東京物語 小津安二郎生誕110年・ニューデジタルリマスター [Blu-ray]

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監督 : 小津安二郎 
出演 : 笠智衆  東山千栄子  原節子  杉村春子  山村聰 
  • 松竹 (2013年7月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105101890

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東京物語 小津安二郎生誕110年・ニューデジタルリマスター [Blu-ray]の感想・レビュー・書評

  •  龍安寺 石庭 

    '53年公開。拙レヴュー『人​情​紙​風​船』繋がりで・・・
    私にとって『七人の侍』と共に日本映画の双璧をなす極北―― 。
    拙レヴュー『去年マリエンバートで』以上に“龍安寺 石庭”を観想させ続ける ・・・
    文芸坐、並木座、三鷹オスカーだったっけ

    ・・・
    彼が紡ぎ、置く「物語」に身を委ねていたら ・・・

    戦死した次男昌二の嫁、紀子の アパート で昌二の遺影を見詰める、とみの後姿に突然!涙が溢れてきた(ナゼ!?)
    「いやァ もうとうに死んどるよ 8年にもなるんじゃもん」マダ ハチ ネン?

    「思いがけのう昌二のふとんに寝かしてもろうて ・・・」 ( TДT)グフゥ〜

    「直るよ・・・ 直る 直る・・・ 直るさァ・・・」
    「そうか・・・
     おしまいかのう・・・」

    早朝、住吉神社の石灯籠の前に一人佇む周吉。

    「いいえ そうなんです わたくしずるいんです―― 」

    ♪ 夕べの鐘
    昔の人 今やいずこ
     訪れ来て たたずめば
     黄昏ゆく 空をたどり
     通いて来る 鐘の声

     家鳩の羽ばたきに
     乱れて消ゆ 軒の妻
    みどりの風 岸をそよぐ・・・ ♪
    紀子の乗った汽車が驀進して行く――
    ・・・

    ――思っても見なかった衝撃、戦争に対してこんな表現があるとは ・・・ 絶句したっけ。
    暗喩する イメージ 、そ​の​裏​拍​を​取​れ​ば戦中、終戦、戦後が浮かびあがる。(サスガ!ウ○シ○ 軍ノ トウセイカ デ トッテ イタカラ?)

    戦後の日本を、日本人に寄り添いながらも
    「いいえ そうなんです わたくしずるいんです―― 」と ピシャリ!
    しかし、石灯籠の前に凛と佇む紀子――と​周​吉​。そして紀子の乗った汽車が驀進して行く シーン は日本の行く末を応援するかの様な――彼の眼差し。

    『麦秋('51)』『お茶漬の味('52)』『秋刀魚の味('62)』にも観て取れる。

    隣家の細君が窓の外から話をする――
    オープニング・シークエンス(とみと周吉)と エンディング・シークエンス(蚊取り線香と周吉)は切なく『人​情​紙​風​船』が黄泉還ってくる。


    「しょせん映画監督は、橋の下で菰をかぶり、客を引く女郎だよ。」'63年1月
    「映画作りは、ひとえに生活のため」川​島​雄​三の言葉と共に――生き残った者の ・・・。_ _)。oO ワリキレナイ。
    ( 46/54作 No. 1)

  • 「たかが世界の終わり」でムズムズするような家族のディスコミュニケーションを見せられ、こちらの作品をふと思い出した。

    老夫婦の周吉ととみが、東京に暮らす子供たちに会いに尾道から東京に訪れる数日間を描きながら、家族関係という絶対的な繋がりを持ってしても、時の流れとともに脆く希薄なものになってしまう残酷さをじわりじわりと見せつけられていく。

    これは勝手な思い込みだけど、1950年代の家族ってもっと親に対して丁寧な印象を受けたが、いまとちっとも変わらないことに少し衝撃を受けた。
    杉村春子演じる長女の冷淡さや、長男の両親に対する無関心さに、なんか心がずっとザワザワしてしまう。
    結婚して家族や仕事を持つことによって、大切だったはずの両親の存在が自分の人生にとって一番ではないないものとなり、逆に血の繋がりのない戦死した次男の嫁の紀子だけが、義両親を敬う姿に、大切な人を失った人だけが持つ慈愛の心を感じて、なにか切なかった。

