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- / ISBN・EAN: 4988135995186
感想・レビュー・書評
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舞台は、19世紀から24世紀。過去・現在・未来にまたがる500年の間、6つの時代と場所で、6つの人生を生きる男がいた。始まりは悪人だが、様々な数奇な経験を経て、やがて世界を救う偉大な人物へと魂が成長していく…。
それぞれのエピソードが、一見アトランダムな流れに見えて、実は後に一つに繋がる圧倒的なストーリー。
『マトリックス』3部作のウォシャウスキー姉弟監督が贈る新感覚SF超大作!!R-15 1849年の南太平洋上で逃亡奴隷を助けようとする青年アダム、1936年のスコットランドで引退同然な音楽家と組んで「クラウド・アトラス6重奏」の作曲に取り組むフロビシャー、2012年のイギリスで介護施設での暮らしを余儀なくされる老編集者ティモシー、1973年のサンフランシスコで原発事故の謎を追うルイサ、2144年のソウルで単純労働に従事するソンミなど6つのストーリーが織り成す一大叙事詩。マトリックス的なデストピアSFやゴシック時代劇など様々なジャンルの要素があり、時代が変わっても変わらない愛や自由への憧れや因果応報や同じ鍵の痣を持つ6人が時空を越えて共振しながら過去の人間が残した日記などをヒントに運命を切り開く輪廻転生群像劇、壮大で力強い感動的な叙事詩。
「しずくはやがて大海となる」「ひとりひとりの善意や行動が世界を動かす」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一言で言えば壮大。
6つの時代を生きる人々の輪廻転生を描く。
各時代のシーンをかなりのテンポで切り替えながら進む為、最初は【?】の嵐。でも少しづつ、時代は違えど話に関連があることが分かってくると面白くなる。時間軸での繋がりと、あの時代ではあんな人だったけど、この時代ではこんな人と、物語の中心的な数人の俳優が特殊メイクで種族・性別・人種を変え登場する。これが映画を観ながら誰ってハッキリと判別できればもっと分かりやすいんだろうけど、特殊メイクが凄すぎて確認できてない人が沢山いたw(エンドロールで各俳優がどの役をやっていたか映像が出るのでそこでビックリ)
そんな感じなので1回ですべてを把握するのは無理。主役のトム・ハンクスに限って言えば悪人に始まり、輪廻転生を繰り返しながら最後には人類を・・・的な成長をする。
3時間近くもの映画だけに万人には薦められないけど、逆にこの内容を3時間でまとめたことに驚愕。 -
1849年、奴隷貿易のため太平洋を旅するユーイング。1936年、著名な作曲家の下で自分の交響曲「クラウド・アトラス」を仕上げようともがく無名の作曲家フロビシャー。1973年、フロビシャーの恋人だった老科学者に秘密を託され、石油ロビーの陰謀を暴こうとする女性ジャーナリスト、ルイサ・レイ。2012年、閉じ込められた介護施設から逃げ出そうとする老編集者。2144年、反体制組織の男と出会って世界の真実を知り、女神へと変貌を遂げるクローン少女ソンミ。そして文明が崩壊した未来の地球で異文化から来た女性メロニムを「悪魔の山」に導くザックリー。
時を超えた6つの話が交響曲のように連なっていく壮大な構成だ。画面づくりも豪華で、特に近未来パートには『マトリックス』ばりのSFXアクションシーンがふんだんに盛り込まれているが、いやらしいケレン味は感じない。それは、この物語の視点が、抑圧された者たちの抵抗、そして人と人との出会いがもたらす可能性という、はかなきものに向けられているからだ。この普遍的な物語を支えるために、イマジネーションを視覚化する映画というメディアが真っ当なかたちで奉仕していることを高く評価したい。たとえばフロビシャーと彼の恋人が瀬戸物を空中に放り投げるシーンは、幻想的な美しさの中に別の可能性への切望が表現されていて、忘れがたい。下手するとオカルトになりかねない「生まれ変わり」という要素も、まさに映画ならではの見せ方で、ジェンダーや民族を超えたものを示すことに成功している。これでもかと金をかけて観客を無理やり圧倒させるような映画とは対極にある、映画的想像力のみごとな結晶。 -
スピリチュアルな世界が表現されていた。 輪廻転生を題材にした物語。
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長い映画な上に複雑なストーリーライン、しかも原作未読で映画の半分以上は???な状態でありました。
でも、そんな疑問符の甲斐もあるというもの!
