失敗の本質 [Kindle]

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  • ダイヤモンド社 (1984年5月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (252ページ)

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失敗の本質の感想・レビュー・書評

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  • 大企業病の本質が示されている。
    第一章は読みづらい。しかし第二章、第三章は大企業で新規事業開発に携わってる方は納得感が高い内容ばかりではないか?
    読み返す価値がある内容である。
    ただし失敗しない観点は理解できても、失敗しない組織をどのように構築していくのかは具体的な示唆は少ない。
    自ら考え試行錯誤実践していかなくてはいけない。

  • これはやられた。
    60年前に起こった日本軍の失敗と、
    現代の日本企業に置いて起こっている諸所の失敗の本質が同じだとは思わなかった。

    この本が出て30年、第二次世界大戦から約70年。
    日本は本質的に変化していなかった。

    そりゃあ、世界に置いて行かれるわこの国は。

  • 出張の帰りの新幹線で読み終えたけど、読んでて悲しくなる程日本人の組織は戦後を続けているのだと実感。組織の問題の中で埋没する上司や同僚をどうその呪縛から引きずり出せば良いのか、組織の外から野次るのは簡単だが、中から創造的破壊をするためには、まずは情報の正しい流通が必要。

  •  副題にある通り、日本軍の敗北を組織論から考察したもの。歴史家ではなく主に防衛大学の研究者らによって書かれた本であるため、政治的・道義的な主義主張には一切触れず、あくまでも軍隊や組織が勝つために必要だったものを冷徹に分析している。

     第一章では、大東亜戦争において日本軍が大敗を喫した六つの代表的な戦場─ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテ、沖縄─の各々について、どのように推移しなぜ負けたのかを個別に分析。第二章では包括的に、これらの敗北の背景にある日本軍の本質的な欠点(あるいは弱点)を探る。そして第三章では明治時代の官僚機構から現代の民間企業まで、日本的組織全体に通じる課題に言及していく。

     採り上げられた六つの戦闘のうちノモンハン以外はいずれも米軍を相手とするものだ。日本がアメリカに負けた理由としては、圧倒的な物量の差がまず挙げられることが多い。しかし個々の戦場について語る場合、その時その場に投入されていた戦力は必ずしも米軍の方が多かったわけではない。日本軍の方が多くの戦力を投入してもなお負けていることが指摘される。

     本書が分析する日本軍の失敗の本質は、物量的に劣勢だったことではない。もちろん物量は必要だが、それ以前に戦略の立て方や作戦目的の曖昧さ、合理性より情緒が優先される組織体質、コミュニケーションや情報収集の軽視、学歴主義から能力主義に転換できなかった人事制度など、もっとソフト面の問題だ。

     そしてこれは多かれ少なかれ現代の日本組織にも残っている問題点だと言える。下手なビジネス書よりビジネスに役立つのではなかろうか。

     なお、初版発行は今から30年近く前の1984年で、文体に若干の古臭さを感じなくもないが、それは時代より内容の特殊性によるものと思われる。軍事関係の独特な用語が頻出するため、Kindleの内蔵辞書が大活躍した。

  • 全ビジネスパーソン必読の書。毎度人に貸して無くすので、遂にKindleで。セールだけど。今更日本軍かよ、と侮ることなかれ。ここに映されるのは明治以降不変の、一本道の教育・就活・大組織体系で磨かれる日本人のパラダイム。良し悪しではなくこれが現実。戦時の教訓本は数多あるも、ここまで「ビジネス書」として今の自分(それが20代であっても40代であっても)の心に響くものは無し。
    以下少しだけ引用。

    ・目的のあいまいな作戦は、必ず失敗する
    ・日本軍の失敗の過程は、主観と独善から希望的観測に依存する戦略目的が戦争の現実と合理的論理によって漸次破壊されてきたプロセス
    ・技術体系に大きな革新があったために、もはや単純な戦法レベルでの対応では十分機能しえなかったと言える
    ・海戦要務令がある種の経典のような形で硬直化してくるにつれ、バリエーションの発生を殺すような逆機能現象が現れてくる
    ・日本軍の中で組織成員が日々見たり接したりできたリーダーの多くは、白兵戦と艦隊決戦という戦略原型をなんらかの形で具現化した人々であった
    ・軍事組織は、平時から戦時への転換を瞬時にして行えるシステムを有していなければならない
    ・日本軍の現地軍は、責任多く権限なしとも言われた。責任権限のあいまいな組織にあっては、中央が軍事合理性を欠いた場合のツケはすべて現地軍が負わなければならなかった

