本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (418ページ)
感想・レビュー・書評
-
第15回(2015/5/16)大四次之会 課題テーマ「苦手な恋愛小説への挑戦」にてチョイス。選択理由は、直木賞受賞作であったこと、恋愛小説のカテゴリに属しながらホワイダニットのミステリでもあったこと、Kindle本が存在したこと。挑戦としては長編だったが、読了できたのはおそらく以上の理由に助けられたからだろう。
思いのほか読みやすかったが、そのわりにどうしてか登場人物の誰にも共感できず、登場人物の誰にも魅力を感じられなかった。主人公と片瀬夫婦の関係は明らかに異質で、誰もが容易に共感できるものではないと思われるが、当然わたしは置いてけぼりにされた。回想編布美子の年齢は、憧れる対象に影響されやすいのか。片瀬夫婦を失ったら生きていかれないなど思い込んだら仕方ない。自分たちの世界が壊されるのが嫌で猟銃を持ち出してしまうんだもの。それにしても、彼女が裁判でも打ち明けなかった事件の真相というのに、期待をし過ぎてガッカリしてしまった。
主人公に感情移入して物語の世界に入り込むことができず、客観的にも主人公の恋の行方に対して興味が持てないわたしは、やはり恋愛小説を楽しめないのかも知れないが、もう少し他の本も読んでみようと思うくらいには興味が持てた。ひとまず次は三島由紀夫の通俗小説を読もうかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示