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感想・レビュー・書評
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加藤順彦著「若者よ、アジアのウミガメとなれ」ごまブックス(2013)
シンガポールを拠点に企業支援を行うひっちゃのビジネス成功の秘訣が記載されている本です。神戸大学での講演の内容をもとに記載されています。ウミガメは外洋で成長して産卵のために生まれた砂浜に戻ってきます。中国では外国で立身出世した起業家に喩えています。
*ベンチャーを起こすのなら、新しい会社をはじめるのなら、すでにルールがあるところよりも、これからできる新しい市場を作る側、ルールメーカーになれる産業を自分でみつけなければならないということに、気がついた。
*すでに業界団体があるような産業、すでにその業界の大手と呼ばれているような会社があるところで戦ってはいけない。
*我々がいったから市場が伸びたんではない。伸びる市場があったからそこに行くべきだった。つまり出るべきなのです。なぜ今、日本の企業がアジアに出て行くべきなのか、日本の成長が止まっているからです。アジアが成長しているからです。
*韓国は、なんと国民の11%が海外にいます。日本は今、在外投票する人数は120万人で、人口の1%です。
*シンガポールは小さな国です。日本以上の少子化問題を抱えています。高齢化問題も起こっています。それにもかかわらず成長を続ける国。それは非常に大胆な移民政策を行、きわめて戦略的に裕福層や高学歴者の移民だけを選民して輸入してきている。シンガポールの人口比率の26%、違う国のパスポートを持っている人が4人に1人以上です。
*リー・クワン・ユーは、シンガポールに何もないと言いました。何もないから、世界につながるしか国を動かすイデオロギーは存在しないと。では、どうやって生きていくのか。何もないことを認識して、世界と違うことをやってのみ、国を会社を伸ばすことができる。だからイデオロギーを持つべきだといました。そして、最大のイデオロギーは世界中の人と直接コミュニケーションする武器を身につけることです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本国内にとどまることのリスク、これからは世界で競争できる人間になることが重要であることという主張に刺激を受けた。日本の企業に在籍する社会人であるが、海外トレンドや視点で物事を考えられるようになりたいと思う。
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数々のベンチャー立ち上げと、突然の「ルール」変更による事業撤退等を体験された加藤さんの公演記。
こ、れ、は。おもろい!
ベンチャーが伸びるために、まず一の条件は経営?従業員の質?そのメソッド?加藤氏に言わせればそれは、「いかに市場が伸びている場所にいるかにつきる」という事。
そして今、縮小する国内にそれを探すのは困難なため
•「アジア」で一発あてろや!と。
•そして、ウミガメのように帰って来いと。
泥臭くも力強いメッセージが伝わってくる。
しかし本著が啓蒙するのは、ワカモノだけでもない。国内のおっさん、おばちゃんにも是非読んでもらいたい。是非日本初のウミガメを育てようじゃないか、帰ってくる事を期待して。
さて、きゃりーぱみゅぱみゅでも聞くかな。 -
講演録 まあはっきり言って胡散臭い経歴だし塀の中に落ちててるとかありそうなのだが、それだけにすごく面白い
勝ち戦に参戦することの重要性 -
海外で起業して、成功した日本人は誰か。そう問われて、正直誰も浮かばなかった。一方、中国には百度のロビンリー氏のように成功した中国人が山ほどいる。
個人的には、生活環境では日本が最高だと思うが、ビジネス環境という意味では、すごく閉鎖的だと思った。著者がダイアルq2で失敗したのも、ホリエモンが失速したのも、村上ファンドが解散に追い込まれたのも、すべては政府がルールを改悪したことが要因というのは納得。
ベンチャーやるなら、成長市場でやれというのはシンプルだけど重みのある言葉。忘れないでおこう。