劇場アニメーション『言の葉の庭』 DVD

監督 : 新海誠 
出演 : 入野自由  花澤香菜 
  • 東宝
3.74
  • (216)
  • (280)
  • (263)
  • (67)
  • (11)
本棚登録 : 1774
感想 : 338
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104076687

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なんのきなしに借りたら、おもしろかった。
    靴職人を目指している高校生とわけあって仕事に行けなくなっている先生の話。二人を雨が繋いでいる。

    自分は基本的には雨が嫌いだが、この映画を見てことで今後は雨に対して違う見方ができそうだ。
    以前テレビでこの映画の「雨」の表現の話があって、かなり凝って作成しているだけあってすごくきれいで雨も悪くないと思わされた。

    高校生のまっすぐな思いに青春だなーと思いつつ。

    ラストでは先生をそんな言葉で責めないであげてくれって思った。

    大江千里のカヴァーで、秦基博の「rain」が映画に合ってて良すぎる。DVDを見終わって、アルバムには収録されていないことを知り、シングルを買いに走った。結果的に初回限定版を中古・格安で入手できて満足。繰り返し聞いた。

  • 絵が、一枚一枚が勿体無いほどに綺麗で、一瞬で流れてしまうのが惜しかった。映画というより、淡い恋心を歌った壮大なPVという感じのほうがしっくりくる。素敵。

  • 劇場で見てきた作品。




    靴職人を目指す少年タカオと、上手い歩き方を忘れてしまったユキノ。雨宿りの元約束のない逢瀬は重ねられていく。
    古典的な美女肖像とも言えるユキノのミステリアスな様相と、タカオの切実でがむしゃらな未熟さが胸を打つ。
    始めから紡がれる精練な写実的な風景と相まって、有名声優の上手い独白調の台詞が相乗効果で場を柔らかい空気感でまとめていく。あの耳に入りやすく、囁くような声の表現力に惚れながら、私はずっと目をつぶって聞いていたいような感慨に耽る。作品のキーになる雨音と、それを打ち消さないようにそっと寄り添う割れ物を扱うような繊細な機微が、まるでこの世から少し離れた泡沫の夢の感触を広げていく。

    秒速5センチメートルのように、どうしてそこまで繊細なものを描けるのか不思議でならない。生まれ変わってもこんなものは作れないだろうと思う。
    重要なシーンで紡がれる天気の表情の移り変わりと、劇的なものをさらに輝かせる光の使い方。センスがいい、というよりは、ほんとうに感性の賜物だ。

    タカオやユキノの思いも現実的に響いて悩ましい魅力を醸し出していた。どれもかれも、確かにそう感じていた自分がいて、自分だけではなく確かにそう感じている人がいることを容易く想像させる。的確でわかりやすい台詞回しと、時には意味深で味わい深い間の取り方をしていた。

    生まれ変わってもこんなものを作れないと一瞬でも思ってしまった。場の作り方、雰囲気、光の入り方、タイミングのいい演出と、細やかな登場人物の表情。どこか儚げで、リアルで、柔らかいまどろみのような空気感。本当、真似できないし、その感性を同郷の人物が持っていることがとても悔しい。私はそれが欲しい。それがあると信じたい。けれどそんなもの、本当にあるかなんてわからない。全世界十の70億分の1だ。あれに成り代われるような、そんなレベルの話ではない。完成されていて、完璧な世界観。せめて、それに近いものを、それに近付くものを作れるようになりたいと切に願うしかない。頭のよくない私には、そうやってこいねがうことしかできやしないのだろう。

  • 秒速のついで?に

    映像ここまで来るかってくらい綺麗です。
    個人的に雨の日がすきなのと、公園のシチュエーションは好きなので、ちょっと幸せな気持ちで観れました。

    ストーリーは、非常に素直なつくりだと思います。
    秒速とは違って、そんなに個々人の解釈とか入る余地もないかなぁ。
    あとは、観る人の人生とか想いとかを重ねてみれば、きっと素敵なお話として受け取れるんだと思います。靴職人ってのが、いいとこついてますよね!

