『惡の華』Blu-ray 第一巻

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監督 : 長濱博史 
出演 : 植田慎一郎  伊瀬茉莉也  日笠陽子  松崎克俊  浜添伸也 
制作 : 島村秀一  押見修造  伊丹あき  ZEXCS 
  • キングレコード (2013年8月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988003819545

『惡の華』Blu-ray 第一巻の感想・レビュー・書評

  • 備忘録に。

    終った……アニメ13話。虚脱。

    原作の(そこそこコミカルにして)切実なところを、うまくうまく切り取って、アニメ化。(ロトスコープ)
    基本的には原作通りだが、
    実写キャストも、声キャストも、演出も、作画起こしも、音楽も、すべてが相乗効果となって原作を「倍加」している。
    アニメにしてロトスコープにしてという幾重にもくるまれたなかで、「演技」の凄まじさがびんびん伝わってきた。

    13話はあんな終わりかた(?)だったが、二期、あるいは、DVD化、あるいは、ネット配信を期待して。

  • 思春期特有の精神的彷徨と自我の行方を「絶望」というテーマにそって描かれたもの。週刊少年マガジンにて原作漫画が連載された作品をアニメ化した。テレビアニメは史上初の全編ロトスコープを用いているため、原作とは違う実写タッチの絵である。

    クラスの美少女・佐伯奈々子に密かに思いを寄せる少年・春日高男。
    ある日の放課後に出来心で彼女の体操着を盗んだが、その様子はクラスの嫌われ者の少女・仲村佐和に目撃されてしまっていた。
    そのことから、契約関係を結ばされ、仲村からの無茶な要求に翻弄されていく。
    しかし、意外なきっかけで佐伯と春日は付き合うようになるが、恋心と背徳感の間で罪の意識と矛盾に苛まれる。やがて、佐伯自身も内に秘めた意思を表し始める。


    最初は独特な実写作品のような絵とエンディングに不気味さを感じ、正直『なんなんだ、これは!』と戸惑いを隠せなかった。しかし!話数を増すごとに引き込まれていくアニメだと思う。
    正直エンディング曲だけじゃなくて、オープニング曲も異彩を放ってたというか聴けば聴くほどクセになる。内容も同様に見れば見るほどその世界観にハマっていきそうなクセのある作品だと思う。
    何より、アニメ史上初の全編ロトスコープ!!
    原作と絵は違うし、本当にリアルな実写作品のような特殊な絵柄に不気味さがありつつも味があって良かったのだろう。とにかく印象深い作品で一度見たら記憶に植え付けられるようなそんな作品。
    ぜひ原作の高校編も同じように見てみたい。

  • こんな凄いアニメ・・・よく放送できたなぁ~って思います。
    これ、まじトラウマアニメになりますよ(笑)
    「惡の華」といえば、ボードレールの詩集です。私も経験ありますよ。よくわかっていないのに、「退廃的」とか「耽美的」なものに憧れた時期が。
    それにしても、このアニメは不条理青春アニメといいますか、主人公の女の子・仲村さんが凄まじすぎるんです。
    「惡の華」の詩集が好きな男子・春日くんには好きなクラスメイト・佐伯さんがいて、放課後、誰もいない教室で偶然見てしまった佐伯さんの体操着を盗んでしまいます。
    そう!惡の華が咲いた瞬間でした。
    それを仲村さんに目撃され、仲村さんの酷い仕打ちが始まるという・・・。
    1話を観た時、ただ茫然となってしまいましたよ、私(笑)
    気持ち悪いんだけど・・・観たい!と、不思議な感情に捕われました。
    しばらくの間、「クソムシ」っていう言葉も流行りましたよね。
    この作品は初めてのロトスコープ(モデルの動きをカメラで撮影し、それをトレースしてアニメーションにする手法)で製作され、画像もなんか不思議な感じがしました。
    絵も独特で、佐伯さん以外はおブスでしたね(笑)。
    あと、エンディングテーマの「花 -a last flower-」という曲にも、なんかハマっちゃいましたねぇ。これまた奇妙な感じなんですけど。
    この作品では中学編まででした。漫画では高校編まであるそうなぁ。
    秘かに、続きが観たいなぁ~と思います。
    きっと・・・仲村さんみたいな人がいつか、「人を殺してみたかった。」とか言って殺人をするんじゃないかなぁ~なんて漠然と思っちゃいましたね~。<br>
    うぅ・・☆付けが難しい(笑)。毎週ドキドキしながら楽しみにもしていたしなぁ~。きっと好きだったんだと思うので、☆4つしちゃいます!あはは

  • おもしろすぎて2日で一気に全話見てしまいました。実写をわざわざアニメーションに落とし込む、ロトスコープという珍しい技法でつくられたアニメなのですが、思春期の少年少女たちの、エグい内面を描くのにはもってこいの技法で、作品を見ながら、自分の青春時代を思い返し、胸をえぐられるような気もちになった視聴者も多いのでは。敢えて実写ではなくロトスコープで描き切ることで、実写のキャストの持つであろう、その役者の「我」が削ぎ落とされ、かといってアニメほど抽象化、記号化、見る者の都合のいいように変換されてしまうことからも遠い、ヤラセ感もなければ美化したふうもない、リアルよりリアリティのある作品に仕上がっていたと思います。無駄のないリアリティがあった、と思います。
    音楽に関しても、コテコテの4種類のOPに、不穏すぎるEDが非常に落ち着かなくてよい(笑)映像表現とも相まって、始終落ち着かない空気を味わいました。ロトスコープ部分だけでなく、風景の描写なんかも非常によかった。さびれていて、大したことがなくて、閉鎖的で、置き去りにされた感じが、すごくよく出ていました。

