ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 [Kindle]

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  • 早川書房 (2013年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (549ページ)

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ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕の感想・レビュー・書評

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  • 1970年代の英国情報部(通称サーカス)内で、元情報部員スマイリーがもぐらと呼ばれるソ連の二重スパイを追う「スマイリー三部作」の第一弾。
    映画『裏切りのサーカス』(2011)をきっかけに本書を手にとった。映画も本もわたしには非常に難解で、それぞれ見直し・読み直したところでレビューを書いている。
    まず、映画で描かれた冷戦期の色彩を失ったような世界や埃っぽく煙草のけむりに満ちた空気が、原作にそのまま通じていることがうれしい。このくすんだ雰囲気は引退生活を強いられ妻にも去られたスマイリーの陰鬱な心象風景をそのまま引き表している。
    極上のエンタテインメントでありながら、ル・カレは登場人物の心の襞を情感豊かに描いてみせる。孤独なスマイリーの思念はしばしば過去に飛び、苦い記憶の数々を甦らせながらまた重たい任務に戻ってゆく。妻の裏切りにも遭って彼の心許せる相手は最早いないようにも見えるけれど、立ちはだかる敵の内に彼は自分自身を見出し、静かな対話を重ねる。
    もぐら究明に関わって犠牲となりコーンウォルで田舎教師に身をやつす元工作員ジムは、もう一人の主役といえる。物語は彼の落魄の日々で幕を開け、それを閉じるのもまた彼である。中学校に赴任した早々ジムは瀕死のフクロウを鮮やかな手際で安楽死させ、生徒たちの畏敬を勝ち取る。知恵を象徴する誇り高き猛禽類を死によって苦しみから解放してやる役目を、物語の終局で彼はもう一度担う。それによって深い傷を負ったジムの心に、じわりと回復の光が差すところで物語は結ばれる。
    冷戦期という一つの時代の断面を巧みに描きながら、娯楽性と卓越した心理描写を並立させる。スパイ小説もジョン・ル・カレも初めての経験で、大いに感服し堪能した。映画も併せて何度でも味わいたい。

  • 映画「裏切りのサーカス」が面白かったのだが、話と人間関係がよくわからなかったので、小説を読んでみた。
    映画よりもわかりにくかった(苦笑)。

    もともと内容が複雑なので、自分の読解力が足りないのか、翻訳文がわかりにくいのか、わからないまま読み終わった。
    amazoneをみると、翻訳の問題を指摘している評がいくつかあるので、自分の読解力の問題だけではないようだ。

    でも、読みにくいと思いつつ、お話と登場人物に引き込まれた。
    読書中に、2作目上下巻と、3作目を購入した。

  • 映画版を観ていなかったら、話の筋が追えなかっただろう。わかりにくい。わかりにくいが、そこを辛抱するうちに、ずぶずぶストーリーにはまっていくタイプの小説。他の人にはこうは書けない、という描写に満ちている。もう一回くらい読まないとな…。

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