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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (276ページ)
感想・レビュー・書評
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山を登る人といい、星を見る人といい、高いところに行きたがる人はどこか詩人の感性を持ち合わせているものらしい。バッハの無伴奏チェロ組曲や、ビル・エバンスや、シャンソンを聴きながら、幽き星の瞬きに目を凝らすというのもなかなか乙だ。1972年の出版だから、およそ半世紀後の現在では天文台での観測方法もデータ解析もまるきり様変わりして、ずっと快適に、ずっと楽になっているのだろうと思いつつ、職人的な技法と忍耐で天空と向き合うというのもそれはそれで楽しいものだったのだろうと思う。
ぼくだけかも知れないが、寝る前に布団の中で読むと、退屈ではないのにあっという間に眠れるというなかなか貴重が一冊だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
岡山天体物理観測所での日記。軽やかな文体で非常に心地よく読めて、当時の天文観測におけるたくさんの作業や天候に振り回される様子、そして音楽、小説、料理、国際交流といった文化的な生活の様子が描かれている。
天文史、天文学で有名な話も沢山掲載されているが、数十年前と現在では表現が異なっていたり、現在では「歴史」の一部である内容が「現在」の出来事として語られているのが面白く、わくわくする。
この本は天文界隈ではなくて、創作界隈の人がオススメしていて知ったのだけれど、なるほど中身も創作者と相性が良さそうだった。
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