パッケージに惹かれて鑑賞。
阪神・淡路大震災から15年。
回顧式典を取材しに来訪したジャーナリストのアダ(デボラ・フランソワ)と、彼女の担当となった通訳の岡部(西島秀俊)。
そして、被災から立ち直れずにいる石田(阿部寛)との不思議な邂逅。
大災害に潜む、被災後の辛さ、孤独についても焦点をあてています。
なぜ岡部は、石田の正体をアダに伝えなかったのか?
鈍い私でも気付いたその「正体」を伝えず、アダを見守る岡部の心情は、最初理解出来ませんでしたが、自分も同じ経験があったからなんですね。
ー人は、肉体が滅んだ時に死ぬのではない。
誰の記憶からもその存在が忘れられた時、死ぬのだー。
数多くの作品で語られてきた内容ですが、淡々とエピソードを通じて訴えてきます。
映像にも内容にも派手さはありません。
ただ淡々と、粛々と。
静かで哀しく、でも、どこか温かい映画です。