    主人公の春日は、自分と周囲とはどこか違う、自分を特別視する自己愛の形を持った少年で、いつもボードレールの『悪の華』を持ち歩き、中学生には難しいであろう文学を読み散らかす日々を送って、心の中では周囲を見下し、クラスのアイドル佐伯に憧れる日々を送っています。
    一方、主人公をそれこそ悪の道に引きずり込む仲村は、嘘偽りだらけの薄っぺらいコミュニケーションを取り結び、なんちゃって学園生活を謳歌する、周囲のクラスメイトに馴染めない浮いた少女。彼女は社交辞令や思ってもいない言葉、きれいごと、そんなものにまみれた学園生活に嫌気がさし、周囲とのかかわりも自分から断ち、教師にも反抗的な態度をとっていますが、あるとき佐伯の体操服を拾ってしまい、周囲にそれがバレることを恐れた春日がそのまま体操服を盗んでしまう現場を目撃したことから、春日はきっと、そんな薄っぺらいコミュニケーションを結び、上っ面の付き合いを望む男なんかではない、自分と同じくクラスでも浮いているところはあるし、きっと自分と同じ、嘘偽りのない欲望のままに生きる人間であろうと思い込み、春日がそういう人間として振る舞うよう、身勝手な要求を突き付けはじめます。
    仲村のこの言動は、中学2年という、まだ幼く自己中心的なものの見方しかできない少女であるが故の、身勝手な投影に過ぎません。自分自身が世の中を見る視点、世の中に対して取りたいアクション、そういったものを、春日に身勝手に投影して、その通りに動かなければ徹底的に春日を追い詰める、そういう、自分と他人の境界の曖昧な人の採るやり口です。そして自我のまだ弱い春日は、仲村のそんな言動に流され、共感する部分もあるとはいえ、はるかに穏やかで、ささやかな自己愛の形をしていたはずが、途方もなく挑発的、背徳的、攻撃的な行動の実行犯になっていきます。
    中学2年という幼さを考えると、べつに仲村の言動も春日の言動もおかしくはないのですが、仲村の思う、嘘偽りのないあるがままの姿というのは、一切の抑圧を放棄した欲望のことで、ふつうこんな欲望をむき出しに生きている、一切の嘘偽りを放棄した、一切のペルソナを持たない人間は生きてはいけません。仲村のあり方はその意味で、馬鹿正直だし、不可能な生き方をしようとしている。そしてそんな不可能な生き方をしているから、周囲も敵だらけに見える。春日はもう少し大人なので、そうやって、人間が覆い隠している欲望をこそ真実だと思い込んでいる仲村に歩み寄りを見せますが、正直に言うと、そうやって春日がつきあってやろうがやるまいが、仲村が大人になるのを待つしか対処法はないように思うのですよね。
    春日のつきあうことになるクラ... 続きを読む

  • アニメ観終わった後じゃ原作が読めないくらい良かった

  • 『惡の華』、おもしれえなぁ・・・。
    最近の漫画やアニメはあまり詳しくないけど、
    後輩に薦められて観始めた。

    原作の方は未読。
    これもリンクレイター監督作と同じくロトスコープで、
    原作ファンには不評、賛否両論。
    原作の絵も見たので、その気持ちはすごくよくわかる。

    けど、もしあの絵をそのまま最近のアニメの絵にトランスレートしたとして
    「変態性」をあれほど的確に表現できただろうか。
    たぶん、普通に「気持ちの良い作品」に仕上がってしまったのではないか。
    アニメファンの枠の中だけに収まってしまったのではないか。
    その枠からはみ出せる作品になっただろうか。
    ASA-CHANGの曲とあわせて、最近はそう思うようになってきた。

    ASA-CHANGの「花」、懐かしかった。
    原曲を聴いたのはもう10年以上も前。
    どうも違うような違和感があったのだけど、
    バージョン違いで作品にあわせてUpToDateされているのかな。
    あの時期のあの曲を持ってくるとは・・・と感心して、
    実はそのセレクトにも意味があるはず。
    ASA-CHANGそして、の子、後藤まりこ・・・

    劇中で引用される文学。
    『悪の華』は置いとくとして、
    萩原朔太郎、金子光晴、ブルトン、ロートレアモン。
    名前は全員知っていたけど、「おっとせい」の内容ぐらいしか知らない。
    しかもロートレアモンは昨日『パーマネント・バケーション』で知ったばかり。
    だけど、彼らが引用される理由は「なんとなくわかる」。
    そこには絶対に意味があると思うのです。


    最後に、他の作品から引用してレビューを終わります。

    「おまえはなにだ!?」
    「はーっ、糞にございます」
    「糞とはなにだ!?」
    「はーっ、この世でいちばんきたなきものにございます」
    「おまえは正義か!?」
    「いいえ」
    「悪か!?」
    「いいえ」
    「なみだは出るか!?」
    「いいえ」
    「おまえに心はあるか!?」
    「ございません」

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