新装版 ムーミン谷の夏まつり (講談社文庫) [Kindle]

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制作 : トーベ・ヤンソン  下村隆一 
  • 講談社 (2011年5月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (194ページ)

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新装版 ムーミン谷の夏まつり (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 解説で冨原眞弓さんが書かれているとおり、「この世は舞台、ひとはみな役者」ってことを教えてくれます。

  • ムーミンシリーズ小説のユルいストーリー展開に、ようやく慣れてきた感があります。
    一応長編もので、全体を貫くあらすじというものはあるのだが、目が離せない!みたいな求心力はなくて(少なくとも私にとっては)、前に読んだときから時間が空くと、そこまでの内容の記憶はつい曖昧になってしまう。
    そのため、「なんかダレてきたな、つまんないかな」って一瞬思わなくもないのだが、でも断片断片のエピソードは可愛くて面白いのでなんとなく読み進める。
    すると、風景描写だったり、キャラクターの振る舞いだったり、はっとする一言だったり、そういうものに知らず知らず魅了されていて、「やっぱり面白かったなあ、次も読もう…」という気持ちになっている。そんなパターンでここまで来ています。

    以下、備忘あらすじ。

    『~夏まつり』は、火山の噴火と洪水から始まります(ムーミン谷はなかなか災害の多い地域ですね)。
    ムーミン屋敷もたっぷり浸水してしまいますが、ムーミンたちは案外楽しそう。二階の床にドリルで穴を開け、すっかり海と化した台所に潜っていって朝食を採ってくるのです。このへんからワクワク全開です。

    そしてムーミンたちは、漂流してきた新しい仲間たちと一緒に、プカプカうかぶ新しい家に移り住みます。彼らが化け物屋敷だと思っていた風変わりなその家は実は劇場小屋で、劇場なんてものを全く知らないムーミン一家の面々と、劇場主のエンマさんとが驚きの対面を果たします。

    ある晩、ムーミントロールとスノークのお嬢さんが近くの木の上で眠りたいといって劇場を離れると、その晩のうちに劇場はどこかへ流れていってしまって、ふたりはママたちと離ればなれ。

    そしてちびのミイも、飛び込んだ穴から外に流されてしまい単独行動。それについて姉のミムラは、「あの子のことよりもあの子と偶然出会った人のことが心配だわ」と述べるのですが、その不幸な人はなんと旅帰りのスナフキン。
    スナフキンは、「~するべからず」の好きな公園番を懲らしめるという大事な用事をミイと共に果たし、公園で縮こまっていた24人の捨て子たちを連れてぞろぞろとムーミン谷を目指します。子どもたちに大層慕われながらも、戸惑いつつ子どもたち(とミイ)の世話に手を焼くスナフキンも見もの。

    一方、劇場では、いなくなったムーミントロールたちのことを思いながらも前向きに、希望をもって、ママたちは夏まつりの日にやるお芝居の練習をしています。チラシを配ってお芝居の日を宣伝すれば、ムーミントロールたちも見に来れるのではないかというわけです。

    すったもんだの末みんなはめでたく再会。演劇に目覚めた幾人かを残して、一家はムーミン屋敷を目指します。いくぶん水の引いてきた花咲くムーミン谷を、船で進むシーンは穏やかで幻想的です。

    懐かしの我が家にたどり着くと、何もかもが元通り。多少使えなくなった家具はあるけれども、回り舞台のある劇場暮らしや数々の大冒険も楽しかったけれども、やっぱりここが一番なのだとしみじみと感じるのでした。

    物語の初めと終わりに、ムーミントロールとムーミンママとのある素敵なやりとりが、きれいに対称をなして描かれます。いつもの夏が戻ってきました。

    おしまい。

  • 子供の頃、台風などの非常時などには、怖いという思いもあるけど、どこか日常と違うという妙な興奮で密かにワクワクしてしまったものだが、そんなワクワクと似たような楽しさをあじわえた。
    木の上で取り残されてしまったムーミントロールとスノークのおじょうさんの会話など、大人の恋人同士の会話に引けを取らないほどおしゃれでで甘くて、まいってしまった。スナフキンの今時の言葉で言うところのカッコイイ味のある"イクメン”ぶりにもうなってしまった。演劇を演じることで、ムーミン達は自然災害から来る幾多の困難を乗り越えて明るい結末を迎えたけれど、何かそんなところが哲学的でもあって、大人のための童話だとしみじみ思う。

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