稼ぎたければ、働くな。 [Kindle]

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著者 : 山田昭男
  • サンマーク出版 (2012年11月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (76ページ)

稼ぎたければ、働くな。の感想・レビュー・書評

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  • ・そもそも、何のために人事部が必要なのか。社内の人の異動は、部長や課長同士で話し合えばすむことだし、新しい人の採用も必要な部署がやればいい。人が欲しいのはそれぞれの現場なのだから、必要な部署が必要な人を探してくればいいだけの話だ。
    …同じ理由で未来工業には購買部や経理部もなかった。「なかった」と過去形なのは、現在はやむなくつくったからだ。
    というのも、今から二十年ほど前、未来工業を名古屋証券取引所二部に上場させようとした時、当時の大蔵省から横やりが入った。上場するには、組織がきちんとしていなければいけない、社内に経理部や購買部もないような会社はダメだ、と言うのだ。しかたなく経理部と購買部を新設したが、今でもこれらの部署をわざわざつくる意味はないと思っている。
    …幸いなことに、大蔵省は人事部がないことについては何も言ってこなかった。
    これから上場しようという会社に、まさか人事部がないとは夢にもおもわなかったのだろう。だからいまだに、未来工業は人事部なしのままだ。
    >>/> 面白い!まさか夢にも思わないよ。定期の人事異動で他部署をローテさせるような方法は取れなくなるのかな。それも確かにお役所的だけれど。

    ・未来工業だけは赤字を覚悟で82種類の売れない商品をつくり続けている。現場の職人がこんな喜びの言葉を返してくれるからだ。
    「儲からないのに、自分たちのためにわざわざサイズ違いの商品をたくさんくつってくれる。これがなかったら、ほかのサイズをいちいち調整してつくらないといけなかった。未来工業さんは本当にありがたい」
    職人は感謝して、自然とメインの売れ筋商品も未来工業からしか買わないようになる。たとえよそが半値で出してきたとしても、未来工業から買う。
    これを日本語で「恩義」と言うが、私が陰でこっそり「撒き餌」と呼んでいることはどうか秘密にしておいてほしい。
    >>/> 今娘の小学校の宿題で「いなばの白うさぎ」の音読が出ている。うさぎが鰐を騙して、「我々うさぎとあなた達鰐とどちらの数が多いか、私が数えてあげましょう」と言って鰐を並ばせ、海を渡る。渡り終わる頃に嬉しくなって、「騙されたね♪」と言ってしまい、鰐に皮を赤裸に皮をむかれてしまう。その後神々の末っ子の大国主が一番人徳者で、うさぎを助けてあげ、そちらがメインのお話なのだけど、折角そこまで並べたんなら、鰐の数を数えて上げればwin&winだったのに。娘にもそう教えてあげたら、納得していた(笑

    ・営業に力を入れろと言うと、ノルマを設けてビシビシ売らせようとするバカがいる。ノルマを設ければ、一時的には売り上げが伸びるかもしれないが、長い目で見れば会社が儲かるようにはならない。
    営業はユーザーにいちばん近いところにいる。つまり、プラスアルファの差別化にもっとも気づきやすい人種だ。そしてそれに気づけるように配慮してやるのが、上に立つ者の仕事である。未来工業では営業にノルマがない。ノルマを設けると、どうしてもディーラーのところに行きがちになるからだ。実際に商品を買ってくれるのは、現場の職人ではなく、卸の販売店であるディーラーである。だから、ノルマを意識するとついついディーラーばかり回って数字を稼ぎたくなる。
    …未来工業で長きにわたって開発を担当していた清水昭八という人間がいる。彼も営業にしつこく現場に行くようにすすめたひとりだ。彼は生前、次のように言っていた。
    「営業はなるべく現場に行ったほうがいい。しつこく、『何でや』と職人に聞いていくんや。すぐには教えてくれんよ。向こうも“答え屋さん”ではないんやから。でもしつこく聞いていくと、最後にポツリと『〇〇が曲がりやすいんや』などと問題点を言ってくれることがある。そこまで聞かないかん」この、最後の「ポツリ」を聞けるかどうかが、営業の成果、ひいては会社の命運にまで大きく関わってくる。
    >>/> きちんと現場に行く事が前提として大事なのは、勿論だけれど職人は“答え屋さん”ではない、というのは名言ではないか。どのコミュニケーションを必要とする仕事、サービス業にも大切な視点だと思う。

    ・儲けようとすると、決まって倹約に走る人がいる。たしかにチリも積もれば山となるから、私も倹約自体は否定しない。でも何でもかんでもケチケチしていると、結局、大きなチャンスを失う。儲けたかったら倹約も重要だが、それ以上に浪費が大切だ。倹約するか、浪費するか、その基準は、それをやって「やる気がでるか」「人が喜ぶかどうか」にある。
    >>/> この、はっきりした優先順位。両方大事、じゃなくて、浪費の方が大事。

    ・江戸の商人が新しい店を出す時は、その店に三年間米を送り続けたという。商売ではそれがふつうだ。つまり、最初の三年間は損をする覚悟をしなければいけない。
    >>/> 起業も、人脈作りもきっとそうだ。三年は覚悟をしないといけないけど、三年で形にしないといけないんだ。逆に言えば。

