「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリー― [Kindle]

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著者 : 高橋秀実
  • 新潮社 (2012年9月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (128ページ)

「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリー―の感想・レビュー・書評

  • ○引用
    苦手と下手は違うんです。苦手は自分でそう思っているということで、下手は客観的に見てそうだということ。僕の場合は苦手ではないけど下手なんです

    いけないのは来たらイヤだなという迷いなんです。不安を引きずったままプレイしちゃいけない。自分なりの主体的な意図を準備してぶつかってほしいんです

    「とりあえず」、あるいは「さしあたり」という言葉のニュアンスが彼らには欠けているのではないだろうか

    必要十分な練習を徹底的に追求する。これが俺たちのプライドだ

    ガツガツするフリの人はピンチとかチャンスで心理的に追い込まれると、プレイできなくなることもあります。でも本当にガツガツしている人は、ミスをするかもしれないけど、めいいっぱいやると思う~中略~察するに、彼にとっての「ガツガツ」とは人の迷惑を顧みないということのようである

  •  東大進学率トップクラスの進学校として知られる開成高校。東京六大学野球の中で東大が抜きん出て弱いように、開成高校の野球部も決して強いわけではないが、それでも高校野球東京大会でベスト16まで進んだことがあるという。その秘密を探ったドキュメンタリー。

     タイトルにもあるように、ここの監督(青木秀憲氏)は強くなるための練習をせずに勝つことを目指している。かと言って頭脳プレーというわけでもない。「ドサクサに紛れて勝っちゃう」「ハイリスク・ハイリターンのギャンブル」というセオリー無視のスタイルで、スポ根マンガだったら絶対主役にはならないタイプだ。

     紹介されている生徒たちはいかにも秀才らしく、ちょっと浮世離れした受け答えをする。彼らのキャラクターもまた読みどころで、こんな子たちがいるのかと驚きながらも関心しつつ、ワクワク読んでいるうちにだんだん彼らを応援している自分に気がつく。

     ドキュメンタリーでありながら著者がかなり対象に感情移入しているのだが、そこがまた本書を面白くしている。楽しい一冊だった。

  • 野球のセオリーを覆す、弱くても勝てる方法論。
    この一点突破型の手法は野球以外にも応用が効くはず。
    開成高校の生徒たちが理屈ばっかり述べるがとことんのほほんとしている。
    この微笑ましい雰囲気は著者のまとめ方がうまいのだと思う。

  •  日本テレビの「弱くても勝てます ~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」が面白くて、元になった本があるというので読んでみました。

     正直驚いたのは、テレビで出てきたフレーズがほとんど入っていること。例えば、グランドを練習ではなく、実験の場として考えるとか、およそネタでしかないと思えたことが、何と実話に基づいていたとは(^^;。しかも、彼らは当然のように東大や京大を受験すると。

     この本を読んでからテレビを観ると、テレビが上手にストーリーを組み立てているのがよく分かります。事実は事実でも、本はあくまでも取材したことを記録しただけ、内容が散らばってしまっています。それを、ストーリーがあるものにしたのはさすがです。

     いやあ、いつか本当に甲子園に出て欲しいです。

  • 結局なんで勝てるのか曖昧なのと(わからなくも無いんだけど)、そもそもそんなには勝っていないと思ってしまった…

  • 広いグランドがない、飛びぬけた選手もいない、開成高校の野球練習法。実際うちの長男は夏の大会であたり、守備などは下手だったけど、バッティングがよくて負けてしまった。

  •  どこかヘンテコな対象を、無駄に透徹した視点と身もフタもなさ過ぎるツッコミで描き出す著者のルポ。しかも、色々考察する内に書き手自身が途方に暮れ、何とも言えないトホホ感が漂う読後。一度読んだら病みつきになるヒデミネ節の最新刊が出ました!

