V.T.R. (講談社文庫) [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • スロウハイツの神様チヨダ・コーキのデビュー作。
    コーキ版の表紙から環の解説まで楽しめる作品。

    コーちゃんの作風がハードだったのが意外だったけど、面白かった。
    短いのでさらっとスルッと読めた。

  • チヨダ・コーキ作。辻村深月作中作。
    作中にもある様に若者向けの作品内容でした。
    この作品で何かを感じるわけでは無いが、この様な作り込み(後付けもあるかも知れないが)が出来て、色々散りばめて、読者を楽しませてくれる辻村先生は本当に凄いです。

  • 当作の魅力をまるで感じることなく読了してしまった。主人公の語り口、ストーリー設定、登場人物のキャラ設定、全てが自分の趣向と合わなかった。単に相性の問題であるので作品と著者のせいにするつもりはないが、それでも一冊の読書を終えて何ひとつ気持ちの昂りを得られなかったことは至極残念としか言いようがない。

  • 『スロウハイツの神様』を読んでからの読了だったから、知り合いが書いた作品を読んでいる気分で不思議だった笑

    合法殺し屋マーダーのティーが、たった1人心から愛したマーダーからの久しぶりの電話から始まる。

    彼女の周りで何が起きているのかが、殺し屋がいる世界らしいコードネーム?のような名前の友人たちへの訪問で少しずつわかっていき、最後にかっこいい展開になった。

    何を考えてるかわからないけど軽い男口調のティーの語り調でサクサク読めた。

    文庫版だったから、本当のチヨダコーキの作品みたいに出版情報などもあり、赤羽環が解説だったのも世界観に浸れて良かった

  • スローハイツに出てくる作家が書いたお話、、、という設定。

  • おそらく7割弱しか理解できていない..
    辻村深月作品にありがちな最後の方の怒涛の謎解きって感じ。

  • 先日読んで、とっても面白かった『スロウハイツの神様』のスピンオフ作品?
    『スロウハイツの神様』に出てきたチヨダ・コーキのデビュー作。
    という設定。
     
    『スロウハイツの神様』を読んでいる時
    こうちゃんの作品って、どんな内容なんだろうな~
    と思っていたので、その作品が読めてすごく嬉しかった。
    さすが辻村さん。読者の気持ち、よく分かってらっしゃいます。
     
    『VTR』は、さらっと読みやすく
    恥ずかしながらトランス・ハイがTだったとは、最後の最後まで全く気付かず
    種明かしの時には「おおっ!」とびっくりはしたものの
    作品自体に深い感銘を受けるまでには至らなかったかな。
    ティーやアール、SやJそれぞれの物語を
    もう少し掘り下げても良かったかなと。
     
    けれど、きっと辻村さんは、自分の作品でなく
    あくまでもこうちゃんのデビュー作として、作り上げたんでしょうね。
    本当に辻村さんという作家さんは魅力的です。
     

  • スロウハイツの神様 上巻→本作→スロウハイツの神様 下巻の順で読んでほしい!切実に!上下巻の間じゃなくてもいいから、スロウハイツの神様を読んでからV.T.R.も読んで!感じ方が全然変わると思うから!



    スロウハイツの神様に登場する小説家チヨダ・コーキのデビュー作。スロウハイツ上下巻を読む間にこの作品を読むとより楽しめると順番を教えてくれた方に感謝…登場人物たちの解像度が一気に上がった。コウちゃんの作品を読むことで自身もスロウハイツの世界の一員になれたような気さえする。普段と辻村作品と違う荒削りでラノベチックな文体、これがまさに若かりし頃のコウちゃんの書いた小説なんだなぁ。

  • 3周目くらいかな
    スロウハイツ後の読了
    ※このあと読みたくなって積読した本
    「コンビニ人間」

    この国で千人きっかりにだけ持つことが許された特別免許を持つマーダー
    銃とドラッグ
    トランス・ハイ
    ゴミ捨て場エデン
    VTR
    ヴェロッチ・ティ・アール
    今の言葉で言えば登場人物はみんなこの国の社会不適合者とか犯罪者とかいうことになるかもしれない
    こんな世界で優しいと思えたり愛しいと思えたりすることがあるということに
    読んだあと心がそこにとどまったままになる
    VTR、大好きな作品です

    コウちゃんと赤羽環とスロウハイツの世界に没入したままチヨダコーキの作品を読む
    しっかりチヨダコーキの世界に連れていかれる
    で、最後の解説に赤羽環という文字をみてスロウハイツに連れ戻される!っていう所までがきっと
    スロウハイツの神様なんだ、、、スゲーな...っていういつもこういう気持ちになる

  • 作中作と言っていいのか分からないけど、スロウハイツの神様の登場人物、チヨダ・コーキのデビュー作。
    スロウハイツ〜を読んだ人間からすると、赤羽環の解説が本編な気もします。