    ・開発する力がなければ、最初はよその真似でもかまわない。ただ、真似をしてつくっただけでは値段のことを言われてしまうので、その先でひと工夫しないといけない。
    「同じ値段だったら、今のところでええやないか。何もわざわざおまえのところに変えんでもええわ」そう言われるままに値段を下げてしまっては、絶対に儲からないのはこれまで再三言ってきたとおりである。同じものにほんのちょっとプラスアルファの価値をつけて、それを「プラスアルファがついているけど値段は一緒でいいよ」という売り方をする。そうやってよそとの「差別化」ができるわけだ。
    プラスアルファの価値を見つけてこられるのは、取引先の一番近くにいて、生の声を拾える営業の人間である。
    >>/> 営業から経営者になった人の視点。そこを譲ってはいけないのですね。

    ・営業でいちばん大事なのは、お客をもてなすことではなく、お客と仲良くなることだ。たとえ初対面であっても、何年も前から知り合いだったかのように振る舞えるのが理想である。そうすれば大事な情報も気安く教えてもらえる。そのためのいちばん手っ取り早い方法は、初対面から馴れ馴れしくしゃべりかけることだ。「おい、お前」ではもちろんダメだが、「社長ねえ」というように、語尾に「ねえ」をつけられるくらいがもっとも理想的な距離感である。
    …今はご丁寧にビジネスマナーなどを教える研修まで用意されていて、名刺の交換の仕方やお辞儀の角度まで教えるという。そんなくだらんことをやっているから、いつまでたっても優秀な社員が育たないのだ。
    >>/> うーん、本物の泥臭さ。今の会社の常務が、酒、女の遊び好きな感じなのに、一発で人の名前覚えるんだよな。。恐ろしい。

    ・大蔵省の役人が「課長をあと45人増やさないと、上場を認めない」と言い出したのだ(当時は従業員数に応じて必要な課長の数がきまっていたそう)。そんなことを急に言われても、45人もの課長を選び出すのは大変だ。
    そこで私は思いつくまま、社員の名前を一枚ずつ紙に書いていった。男女も関係ない。だいたい社歴が同じくらいの者をひとり一枚ずつ紙に書き出して、お盆に載せた後、扇風機の前へ持っていって飛ばしたのだ。
    いちばん遠くに飛んだ名前の奴から順番に順番に課長にすることにした。彼らは上場の時に課長になったので、以来、社内では「上場課長」というニックネームで呼ばれている。
    扇風機で選ばれたから、社内でもいばりようがない。肩書など、その程度のものだと、本人や周りに自覚させるにはちょうど良い機会だった。
    >>/> 発想が、ぶっ飛んでる。本当にやってしまうのが、また。でも多分、効果はあるんだよな。

    ・私は水割りを飲む時、少しコーラを混ぜる。つまりウィスキーに水を入れ、さらにそこにコーラを注ぐわけだ。そのとき、ウィスキーの味がしてはいけない。水っぽくてもいけない。コーラの味もダメだ。つまりウィスキーも水もコーラも、どの味も「無」になって、三つを足したまったく新しい味になっていなければいけない。
    >>/> この例えは美しいですね。でも、何度もダメ出しをするのでバーのマスター泣かせだそう(笑

  • 残業禁止、ホウレンソウ禁止、年間休日140日、全員正社員、平均年収600万円、5年に一度全員で海外旅行、の未来工業社長の組織論。

    一見無茶なように見えて、背景には合理的な思想がある。
    実践するのは多少勇気が要りそうだけど、参考にしたいと思った。

    ・ムチなど振るわずとにかく先にアメを与えること
    ・会社に対して恩義を感じれば社員は頑張ってくれる
    ・常に自分の頭で考えて工夫すること
    ・部下のやる気を100%引き出すのが上司の仕事

    第一に社員をとにかく大切にすれば、社員一人ひとりが100%頑張ってくれる。それだけで会社は成り立つ。社員の100%の頑張りを引き出すことが何より大切。

    赤字商品でも多くの人が喜ぶなら供給する。それに恩義を感じてもらえれば、メインの黒字商品も選んでもらえるようになり、トータルでは黒字になる。

  • 命令ではなく説得だ。説得して、納得させる。

    トレーナーになってから二ヶ月が経ちました。

    今の所、行き当たりばったりで仕事を教えている感じがします。元来、人にモノを教えるのは好きではありません。教えるくらいなら一人でやってしまおうタイプです。

    人を見ながら、その人のペースに合わせて仕事を教えることもかなり難しいです。人がどれくらいできるかなんて、どうやったらわかるのでしょうか。

    こんな感じで、悶々としながらトレーナー生活が進んでいます。解があるとは思えませんが、解がないと投げずに、人の成長とはどうあるべきか、考えていきたいと思います。

    トレーニーは自分の下にいることに満足しているのでしょうか。

  • 世の中に破天荒な会社はあるが、日本にこれだけの破天荒な会社があるとは知らなかった。常識の逆を行き、そしてそれがうまくいっている魅力的な企業だと思った。

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