Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2016年 6/14 号 [世界の新潮流を読む ISISと中東]
- CCCメディアハウス (2016年6月7日発売)
- Amazon.co.jp ・雑誌
- / ISBN・EAN: 4910252520668
感想・レビュー・書評
-
ISの弱体化が進めば、欧米に攻撃を仕掛け始める可能性はある。自分の国が戦争中だと意識しているアメリカ人は少ないかもしれないが、米軍がテロISと戦っていることはたいていの人が知っている。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
p.10 中国は南シナ海にも防空識別圏を設定するのか
東南アジア各国が南シナ海において圧倒的軍事力を誇る中国に対し航空攻撃を仕掛ける可能性が低いにもかかわらず南シナ海にADIZを設定しようという動きを見せるのは、日本のように軍事的な警戒のためではなく、自らの主張を強調するための政治的意思表示としての意味があるとする。
確かに記事の述べることも一理ある。しかし、記事は中国が南シナ海でADIZを設定するなら、その意図は政治的なものであって軍事的な意味はないとするが、必ずしも軍事的な意味が無いとは言いきれないだろう。記事は南シナ海における軍事力について中国と東南アジアしか考慮していないが、そこに大きく関わっているのは東南アジアの空軍力ではなく、むしろ米国の軍事力だろう。そもそも中国が南シナ海を手中に収めたい理由の1つは戦略ミサイル原潜を遊弋させ、太平洋に進出させる通り道を求めてのことであり、アメリカがFONOP等でP-8等の対潜航空兵器も繰り出していることなど(日本もP-3Cをフィリピンに立ち寄らせた)も考え合わせると、南シナ海におけるADIZ設定があるとすれば、そこには対潜哨戒機などの米国軍用機の接近を阻止するという軍事的な意味も当然存在するのではないかと考えられる。