにもつまらない。

    忍び寄るような恐怖や、
    不条理感を醸し出すのに、
    濃い緑色の画面は魅力的なはずなのに、
    ぴんと来ない。
    蓮実の背景が描かれなさすぎが原因なのか?
    ただの血まみれエンターテイメントになっていて残念。

  • 生徒の印象が薄くて覚えられないうちに殺されていくのであまり心に響かない。
    伊藤英明の演技や殺しっぷりもよかったけど、ストーリーや見せかたは少し単調。
    「to be continued」もちょっとしらけた。

  • 原作既読。

    原作のボリュームが結構あったので、映画化にあたり登場人物とエピソードの削減は仕方ないかなと思ったのですが、生徒たちのキャラクター部分のエピソードをもう少し残しておいてもらえたら、また見方が変わったかもしれませんね。キャラクターの掘り下げ部分が端折られていたので、ただの大量殺戮ムービーになってしまっていたのが残念。(これは原作既読派の一意見です)

    ただし、一緒に観ていた原作未読の家人などは、「根っからの悪人がサクサクっと躊躇なく殺していくので、ある意味爽快感があった」という意見なので、その辺りも踏まえると、そう悪い映画ではないのかもしれません。

    良くも悪くも三池監督作品なので(笑)、「殺して殺して殺しまくる、撃って撃って撃ちまくる」部分の爽快感は確かにあったかも。

    主役のサイコキラー蓮実教諭役に伊藤英明さんをキャスティングしたのは正解かなと思いました。前半の人たらし的な部分がよく描けていたと思います。

    エンディングにTo be continuedというメッセージが出ていたのですが、続編はあるのかな? あったとしたらまた別エピソードで、彼のある意味爽快な悪っぷりをまた観てみたい気もします。

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