「空気」と「世間」 (講談社現代新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 家族・親族で集まった時に感じていた漠然とした違和感の正体は「世間」や「空気」だとわかり、腑に落ちた。何となく「面倒だから話さなくていいや、寝てよう」と考え、家族や親族を軽視していたのは、今思えば精神衛生上正解だったのかもしれない笑
    この本のお陰で「世間」「空気」「社会」をより意識することが出来るようになったので、家族・親族関係においても、友人関係や仕事関係においても、よりストレスを分解しながら自身の行動を決められる気がする。

  • 自粛にて図書館利用できず。。。自衛と言われるようになってしまうと不特定多数の方が手にするレンタル産業利用は難しいな。。
    都内感染者は増えてしまっているし。。。 個人の選択と自由が問われそうだ。。

    勝手なイメージだが新書 という感じ。固くもなく、当時の事件や環境を例にして 様々な角度から考察している。
    大学時代、教授出版のお堅い本が題材だったけれど
    こういうのがあれば もっと授業がとっつきやすかったのになぁ。。
    漫画をテーマの教材にしてくれていた教授もいるけれど
    講義の面白さは題材よりも 教授の授業の進め方が大きくて シラバス読んで面白そう、となって体験授業でがっかりして 結局同教授の講義を全制覇したりして。

    コロナによる働き方 とか 自粛警察 とか 今回の騒動に対して、作者の新書を読んでみたい。
    今のこの動きをどんな見方しているのだろう。。


    以下メモメモ

    冒頭のお笑い、司会者のたとえ話がわかりやすかった。
    学生時代もクラスにムードメーカーがいるとイベント時や夏休み明けの先生の 楽しかった?という質問とか 些細な事に関しても楽であった。。。

    世間=自分に関係のある世界
    社会=自分に関係のない世界
    世間が流動化したもの=空気
    西欧の世間=宗教
    西欧の個人=宗教の神という絶対的な中で事故を確認しようという動きの中で生まれた
    日本も都市化と経済的・精神的なグローバル化と格差社会により班より個人・集団より個人の快適さを求めるようになり中途半端に世間が壊れる中、
    日本は宗教に頼れない→空気という言葉の乱発

    大学の卒論テーマ時に出会いたかった!!
    せめて阿部謹也氏と山本七平氏の著作を知っていたら…!!!
    何故日本トイレには音姫があるのか で、理由を村社会による日本人気質=西欧がまず個があってのプライバシーと捉えることに対し 日本はまず周囲があっての個という認識、よって社会という集団の中で とてもプライベートな行為をすることに羞恥心を抱く と結論つけたのだが

    明治10年にSociety・17年にIndividual 翻訳して初めて社会・個人という単語が生まれたとは。。。
    それ以前はその概念が無い という事実を学生時代知っていたら 西洋化との比較をして もっと違う結論に出来たかも。。。

    『孤独と不安のレッスン』

    『空気を読む力』放送作家田中大祐

    『世間とは何か』『学問と世間』『近代化と世間』阿部謹也
    =日本の個人は社会の中に生きる個人であって 西洋的な個人など日本には存在しない よって 独立した個人が構成する社会も日本にはない

    『人間を幸福にしない日本というシステムj』カレル・ヴァン・ウォルフレン
    =仕方がない=政治的な無力感を社会に広める

  • 空気読め!に対して、かなりな違和感を感じてるというかそんなもん読むなよ、と思っているのであるが、前半でああそういうことなのかーとやや納得。空気の正体を読み解くために世間が登場するんだけど、これがまた日本人とはなにかみたいな話で大変面白かった。この概念を用いると、いろんなことに説明がつくからすごい。たしかに、「世間」って様つけて呼ぶくらいの存在なんだもんねえ。文体も平易で読みやすいし、最後のほうはとても切なるメッセージが語られて、それもまた印象に残る。

  • 分かりやすい話から入って、専門的な解説を経て、最終的に実行可能な行動提案に持っていく。
    とてもよい本でした。
    あとがきも納得。

著者プロフィール

著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年8月2日生まれ。愛媛県新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。劇作家・演出家・エッセイスト・小説家

「2023年 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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