犬はどこだ [Kindle]

著者 :
  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  • ラストにぞわぞわしちゃうミステリー。
    めっちゃ面白かった〜!

    主人公は訳あって東京から地元に引き揚げてきた紺屋。犬探し専門の調査事務所を開業する。
    開業初日にいきなり依頼人が来て人探しを頼まれる。
    さらに神社に保管されてる古文書を読み解いてほしいという依頼が。そこへ剣道部の後輩が探偵になりたい!と押しかけてきて2人で分担して調査開始。

    依頼を受けた2つの調査が終盤に上手く絡んで、緊迫した状況に...

    コミカルな文章で軽い読み心地なのに、終盤からの恐い展開がスリリングで、一気に読んでしまいます。
    さすが米澤穂信!

    15年前の作品なんだけど、続編あったらいいのに〜

  • そんなに期待していなかったので、まさかの面白さだった。結構笑った。探偵もの(なのか?)で、こんなに笑ったのは初めてかもしれない。
    ちょっとしたどんでん返しも良いし、最後の気味の悪さも良い。
    主要な登場人物が皆キャラがたってて好感が持てるんだが、トレンチコートとドライマティーニとリボルバーの探偵に憧れるハンペーが特に良い。
    『村の古文書とは存在する位相がずれている』で吹き出してしまった。
    シリーズ化、まだぁー?

  • なんか淡々とした ちょっと眠くなるような調子で始まるお話し

    探偵事務所をだしたばっかりだからね!

    なんて思ってたら 野犬にかまれ

    だんだん主人公の生きる力が取り戻されていく。

    ネットも怖いけど ネットのストーカーも怖い。

    そのストーカーを 消そうとする おとなしい女も怖い。

    結末は知った上で なかったことにする おとなしい探偵も怖い。

    最後にぐっと盛り上がる話しでした。

    それまで 長々と中世の村の歴史なんて なんのこっちゃい!と思ったものが形になっていく。

    パズルみたいに組み立てられた話しです。

  • 「満願」「王とサーカス」でしか知らなかった著者のミステリ
    順調に社会人してたやや優秀の普通の男がそれなりに薄く自分勝手にうまく描かれている
    軽薄そうで誠実な後輩や
    肝心なところでしっかりした妹夫婦に頼るのもありありで「こんな人いるな~」

  • 犬を探す調査事務所を始めたのに、失踪した女性を捜す依頼が舞い込んできた。女性に一体なにがあったのか??

  • 米澤作品はどれも最後のどんでん返しが面白いが、この物語のラストはいままで読んだ米澤作品の中で2番目にゾッとした。

  • 都会での暮らしを諦め帰ってきた田舎で始めた迷子犬調査事務所。しかし持ち込まれたのは都会に出た孫娘探しと古文書解読という畑違いの依頼だった。仕事や都会での暮らしなど“今”を失いたくない彼女の心情も理解できるだけに結末に思いは複雑。と同時にデジタルのコワさも。

  • 銀行を退職し、新たに犬探し専門の事務所を開いた主人公。だが最初に持ち込まれた事件は人捜し、その次は古文書の解読だった。犬はどこだ?

    推理小説というよりはミステリー寄り。答えに辿り着くためのヒントは話の進行と共に少しずつ明かされ、伏線もそれほど多くはない。だが「先が読めた」と途中で飽きて放り出すのはもったいない。終わりが近づくにつれ高まる緊張感と、最後のタイトル回収は実にお見事。なるほど、"犬"ってそういうことか。

    この話にはこのタイトル以外ありえない、そう思わせる本だ。

  • 軽く読めるミステリ。キャラが立ってたけど続編はないようで残念。本作はちょっと若竹七海風?

  • 2014/9/4 AmazonのSaleでダウンロード(799円を360円)。
    2020/8/26〜8/29

    米澤氏が高校生を離れて書いた最初の作品。身体を壊して、故郷に戻って犬専門の探偵事務所「紺屋S&R」を開いた紺屋長一郎。開所早々、飛び込んできた依頼は、人探しと古文書調査であった。仕方なく依頼を受けて動き始めた紺屋であったが、思わぬ展開に巻き込まれる。
    二つの依頼が有機的に結びつく展開は見事。S&Rシリーズの第1作、とのことだが、後続作品は出ていないそう。せっかくのキャラなのにもったいないなあ。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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