    美しくて、よくできた嫁である、原節子演じる紀子像は世の中の理想の嫁の姿を描いているようで、最初は不自然さすら感じたが、ラストで周吉に自分の狡さや弱音を吐露する場面で一気に泣いた。

    始まりは淡々とあるがままの日常を描きながら、ラスト30分に誰の心にも響くように、作品の重みを乗せていく感じは小津安二郎監督が国外問わずに支持される理由なのだと思う。

    老夫婦と共に旅をするように今とは全く違う東京の街並みを観光したり、小津安二郎監督独特なカメラワークによって、わたしもあの時代の生活の一部となり、戦後間もないあの時期にタイムスリップできたような気分になれたことも、この作品の魅力の1つだったと思う。

    とにかく親を大切にしよう。そう思う今日この頃。

  • 日本映画史に残る名作中の名作。あらためて観れば、やはり素晴らしい。そして、原節子がなんしか美しい。劇場で観られる機会があればぜひ行きたいな。

  • そんなにいいか、これ。

  • BSプレミアム。
    広島・東京間を汽車で行く時代ですからね、家族のあり方は現代とは相当違うなあと。
    あまり目立たない大坂志朗さんのシーンが印象的なのは、彼が言う「墓に布団は着せられず」にある。
    他人であるはずの原さんがなぜ義母孝行をするのか、原さんの背景を語らずに悟らせる名シーンだなと思った。

  • 小津安二郎作品の代表作。
    1950年代の作品。尾道に住む老夫婦が、独立して東京に居を構える子供達を訪ねて東京へ旅行する話。
    60年前に作られたとは思えないほどよい出来だった。
    まず役者陣が醸しだす雰囲気が素晴らしい。田舎のゆっくりした時間の流れを見事に表現し、その場を経験していないのになぜか懐かしい雰囲気になる。また笠智衆の素朴な演技や原節子の美しさなど現代映画とは比べ物にならないくらい素晴らしい。また小津安二郎が拘りぬいたという構図の素晴らしさも目を引いた。写真にもなりそうな遠近感を活かした構図は、物語の要所要所で的確に使用され、場面の切り替えを見事に演出している。

    ストーリーは、両親と独立した息子達との微妙な心情の食い違いを描いて進んでいく。
    多くは語らず子供の言う事を受け止める両親。しかし心の何処かでもっとこうしてほしいと言う欲もある。一方で、両親の事は大事に思うが、居続けられると少々厄介だと言う子供達。自分たちの生活や出費もかさむのであまり迷惑をかけないで欲しいと思っている。
    そこに、戦死した次男の嫁である紀子(原節子)が登場する。紀子はかれこれ8年程、洋裁工場で働いておりひとり暮らしをしている。話が結末に向かうにつれ、実の子供よりも他人の紀子のほうがよっぽど両親を大事にしてくれるという事がわかってくる。また、紀子自身はそれを偽善のようにも感じ、自己嫌悪を抱いていた。物語のラストでは、紀子が父親に「私はずるい人だ」と胸の内を吐き出すが、父親はそれを理解した上で「いい人を早く見つけなさい」とアドバイスをする。
    この種の映画は特にハッピーエンドで安易に片付けるのではなく、見た人それぞれの心に何かを訴えかけるチカラがある。私の場合も親は離れて暮らしているので、親孝行はなるべく早くしておかないと後悔すると再認識させられた。
    また世間では今も昔も嫁姑問題など下世話なドラマがたくさんあるが、そんなつまらない事を考えずに相手を思いやる気持ちを持って欲しい、と思った。親としては子供に過度な期待はしない、求めない。子供も親に甘えてばかりいないで独立して生計を立てる。その上で親を大事にする。こう言った当たり前の事がなぜ出来ないのか。60年前も今も変わらずに親不孝者は存在するし、ダメ親も存在する。やはり、「今の若いものは…」という人を信用してはいけないと思った。

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