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感想・レビュー・書評
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ディックの作品は何作か読んだことがあり、こちらの作品も評価が高いようなので読んでみた。
個人的には他の作品に比べると読みやすかった
これは期待できると思っていたが最後のほうは失速
よく分からないままに終わってしまった
読了後様々なサイトで解説を読み、自分の解釈と大きな違いが無いことがわかった。
んー私にはハマらなかったな。
もう一度読んだら印象変わるのかな?と気になるけどもう一度読むのは腰が重い。
まあでも何も考えずにスラスラと楽しく読めたので評価は3で。
ハヤカワの装丁カッコいいから揃えようと思ってたけど、今後もディックの作品を読み続けられるか怪しくなってきたな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3.1
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インパクトがあるが中身を全く想像できないタイトル。
それゆえ昔から知ってはいたが、私は特にSF好きというわけではないので、いや読むのは好きなのだが、周辺知識がないので、この本がどういう話なのか、全く知らないまま読み始めた。
そしてのけぞった。すんげえ、この小説。
フィリップ・K・ディックはもちろん知っているし、何冊か読んだことがありどれもすごい面白かったが、こんなすごい本だったとは。
舞台も物語も面白い。人物描写も引き込まれる。
一番良かったのは、やはりラストシーンだ。最後にタイトルを回収するのか。バックマンがモンゴメリーを包容するシーンは泣いた。読み終わったあとにもう一度そこを読み返してまた泣いてしまった。
世の中に、こんな物語があるのか! なんてすごいんだ。 -
SFって何だろう。
ある日突然タヴァナーは見知らぬ世界に放り出される。何が一体起こったのか? その謎を追いかけるSFを読んでいるんだと思ったのに、それは主題ではない。
喪失は愛の一部であるということ。失ったものと自分を結びつけるために、涙は流れる。
キャシィとメアリーも印象的だったけれど、私の中ではルースが愛のサイクルを語る場面がピークだった。
無感情がちなスィックスとの対比で人間たちは脆く醜く近しく感じる。その効果はさすが。 -
ディック作品には珍しくない、実世界を失った男の話。
もともとの世界の多少の不可解さや、新しい世界での登場人物の変化なども、「ああ、ディックだな」と思える作品。
しかし、その世界を失った理由が割とはっきりわかるのは珍しいかも。最後は結構感情的な物語です。本作のダンディズムは古典的だな、と思いました。そういう部分は、日本も欧米も共通なのかもしれません。