マンチュリアン・リポート (講談社文庫) [Kindle]

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  • 昭和天皇の密命を受けた志津は張作霖爆殺事件の真相を探るために満州へ赴く。

    「蒼穹の昴」シリーズ4作目にあたるのは、張作霖が活躍した「中原の虹」の完結編的なお話になるでしょうか。この爆殺事件をどう解釈するか、という見方と死出の旅となった奉天へ向かう汽車の追憶と、という面白い構成でしたが、いつものように生き生きとしたキャラクターの躍動も感じられず、歴史解釈に終始したような感のあるお話になってしまって、少し間延びしてしまったなあ、という印象でした。
    蒼穹の昴シリーズは何となく惰性で読んでしまってる感じになってきたのですが、頑張って読み続けられたらと思っています(希望薄)。次の「天子蒙塵」はまた大作ですが、どんな展開になってくることでしょう。そしてもうどうでもよくなってきた感のある龍玉の(作品的な)ゆくえはどうなる?

著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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