  • 読んでいると、ありありとイメージがわく。少し思考停止になってしまうとこんなことよくあるだろうというものばかり。

    グランドデザインとなる大方針から演繹的に小組織に方針を落としていかないとまとめきれないということがよく分かる。
    そして、最後のまとめにあったが、適応しすぎると適応しようとしなくなるという点がとても学びになった。

  • 不明確な目標、意思疎通の取れない組織、信賞必罰でなく温情的人事、合理的でない声の大きい人の意見が通る意思決定、失敗から学ばない組織、空気・忖度・情緒で行われる意思決定、組織を跨いで全体を俯瞰した判断が出来ない、成功体験への固執、いずれも現在の官僚組織でもそのままあてはまる。そして、自分の会社にも・・・ヤバイ!

  • 組織論や日本人の特性に関する文章を読んだ際に、何度か、この『失敗の本質』が引用されていることがありました。
    「名著」と呼ばれる本はなるべく読むようにしよう、と思っているので、Kindle版を探して、読んでみることにしました。
    本著が企画されたのは、昭和50年代。
    防衛大学の関係者が中心となった研究会の活動が、ベースとなっています。
    その研究テーマというのが、昭和20年に終戦を迎えた大東亜戦争に「なぜ日本は負けたのか」ということ。
    大東亜戦争の前段となった昭和14年のノモンハン事件から、戦争終末期昭和20年の沖縄戦まで。
    一連の戦争のターニングポイントとなった6つの作戦(戦闘)を取り上げて、「なぜ負けたのか」を詳細に考察しています。
    その上で、6つの事例に共通する問題は何かを抽出し、日本の組織はその教訓から何を学ぶべきかを、提言しています。
    多くの論点が盛り込まれていますが、大きなポイントとして印象に残った部分を、自分なりに要約します。

    1)戦略が間違っていると、いくら巧みな戦術を計画・運用することができてたとしても、失敗という結果に陥ってしまう。
    2)戦略を立てる際に、自らの成功体験に縛られてはいけない。環境の変化によって、過去に成功した戦略が、現在に適合しない場合がある。
    3)目的は明確にしなければならない。検討の際には、当面対処すべきことだけでなく、長期的な視点に立ち、どう決着をつけるかまでを考える必要がある。
    4)目的や戦略は、その達成に向けて活動する組織内に周知徹底する必要がある。そうしなければ、各部門や各人が個別の判断によって、目的に合致しない行動をとってしまう場合ががある。
    5)人がどのように考え行動するかは、各人が受けた教育に大きく影響を受ける。人材の育成はその内容も含めて、国家や企業といった大きな枠組みで慎重にかつ柔軟に計画運用する必要がある。

    戦後70年以上が経過しているので、戦争の教訓によって日本の社会、組織が改善された部分もあるかと思います。
    しかし現在でもこの本が重要視されているということは、本質的に変わっていない部分が、まだまだあるのだなあと理解しました。
    専門家による記述のため、自分には理解しづらい部分もありました。
    しかし、戦争初期の戦闘において日米の力量差がそれほど大きくなかった等、大東亜戦争に対する認識を改めてもらえる部分も、多くありました。
    日本人の特性や組織の問題に興味がある人は、読んでおくべき一冊だと思います。

  • 太平洋戦争で、日本はアメリカに負けましたが、それはなぜだったのか、どこで負けてしまったのか。アメリカというあまりにも強大な国相手の戦争でしたから、ある意味無謀であり、負けて当然のように思っていました。それゆえ、なぜということに関心を持っていませんでした。本書はそのなぜについて、戦史からそれぞれの戦いの詳細の分析、そして日本とアメリカのその時々の決断。なぜその判断に至ったのか、そのバックグラウンド。それらについて詳細に分析されています。その原因は、今の企業の判断にも同じようなところも見え、それにいかに気付くか、その誤った判断を修正できるか。日本軍はそれが出来ずに敗北してしまいましたが、そこから我々は学ばなければならないということを強烈に知りました。最後の企業への応用とも言える部分を読んで、いかに我々が誤りやすいのかに「ぞっ」としました。

  • 日本語で書かれた中では最高の組織論の書籍。日本人を再発見できます。表面だけ見れば日本軍がなぜどのように敗けたのかという軍事論のように見えますが、なぜ日本的な組織が失敗するのかという組織論につながっています。「菊と刀」と合わせて読みたい。

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