     今回はあの超進学校・開成高校の野球部を取材しています。
     あの開成高校が甲子園地区大会でベスト16まで残ったことに興味を持った著者は、早速取材を開始。優等生達が知力をフル動員し、頭を使った野球で体力自慢を出し抜いたのかと思いきや、実態は全く違いました。

     開成高校の戦い方のコンセプトは、「ギャンブル」です。
     週一回しかグランドを使えないという不利な状況下で、守備練習に力を入れてもほとんど効果が無いと判断。打たれること、エラーすることを前提として、打線で打ち勝つことに賭けています。ですから、ピッチャーはストライクが入ることが最優先で、守備のレベルも「試合を壊さない程度であればOK」ということになります。打たれない、確実にアウトを取る、ではなく、「試合を壊さない」という相手方に対する配慮こそが開成野球の守備に求められるものということです。
     ですから守備は、ストライクが入る選手=ピッチャー、送球が上手い選手=内野、それ以外=外野、というわかりやすい基準で選考されます。

     スクイズなどで1点をもぎとっても、その裏に10点取られることだってザラなわけで、そうなると、真っ当な戦い方では絶対に負けてしまいます。
     そういうわけで、空振りしてもフルスイングする打撃をモットーとするわけですが、これでヒットが出たときに「あの開成に打たれた、点を取られた」という相手方の動揺につけ込み、一挙大量得点を狙うという「ドサクサ」が究極の狙いです。なので、監督はヒットが出ても振りが鈍いとダグアウトから罵声を飛ばし、空振りしてもフルスイングしていたら「ナイススイング!」と評価。挙げ句はちゃんとした野球をしようものなら「お前ら、野球をしようとするんじゃない!」「ドサクサだ!ドサクサ!」と監督の声が飛ぶことになります。

     打撃重視の打順の組み方は、2番に最強打者を入れ、1番から6番まで強い打球が打てる選手を並べます。打順を輪として考えると、下位打線もそのまま1番・2番へと続いていくわけですから、打順が下位の選手が出塁したら、そのままチャンス到来と言うことになります。
     これ、本書では言及されていませんでしたが、数学的にはかなり理に適った方法だと言うことです。一般的な野球のセオリーでは2番に小技のできる選手を入れることになっていますが、数学的には2番に最強打者を入れることが効率よく得点を取ることができるんだそうです。偶然にしても、大量得点を挙げるには理に適った打順だった、ということですね。

     監督の方針もちょっとヘンテコなら、選手達もかなり変わっています。それぞれが自分で納得いくように考えるのです。著者がインタビューしても、理路整然と答える選手が多く、「頭で野球をしている」んですが…それ、言葉の意味が違わないですか?(笑)
     本書を読んでいて感じたのは、大学時代の恩師の言葉です。
    「行動する人は考えない。考える人は行動できない」
     ある種の極論ではありますが、行動というのは事前準備をいくらしたとはいえ、それらを振り切って何かをするという側面があります。野球に限らずスポーツというのは身体を動かしてナンボなのに、その身体の操作を全部脳で制御しようとしちゃっているせいで行動がワンテンポ遅れがちになってるように感じました。(状況と正解を見極めようとする受験エリートの特性のマイナス面、というのはいささか言いすぎかもしれませんが…)

     頭脳野球だと思いきや、蓋を開けてみると常識外れの「ドサクサ野球」だったのに大笑いしつつも、選手達の野球への取り組み方を見ていると、「考えることに偏重するのもちょっとなぁ…」と色々考えさせられました。
     いつもはヘンテコな対象についてあれこれ考えて混乱する著者。今回はそんな著者とよく似た人たちが取材対象だったので、少しやりにくそうな印象を受けました。「この子達、ちょっと考えすぎなんじゃ無いだろうか…」って、それ、著者自身もそうなんですよ!
     まぁとにかくヘンテコな野球部の話で、間違いなく楽しめます。オススメです。

  • おもしろかった。なにかと小難しく考える生徒たちに対して、「どさくさまぎれの大量得点を狙う」という監督の方針がすばらしい。

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