不思議な力の宿る島、トロンバス島での出来事を時代を超えつつ、どこかでつながる短編集。こんなこともあったんだ、あんなこともあったんだと思いながら読んでいました。色々な事象が起こる中、やはり1番気になるところはタカシで、最終章で、タカシが父親と再会できそうな(再会していますように)シーンで終わり、とても救われた気分になりました。明るすぎず暗すぎない。幸せすぎず、不幸すぎない。恒川さんの世界はどこか安心するような、でも決して小さい不安は拭いきれない。やみつきになる世界観。「まどろみのティユルさん」でのロブとタカシの友情が美しかった。また、「まどろみのティユルさん」のソノバがなんと!!!「オン(穏)」出身だったことでびっくりしました。ここでオンが出ますか?恒川さんよ。最初から最後までタカシの子供らしさに癒されました。タカシには幸せになって欲しいです。