美術手帖 2013年 05月号 [雑誌]

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制作 : 美術手帖編集部 
  • 美術出版社 (2013年4月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910076110533

美術手帖 2013年 05月号 [雑誌]の感想・レビュー・書評

  • 音楽ならモーツアルト、哲学ならばサルトルなど、天才、の名をほしいままにする人は確かに存在する。

    ここで紹介されるラファエロは、まさにルネサンスの天才画家。コピーに偽りなし。ただし天才は画家につくだけではなく、むしろ経営者としてのではないか、なんて思ったり。


    美術手帖って本当に、値段(定価1600円)に見合う、リッチな作りだなぁといつも思う。少しコンパクトなつくりなのでグラフィックのダイナミズムは他の大判の雑誌の特集が来ると少し劣るかもしれないけれど、なんだろう、発色がいつもよくて、小さいのにみっちりと重厚な感じがして個人的には一押しの美術雑誌だ。

    個人的にはラファエロって、甘い砂糖菓子みたいなイメージが強く、好きだけどあくがないな、って思っていた。ルーベンスとかレンブラントのほうが少し、野趣あふれる感じで好み。なんて。ラファエロがダビンチ・ミケランジェロに並ぶ盛期ルネサンスの三傑に数えられるけれど、後者二人に比べると、そうか?なんて失礼ながら思っていた。

    今回はラファエロの魅力がばんばん、これでもか状態で解体されるからごろうじろ。キーワードで、語り口調で、マンガで、資料で、美術手帖はこのへん、さすが慣れてる~。


    でもラファエロさん、あれね、この人は37歳で死んでいるのね。これは大きなポイントだと思われる。というのは当時の画家は強いパトロンをもってその威力で有名になるもので(そりゃそうだよネットとかへたすりゃ本だってないんだから、有名になるためには強力なバックアップがなければ経済的に描けるわけがないもの)、つまりはある程度生産力がないとだめなわけなのだ。若いうちに死んでしまったら作品を量産できたわけないし・・と思ったらさにあらず。

    実際の彼の「描いていた」期間はそう長くはなく、キャリア初期・フィレンツェ絵画の影響を残す第二期(4年間)・死去するまでに二人のローマ教皇のサポートを受けていた第三期(12年間)なのだが、ラファエロは異例なほどに大規模な工房を経営しており、37歳という若さで死去したとは考えられないほどに多数の作品を制作したらしい。彼の生涯を追ったヴァザーリの著作によればラファエロの工房には50名の弟子や助手がいて、またその技術水準も群を抜いていたとのこと。一種の下請け状態が成り立っていたとの説もある。ただし残念ながらその工房内の仕事分担についての記述は非常に少ないとか。

    ヴァザーリいわく、ラファエロは非常に協調的で、効率よい工房経営の手腕があり、パトロンや助手たちを統括する驚くべき技量を有していたとしている。いってみれば非常にバランス感覚の取れた実業家。ちなみに先ほどの三傑のミケランジェロは、常にパトロンや助手と仲違いしていたそうで、いわゆるゲイジュツ肌だったことも触れられている。芸術家って、あたしの偏見かもしれないけど、後者が多いよね。


    また実際の「描く技術」についても、ラファエロのドローイング技術:描く力は、人体の把握力、表現力と共に、物語を的確に叙述する力もあったことがつまびらかにされる。たしかに。この辺の丁寧な掘り出し方には思わず膝ウチ。デッサンもいくつか紹介されていて、いやでも、これ、うまれつきの才能じゃないの?と、習作のあまりの完成度に思ったのだけれど。


    ちなみに蛇足だが、「フランダースの犬」で主人公のネロが死に瀕して見たがっていた、アントウェルペン大聖堂の絵画である『キリスト昇架』と『キリスト降架』の作者も、ネロが祈りを捧げていたアントウェルペン大聖堂のマリア『聖母被昇天』も、作者はルーベンスであり、彼も大きな工房の運営と、多作で知られている。

    今日はまったくオチのない、完全な備忘録ってことでご勘弁。


    ゲイジュツの高みに座する作品には時... 続きを読む

  • 特集はラファエロ!あー!もっと早く読んでラファエロ展見に行けば良かったー!イタリアで見られるラファエロの展示場所のマップも付いてたりして、この特集読んでて、すごく楽しかった!
    そんでラファエロってキャラとかエピソードも良いなー!好きだー!

  • ラファエロ展に行く前に読んだ本。

    ルネサンス期の代表的な人物の1人である
    ラファエロについて興味ある方、
    ラファエロ展に行く前にも!

    ラフェエロの絵についての解説だったり、
    人となりについても言及されている。

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