壮大なストーリーラインにふさわしい、人類愛のようなメッセージが心に残ります。
たくさんの役者がたくさんの役を色々な時代で演じていて、ヒューゴ・ウィービングやベン・ウィショーが女性を演じていたり、スーザン・サランドンが男性を演じていたり、あのヒュー・グラントが野蛮な人食い族になっていたりして、役者好きにはたまらない。
それぞれの時代に良さはあるわけですが、やっぱり私は1931年のベン・ウィショーが主役?になる話と、ペ・ドゥナ演じるクローンが主役の2144年が好き。特に2144年の方は、冷凍肉に馬肉が使用されていたり、遺伝子組み換えの肉が店頭に出されていたりと、現代にも起こり始めている感覚が「当たり前」になってしまった感が恐ろしかった。そして、その中でのソンミとヘジュのラブストーリーがピュアで素敵でした。愛とは浄化するものなのかもしれません。
ベン・ウィショーの話は後半、ずっと泣いていたように思います。彼が演じる報われない人間は、本当に本当にかわいそうで悲しくて、もう元には戻せないものへのやりきれない思いを抱かせます。素晴らしい役者さんですね。 -
19世紀から数百年後の未来まで、六つの時代の六つの輪廻で結ばれたストーリー。
六つの話にはっきりとつながりがあるのではなく、あるようなないような絶妙な距離感があってそれがいい。各話が少しずつ進んでいく進行は各話のテーマや輪廻のつながりを意識できるようになっている。ある時代で結ばれる二人は別の時代でも惹かれ合っていたりするのとかはいかにも輪廻転生。
決められた何かから自由へと旅立つというのがテーマなのかと思った。それが奴隷開放から未来のSF世界までつながっていく様は壮大。
時間が長いのがちょっと好みが別れる所だけど、この試みは良し。 -
生まれ変わりネタなので役者は1人6役だが、見事な特殊メイクで最後まで気付かなかった、なんてことも。ある人は生まれ変わるにつれ善人に。ある人は悪人のまま。6つの物語が複雑に交差し見事に繋がる、二度みたくなる映画。
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最初わけわかんなくて、ささっとあらすじネットで確認してみたら、結構理解できたし、うまいこと時代を切り替えて話が進むもんだ、と思った。
長いけど、話が進むにつれ目が離せなくなります。
個人的にはこんなイカれた姿のヒューグラントは初めてのような気がして、各時代で俳優たちがどう出てくるか、も楽しめる要素の一つだと思う。 -
休日にじっくり観る映画
とてもスケールの大きい映画だった。
様々な年代の6つの物語が同時進行で描かれる。
どの話も抑圧や権力に対する戦いの物語で、ウォシャウスキー姉弟らしいテーマ。
時代を超えて物語をつなぐのは、文章、音楽、映画、信仰
そういったものが、時代を超えて、未来になにかしらの影響を与える。
ん~、しぶいぜ!
多くの俳優がいろいろな時代でいろいろなキャラクターを演じていて、
生まれ変わりを感じさせるのも良かった。
見終わってから、誰がどんな役で出てたかを、もう1度見るのも楽しい。
トム・ハンクスはいろいろ出過ぎな感じもするが、そこは意味があるというよりはユーモアなのかな。
ただ、個人的には、
老脚本家の物語が、他のストーリーと違って、いまいち集中できなかった。
6つの物語が全てシリアスな方が、もっと感動できたんじゃないかな、と思った。
それと、ゲイの2人を、未来の世界でつながりを持たせなかったのはなぜだろう。
もしかして、どっか見逃してるんかな?
そう思い出したら、もう1度見たくなってしまう・・・
そんな魅力のある映画。 -
6編の世界が全く違う趣向でリンクし、結末へ収束する。メイクも衣装も見事だ。