新装版 たのしいムーミン一家 (講談社文庫) [Kindle]

著者 :
制作 : トーベ・ヤンソン 
  • 講談社
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本棚登録 : 138
感想 : 13
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感想・レビュー・書評

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  • 人生の寂しさを知っている人が書く、やさしいうそに満ちたハッピーエンド。

    ~~~
     ムーミンパパは、ふつうの子どもとはすこしちがっていて、だれにも愛してもらえなかったのでした。大きくなってからも、おなじことでした。あらゆる意味で、おそろしい日々を送ってきたのです。
     パパは書きに書きました――ぼくの話を読んだら、だれだってなみだをこぼずだろう、そんなことを思いながら。そのことがまたパパを元気づけました。そこでムーミンパパは、自分で自分にいいました。
    「きっと、みんながよろこんでくれるぞ」
    ~~~

    こんな気持ちで彼女はムーミンを書いていたのだと思う。

  • 「ムーミン谷の彗星」に続けて読んでみました。タイトルほどたのしい雰囲気ではありませんでしたが(笑)、重い不安につつまれた前作よりはだいぶ明るい感じでした。魔法使いの帽子を見つけるところから始まって、さまざまなエピソードがあります。「飛行おに」や「トフスランとビフスラン」「モラン」などの新しいキャラクターも登場します。裁判のシーンでスノークがカツラをかぶりますが、アニメのスノークはここからきたのかと納得しました。トフスランとビフスランは身勝手なキャラのように思いましたが、最後に飛行おにに叶えてもらう願い事がよかったです。モランはちょっとかわいそうでした。
    前作と同じく挿絵がすばらしいです。序盤でムーミントロールが帽子のせいで、変わり果てた姿になるのですが、その場面の挿絵がなかったのが残念でした。

  • 楽しく読めた。前作の『彗星』は薄暗い背景が特徴的で、本作も謎の帽子が薄暗い背景を作り、どことなく不安にさせる一方、様々なエピソードがキャラクターの魅力を語っている。エピソードは雑多な印象もあったが、終盤で結構まとまる。意外。

  • 文庫版で買ってたのにやっと読んだ…。非を打つなんてとんでもない、最高です。
    自分にとってムーミンといえばアニメ版「楽しいムーミン一家」(1990~)で、これには非常に思い入れがあって、いまでも、これからもずーっと好きに違いない。
    この原作とは多少設定が違うところもあるけど、やっぱり独特の時間の流れ、彼らの世界観はここに源流があるんだなあと。
    トーベ・ヤンソンの他作品や本書以前の「小さなトロールと大きな洪水」と「ムーミン谷の彗星」も既に持ってるので読むつもり。

著者プロフィール

文芸評論家・翻訳家。1906年鳥取県生まれ。高校卒業後、代用教員等を経て、岩波書店に入社。退社後、東北大学文学部で学ぶ。雑誌「近代文学」等の創刊に参加し、日本女子大学教授をつとめる。北欧文学に造詣が深く、ムーミン童話全集をはじめ、多くの作品を翻訳し、日本に紹介した。著書に『アンデルセンの生涯』(毎日出版文化賞受賞)、『山室静著作集』(平林たい子賞)など多数。2000年逝去。

「2020年 『ムーミン全集[新版]6 ムーミン谷の仲間たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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