南の子供が夜いくところ (角川ホラー文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • いつもどこか冷んやりした世界を書くのに、南国を舞台に書いた作品もあるのだな。今日のように蒸し暑い日に読めたので雰囲気は格別。でも、緑の濃さの中にやはりスッと首筋を撫ぜる冷気は健在。それは怖いのではなく、底知れないのに存在する底があるようだから。裏表紙の紹介文には「悪夢の世界」とあるが、そんな不幸と恐怖のイメージは皆無。

  • 『南国風幻想ファンタジック奇譚の世界へようこそ』

    南国の島を舞台にした恒川ワールド全開の不思議な連絡短編集。いろいろな世界が交錯し、あれ、この名前さっきでてきたな〜、とついつい戻って確認してしまう。様々な世界観が堪能できる傑作でした!

  • 不思議な力の宿る島、トロンバス島での出来事を時代を超えつつ、どこかでつながる短編集。こんなこともあったんだ、あんなこともあったんだと思いながら読んでいました。色々な事象が起こる中、やはり1番気になるところはタカシで、最終章で、タカシが父親と再会できそうな(再会していますように)シーンで終わり、とても救われた気分になりました。明るすぎず暗すぎない。幸せすぎず、不幸すぎない。恒川さんの世界はどこか安心するような、でも決して小さい不安は拭いきれない。やみつきになる世界観。「まどろみのティユルさん」でのロブとタカシの友情が美しかった。また、「まどろみのティユルさん」のソノバがなんと!!!「オン(穏)」出身だったことでびっくりしました。ここでオンが出ますか?恒川さんよ。最初から最後までタカシの子供らしさに癒されました。タカシには幸せになって欲しいです。

著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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