共喰い (集英社文庫) [Kindle]

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著者 : 田中慎弥
  • 集英社 (2013年1月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (104ページ)

共喰い (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「共喰い」はハードで激しい小説で、田中慎弥の風貌となかなか一致しない。少年の視点で描かれた貧困の中で繰り返される暴力的なセックスの日常。そこから逃げ出したくても逃げ出せないジレンマに、イライラと叫んでいるような感覚の伝わる作品だ。最近の作家で、こんなハードな感じのものを書く人は少ないように思う。著者の出身地である下関の方言混じりで交わされる会話が、作品に迫力を加えている。
    もう一つは「第三紀層の魚」。やはり下関で恵まれない環境であるが故に、魚釣りに没頭するしかない少年の日常が書かれている。なんとも説明しにくいが、こちらもやはり人には言えない何事かを抱えながら日々生きている人たちの描写が上手いと思う。
    芥川賞の受賞会見で発揮していた変人ぶりが強く印象に残っているが、骨太の小説を書く上手い作家だと思った。

  • 病院の待合の度に少しずつ読んでいたので 読み終わるのにとても時間がかかってしまった!始終 なんだか暗い雰囲気で、あまり好きな方ではないかも。芥川賞ということでしたが、私には難しかったかなー。対談は面白く読めました!

  • 005 共喰い

    本能に抗う主人公の葛藤

    特徴的な風景描写だけでなく
    純粋にストーリーとしても面白い一冊だった。

    「DV癖のある父のようにはなりたいくない!」
    と心に強く思っていても、
    気付いたら彼女を殴っている本能に絶望する姿や

    「DVに走る男から早く逃げなければ!」
    と頭では分かっているものの、
    何故かDVに迎合してしまっている女性の葛藤。

    戦後の田舎が舞台だからこそ、
    その人間臭さが妙にリアルで、読んでいて引き込まれた。

    「この本が好きです!」と大っぴらには言いづらいけど、
    しれっと本棚の端に置いておきたい、
    太宰治の作品を読んでいるようだった。

  • 芥川賞受賞時、「貰っといてやる」と言い放った無頼漢、
    田中慎弥の受賞作を、Kindle版のリリースを機会に購入してみた。

    ・・・何度も言うように、芥川賞受賞作とは相性が悪いのだけど、
    この作品はちょっと違う。綿矢りさ以来、久々に「読める」作品。
    まぁつまり、意味が解るということなのだけど。

    タイトルの「共喰い」と、「第三紀層の魚」の二篇から成る作品。
    舞台はおそらく瀬戸内海に面する中国側、山口宇部あたりの河口
    付近。もちろん明るい話ではなく、全篇に漂う雰囲気は限りなく
    重く、そして暗い。描かれている世界も、人間の実の部分を乱暴
    にこねくり回した感じで、粘着質な悪意を感じざるを得ない。
    更にハードな方言をそのまま台詞にしているため、若干芥川チック
    な雰囲気も醸し出す。正直、苦手なタイプなのだが・・・。

    二篇共に、釣りが重要なポイントになっているところが良い。
    それも、幼い頃に近所の河川で僕がやっていたような、チープで
    適当な釣り。考えてみれば、僕も河口付近から離れて生活した事は
    一度も無い。いつもそばには川と、すぐその先に海のある環境で
    生きてきた。それも、やや汚染が進んでいる場所で。

    だからしっくり来たんだろうなぁ、と個人的に思う。
    とはいえ、これからも芥川賞受賞作品を積極的に読みたいか?
    というとソレは・・・。

  • 衝撃的だし、記憶に残る。でも、二度と読みたくない!

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