    途中出てくるビールとか発泡酒が、シーンによって銘柄を変えていて、なにかのメタファーかと思ったけど、一回観ただけではわかりませんでした。
    単純に、ビールの銘柄をころころ変えるってところに不安定感を出したかったのかもですね。僕も思いつきで金麦にしたり、モルツ(は買わないか)にしたりですけど、落ち着いた社会人の家庭って、ビールの銘柄決まってるイメージ。あと、唯一まともな社会人っぽそうなお兄さんがプレモル(確か)だったのは、きっと意味を持たせている気がする。

    それと、新海さんって確実に都会と田舎を混ぜますよね。
    秒速は明らかだし、言の葉の庭でも大都会新宿と対比して、公園の自然を見せる。ポジティブなのは自然とか田舎の方。そりゃ、都会の生活で疲れた現代人ははまるだろうと思いました。
    あ、ついでにですが、新海さんにとって、都会と田舎をつなぐ象徴が電車なんだろうなって思いました。ほとんど間違いないと思います。
    こんどから意識して観てみようと思いました。

  • 新海誠さんの作品です。

    雨の表現がとても多彩で美しいです。また、主人公の心理描写が見事で、様々な事に葛藤を重ねる姿は青春を感じさせます。

    私はこの作品の最大の魅力は、クライマックスシーンでの爆発力だと思います。

    その爆発力は凄まじく、一度見たら頭から離れなくなります。

  • とても映像がきれいです!みなさんと同じ秒速5センチメートルから監督の作品にはまったのですが、どの作品も他のアニメとは違う繊細なタッチに細やかな感情の動きも描かれていて、ダイスキな監督さんです。
    雨を今までは線で書いていたけど、実際の雨は線ではなく粒なので、粒で書いていると何かのテレビ番組で言っていましたが、そういうひとつひとつの細やかな表現で、このアニメは出来ています。アメリカでも大人気の監督の次の作品も楽しみです!

    • 8minaさん
      saho1991さん
      新海さんの映像素晴らしいですよね。
      今回「言の葉の庭」は映画館で見ましたが、上映前のショートムービー「だれかのまな...
      saho1991さん
      新海さんの映像素晴らしいですよね。
      今回「言の葉の庭」は映画館で見ましたが、上映前のショートムービー「だれかのまなざし」も素敵でしたよ。動画サイトにもあります。
      2013/11/09
  • 予告をみてからずっっっと見たかった
    いろんな人がもう言ってるだろうし思ってるだろうけど
    本当に色がきれい、タッチが素敵
    音に吸い込まれそうになる

    季節をいろんなところに感じられる流れがいい
    春の色、とかね

    • 8minaさん
      すぴとさん
      はじめまして。
      新宿御苑を中心とした、四季の情景は見事でしたね。新海さんの映像美。
      一緒に上映されたショートムービー、”だ...
      すぴとさん
      はじめまして。
      新宿御苑を中心とした、四季の情景は見事でしたね。新海さんの映像美。
      一緒に上映されたショートムービー、”だれかの眼差し”も和紗さんの詩とともに印象が残ります。
      映画館ではみなさん、「これ広告?本編?」とざわついていました。
      2013/11/05
  • いい小説やいい映画に出会う楽しみ…それは、
    それからの生活を変容させてくれることにあるのだと思う。
    ただ漫然とすごす暮らしが、そうした作品に触れることで、
    全然違ったものになる! 自分の意識によって世界が変わる!

    「ほしのこえ」をはじめて観たときの衝撃…
    「秒速5センチメートル」の繊細なセンチメンタリズム…
    いい歳をして、あまっちょろい…なんて云われるかもしれないけど、
    ボクは、新海誠監督のメンタリティが好きだ。

    何度も、何度もみた…新宿の雨の日の光景が、
    本作を経たことで、まったく変わってしまうだろう。
    これは、けっしてハッピーな作品じゃないけれど、
    何かを信じていられることで、未来も待ち遠しいものになる。

    それにしても、毎度のことながら、
    この監督…風景の切り取り方がめちゃめちゃきれいだ…
    それに、すごくリアルでありながら、すごく幻想的でもある…
    だから感情移入しやすいのかな…いい映画だと思う!

  • 新海誠さんの風景描写の凄さは
    以前から知っていたし、幾つかの作品は観ていた。

    でも、この作品でこれほどかっていうほどに魅了された。

    最近で、ダントツで一番。
    日本のアニメ映画の最先端をみた。

    雨と緑の新宿。
    色彩設計の素晴らしさもさることながら
    秦さんの「Rain」、心に突き刺さってきた。

  • 雨の日に庭園で会える人。
    こういう不確かで限定的な出会いみたいな話、すごく好き。

    『27歳の私は、15歳の頃の私より少しも賢くない』ってセリフはかなりグサッときたりして。本当にその通りだから。

    階段で雪野に対して秋月が感情剥き出しにしているところも純粋さが溢れていて良かった。


    映像も音楽も綺麗で合っていた。

全338件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1973年生まれ、長野県出身。
2002年、ほとんど個人で制作した短編作品『ほしのこえ』でデビュー。
2016年『君の名は。』、2019年『天気の子』、2022年『すずめの戸締まり』公開、監督として国内外で高い評価と支持を受けている。

「2023年 『すずめの戸締まり(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×