新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫) [Kindle]

著者 :
制作 : トーベ・ヤンソン 
  • 講談社
3.77
  • (9)
  • (17)
  • (15)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 200
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (264ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ・平気の平左 《「平気の平左衛門(へいざえもん)」の略》平気であることを、語呂を合わせて人名のように言った言葉。

  • アニメ「たのしいムーミン一家」でムーミンの世界にハマった者からすると、やはり初期の作品は雰囲気が全然違うな、と思った。アニメでは「ムーミン谷は事件が起きなすぎて所長さんの仕事がなくなる」といったこともありましたが、今作でみてみるととんでもない。事件も事件、大変な事件が起きています。
    何も事前知識がないままに読み始めたので、今作がスナフキンやフローレン、スノーク初登場作品であることに驚きました。
    個人的に好きだったのは、スナフキンからフローレンの話を聞いたムーミンが「女の子はばかだよ」といったことを言った直後、夢の中でフローレンにお花をプレゼントしていた、という場面。内心自分と似た姿の女の子が気になって仕方なかったんだろうなあ。二人が結ばれるのは出会う前から決まっていたことなのかな、とも思ってしまいます。
    スナフキンの物に対する執着の無さもすごくいいなと思いました。新しくズボンを買おうか迷う場面で「新しく物を持つことはおそろしい」と言っている彼の台詞も一理ある気がします。

  • ストーリーを楽しむというより、各々のキャラクターを楽しむ作品でした。
    初めて彗星に遭遇したムーミンが仲間たちと旅したり、新しい友人ができたり。色んな出来事があるたびにキャラクターの性格がわかりやすくでていて、とても楽しく読めました!
    アニメを見ていた私は有名なスナフキンやスノークのおじょうさんとの出会いを読むことができて、とてもよかったと思います。

  • 基本キャラがみんな天然ですよね(^-^; 彗星がもうすぐぶつかる!っていうのに ムーミンママはケーキ焼いてるし。 なんかみんな幸せそうでいいですよね~。

  • ムーミン谷シリーズ、可愛い箱庭ゲームをより楽しむために、読み直し続行中です。

    この「ムーミン谷の彗星」、こどもの頃に読んだときの印象は、
    おなじみのキャラクターが出てはくるけれども全体的にとにかく暗~い、重た~い闇に包まれていて、「楽しい」んだか「悲しい」んだかよくわからない…
    というものでした。
    そもそも「彗星」が何なのか、私はわかっていたのか??疑問です。

    いま読み直してみて、その印象は間違ってはいなかったのだなと思いました。でも、あの頃には味わえていなかった魅力があるじゃないか!ということに気付いてちょっと興奮しています。
    (そしてゲームの方も、けっこう細かいところ小説に忠実のようで、ますます楽しめそうです!)

    (以下、ネタバレしちゃったらごめんなさい。)
    何が起こるのかというと、地球に彗星が近づいているのです。天文学者たちの功績によって、何月何日の何時何分に衝突するのかということも、誤差4秒という正確さではっきりしているのです。ムーミントロール(=ムーミンのこと)たちがそれを知った時点で、残り時間はあと五日(四日だったっけ?)。さてさてどうしましょう、というお話。
    ムーミン一家の他、ちびのスニフ、旅人スナフキン、スノークとその妹、ヘムル、じゃこうねずみ、といったキャラクターたちが登場するのですが、この地球滅亡の危機に際して各人様々な態度をとるのがたいへん面白いのです。

    広大な宇宙にとってみれば、自分が死ぬことなんてどうってことないのだと虚無的になる(ようなポーズをとりながらなんだかんだいって助かろうとする)者、

    どうするべきか会議を開いて考えよう、僕が議長と書記をやるが異存はないか、とやたらと議論したがる者、

    彗星のことは見たり考えたりしないことにして、自分をいちばん美しく見せるのは何色の花かということにこだわり続ける者、

    まだ見ぬ運命の女性にめぐりあってプレゼントを贈ってダンスを踊るために邁進する者、

    落ち着き払って息子のためにデコレーションケーキを作って待つ者、

    見つけた子猫が自分になついてくれるかどうかしきりに心配する者、

    終始一貫、彗星のことは気にも留めず、コレクションの切手のことだけを考える者・・・

    スナフキン初登場シーンや、ムーミントロールとスノークのお嬢さんとの出会いなど、人気キャラクターのみどころも満載ですが、すねるスニフや、理屈屋のスノーク兄の活躍もかなり面白いです。

    個人的には、ことあるごとに「横線か升目の入ったノート」を所望したり、引っ越しの段取りをまかされて「幸せいっぱい」になったりするスノーク兄に、おおいに笑いました。
    またスニフは、昔見たアニメではムーミンより図体の大きい困った弱虫という扱いでしたが、原作ではとにかく「小さい生き物」であるらしく、体の大きさの問題かどうかはわかりませんが、困った弱虫には変わりないものの、可愛い感じで、ずいぶんイメージが違いました。

    さて、彗星は、ムーミン谷は、地球はどうなったの?というところは読んでみてのお楽しみということにして、なんとまあみんな、淡々としているんだろう。
    随所随所で冒険はあって、はらはらしたりパニックになったりもするのだけど、彗星衝突という迫り来る(しかし避けられない)恐怖に対しては、もちろん怖いけど、必要以上に騒いでもしょうがないし、さあそろそろお夕飯にしましょうか、こうして今日という日も終わっていくね、という落ち着きが、全体に満ちていました。
    これがアメリカ映画だったら、愛・そして生きるために死ねますか、みたいなことになりそうなものですが、そういう盛り上げはなしで、じりじりと進みます。

    フィンランドといえば、ムーミン、キシリトール、サルミヤッキ、カウリスマキ、くらいしか知りませんが、暗くて淡白でくすっと笑えるところは、カウリスマキの映画に少し似ていたように思います。

  • 挿絵がかわいい

    が 改めて思う

    ムーミンて…なに…?

  • 小さな生き物が壮大な冒険をしていく姿が可愛くも、勇敢だとも感じます。
    ところどころ、登場人物たちがどうでもいいように呟くのに心に残る発言が、疲れている時なんかにはとても目にとまって考えさせられる作品です。

  • 『小さなトロールと大きな洪水』が出るまで、長くムーミンシリーズの第一作となっていた作品。
    スニフやスナフキンなどのお馴染みの仲間達が登場します。
    ムーミン谷に彗星が衝突する大ピンチ!?なのにも関わらず、どこかのんきなムーミン達に癒されます。

  • 請求記号・949.83/Ja
    資料ID・310007577

全22件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

翻訳家。1929年、大阪市生まれ。東京大学経済学部2年生時、結核性脳髄炎を発症。一部麻痺が残り、薬の副作用による障害もかかえながら、スウェーデン語を独学で学び、翻訳を始める。翻訳が評価され、スウェーデンのルンド大学から招待を受け、留学。1969年に事故で急逝するまで、ほかにも『ムーミン谷の夏まつり』『長くつ下のピッピ』などを翻訳した。

「2019年 『ムーミン全集[新版]4 ムーミン谷の夏まつり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

下村隆一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×