  • チヨダ・コーキのデビュー作。解説の赤羽環曰く「人を完全な手駒として描くスラップスティックやブラックユーモアを得意とする反面、その中に社会的な風刺や現代人の病といったモチーフを巧妙に織り交ぜるのが作風。」VTRにはそこまでの作風を感じられなかったのは、読み手の私の感性が鈍化しているからかもしれないし、チヨダ・コーキのデビュー作でまだ本領が発揮されていないからかもしれない。合法的に殺し屋制度がある世界で、登録された殺し屋が死なない限り補充はない。ナンバーと名前は紐付いていないとはいえ、ある程度あたりはつけられるだろう。そんな世界で生きるティー。殺し屋の肩書はもっているけれど、ひもとして生きる彼。かつての彼女からの一本の電話で変わったのはなんだったろう。私には刺さらなかった物語だけど、赤羽環が解説でしたためたように私にも10代の神様的な存在はいて、その時代にその一冊に出会えたことをありがたく思う。

  • 2021/4/14 Amazonより講談社文庫50周年記念キャンペーンにて616円(308pt)でDL購入。

  • 「スロウハイツの神様」に出てきたチヨダコーキのデビュー作という設定で書かれた作品。単独の作品としてはそうでも無いですが、「スロウハイツの神様」が好きで、かつ、まだ高校生だったチヨダコーキのデビュー作と思って読めばそれなりに楽しめる気はしました。やや無理のある展開ではありますが、最終章はそれなりに面白かったです☆

  • 残念ながら、講談社ノベルズ版なので、環さんの解説はなし。読んでみたかったな。


    全てTの独白というスタイルで進む。
    ちょっと軽薄な感じがするTの独白。
    Tが分かってることの半分は説明されるけど、半分はとばされるから、そっか!と思うことになるんだけど。

    なぜ、Rがトランスハイファミリーを狙うのか、それが最後まで、わからなかった。自分の読みの浅さが残念。

  • サクサク読めました。普通に面白かったです。


  • スロウハイツの神様 の
    チヨダ・コーキ の小説。
    ずーっと読みたかったの!!

    三年前に別れたアールからの電話を
    きっかけに主人公のティーが
    アールの行方を捜す お話。

    すべてティーの語り口調で
    話が進んでいく のだけど、
    全てアールに語りかけるように優しい
    口調で話が進んでいきます。

    アールに対する愛がいっぱいです。
    伏線もあって、ハッとさせられたり
    深い情の世界にとても考えさせられた〜〜。

    最高に面白かったです。

  • スロウハイツを読んですぐ、こちらも合わせて買っていたのだが、なかなか読めずに積んでいて思い切って読了。

    辻村作品は、凍りのくじらとスロウハイツの神様しか読んだことがなかったために、結構しんどいのでは?と読むタイミングをはかっていたが今作は身構えていた割にはとても楽しい冒険活劇のようで、気楽に読めたと思う。

    展開は想定ができてしまったものの、所々に散らばる伏線やテーマ、ロボットのシーンは切なく、読み終わった後はこれがチヨダコーキ作品かとほぉっとなった。
    何より、読者が期待しているのは赤羽環のあとがきだろう。
    読んでいるとスロウハイツを読んで衝撃を受けたことを思い出す。
    ページ数は多くないのに、一人一人の登場人物がなぜか想像できてしまう所が凄い。
    決して多くはない語りで、どんな人なのかを想像させてくれる。

    読んでいるとどこかでぐさりと、心を刺してくる。
    それはチヨダコーキ作品扮する今作も。
    それが辻村作品だと思う。

  • 面白かったけどいちばん読めてうれしかったのは解説かなあ。
    きっと環たちと違って、現実にチヨダコーキがいたとして、わたしは読むと思うけどどっぷりはハマれない。でも「抜ける」こともない気がする。なんとなくだけど、いちばん多い読者層である中高生のときではなく大学生以降に初めて読んで、それから時々読んで、ああこういう一冊を必要とする人がいるな、と思いながら楽しむ気がする。全くジャンル違いなんだけど、漫画『魔人探偵脳噛ネウロ』のアヤ・エイジアの歌のような?
    作家の人が出てくる作品大好きなので、こういう作中作、もっと増えてほしいです。

  • 辻村さんの作品だけど、チヨダコーキの作品だからか、語り口が新鮮でした。普段は全く読まないのですが、こういうのがライトノベルなのかな??
    最後のオチというか、持っていき方がすごく好きです。
    スロウハイツを読んだ方は絶対読むべき。

  • 辻村深月さんの「スロウハイツの神様」に登場するチヨダコーキのデビュー作品「VTR」読了。『マーダーライセンス』政府公認の暗殺リストをもとに暗殺が繰り広げられる世界の物語。成績優秀な美女アール(R)、そのヒモのティー(T)による優しさ漂う不思議な恋愛小説。「スロウハイツの神様」の内容が反映されてます。解説が赤羽環さんなんです。チヨダコーキへの好意が綴られていて楽しい♪辻村さん好きな人は読んでみる価値ありですよ。

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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻村深月の作品

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