評価と贈与の経済学 [Kindle]

  • 株式会社のぞみ
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感想・レビュー・書評

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  • 岡田斗司夫と内田樹の対談本。
    7章だてになっているが、最初の3-4章は、内田樹の方があまり話に乗っていない感じがする。口数が少ない。その後は、いつものような饒舌な内田樹になるが、それでも、岡田斗司夫と内田樹の話は、微妙にかみ合っていない感じがする。
    内田樹は、学者であり、「ものを考えるプロ」だ。学者というのは、自分の専門分野でこれまで誰も考えたことのない問題を考えだして、その問題に対しての答えを考えることを生業にしている。設定する問題とか、答えの出し方にオリジナリティ・独創性が要求されるが、そこに至るまでの道筋の進み方には、共通的な作法、プロとしての物事の考え方の方法論があり、それを身に付けている人たちであると、私は思っている。内田樹の本が面白いのは、というか、薄っぺらさを感じないのは、ものを考える方法論がプロらしく確立されているからだと思う。
    プロとアマチュアの対談という印象の本だった。

  • ・新たな共同体(家族とはまた違うもの)で生きていく必要がでてくる
    ・そのためには「良い人」であることが重要になってくる
    ・家入さんのLiver邸とかと通じるものがある
    ・とにかく他人にGiveして、いつか戻ってくるかもしれない
    ・もうお金稼いで、幸せに暮らすのは難しくなってくるから、人とのつながりをつくって(=新たな共同体)、助けあって(=Giveしあって)、生きていくのがこれからの生存戦略かもね。って話。

  • 内田樹と岡田斗司夫が打てば響く対談をしている.
    どちらも「贈与」の大切さをこんこんと説いており、最終的に「得」するのは贈与する側なのである.
    自分の成長のため、折り合いのついた未来を作っていくのには自分がパッサーになるべきなのである.
    自己決定/自己責任でセイフティネットが働かない社会だと、そりゃ落ちていく人間が増えるわなあ.

  • 影響を受けたお二人の対談となれば当然読むでしょう。

    岡田斗司夫さんの評価経済。着実に進行してるであろう2022年。YouTubeで、「美しさ」が価値基準となる的なことをおっしゃってた気がするんだが、私的にはまだちょいそこに納得して落ちてくるものがない。

    美しさって、共通認識として持てるものなのか?と言う疑問があるためかと思われる。

    ある程度は。と、私は思う。ある程度で成り立つくらいの「美しさ」でいいのか、という疑問なのかも。

    あぁ、故に岡田さんの考える「美しさ」と、私の考えるそれは同じなのか分からないのだと。

    自分じゃどうしよもないところで、世界が目に見えて変わっていくのを感じる。今までにない感じ。何だろう?今までは、選択の余地があった、少なくともそんな気がした、それがない感じ。大きなうねりの前に、なすすべがないとも言うべきか。

    それだけ私は、いつの間にか一つの場所に根を張ってしまったのかもしれない。

    そこについて近々、また考察を入れられれば、と思う。

  • おもしろい。
    個人的には内田先生の対談本のなかで一番好きかもしれない。
    (養老先生や鷲田先生、岩田健太郎先生、高橋源一郎etcとの対談本の好きだけれど。そういえば『若マル』は文庫化しないのか)

    実際に対談が行われたのは2011年で、今から10年前のことなんだけれど、今でも十分におもしろい。
    こういう本が絶版になってしまっていて「知る人ぞ知る」になってしまっているのは残念。電子化はされているみたいだけれど、電子化された本って「向こうから手招きされる」ってことが(あんまり)ない気がする。
    なんか本って自分から選ぶもの、じゃなくて、本の方から手招きされるって感覚がどこかにある。
    本好きの人になら分かってもらえると思うけれど。
    この本に招かれるべき人ってけっこう多いと思うのだけれど、そういう機会ってやっぱり書店や図書館の本棚に並んでいてこそ巡り合えるような気がするのです。

    古いのかなあ。

    とにかくおもしろかったです。

  • 内田樹さんと岡田斗司夫さんの対談をまとめたものです。
    人は皆、誰かから贈与されたものを受け取って生きていて、そしてまた誰かに贈与をしていき後世に繋げていくのが大事。
    そして、何かをしたことの対価をその場で受け取ろうとせず、いずれどこかで巡り巡って思わぬ場所からご褒美が降りてくると思うと、毎日毎日せかせかして、毎日毎日なにかの成果を出していこうとする気持ちから抜け出せそうな気がする。

  • ・原始の状態が、身体性。
    ・マスメディアがなくなると、対話の共通基盤が失われてしまう。

    ・身体が嫌がる。そういう嫌な状況を我慢して続けていると、生物としての生命力が下がってくる。

    ・僕らは完全記録時代に生きている。

    ・仕事をしたい人が自らお金を払って、仕事をする権利を得る。
    ・僕は個人で上場したみたいなもの。
    ・社員の任期は3年。

    ○これ、面白いな~。

    ・一人の人間が働いて、複数の人間がそれに「ぶら下がる」
    ・チャンスに恵まれない人に、チャンスを提供する。
    ・「拡張型家族」
    ・人間の働く意味は、誰かを養うため。

    ・複数世界の自分をマネジメントしてる姿を見せるのが「素の自分」を見せている。

    ・知の非対称性があれば、それだけで学びは起動する。

    ・社会人というのは、スキル、ネットワーク、人柄の3要素からできている。
    ・ネットによって「いい人」であることがにじみ出ることが可能になった。

    ・贈与経済に軟着陸させていく。

    ・アメリカは実験国家。敬して遠ざけよう。

    ・教育に関しては楽観論者。人間は皆それぞれに豊かな潜在資源をもっている。それが何がきっかけで開花するかは予測できない。気長にじっくり待つしかない。

    ・夫婦は非対称な関係にあったほうがいい。
    ・男が結婚生活に求めているのは、安心して幼児化できる場。

  • 7年前に書かれた内容だが、一部日常化している内容もあって面白い。

  • ふむ

  • FREEexは面白い

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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