- Amazon.co.jp ・電子書籍 (319ページ)
感想・レビュー・書評
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あと3年で小惑星が地球に衝突するといわれている世界で、どのように最後を迎えようか考えながら過ごす人々の物語8選。
映画「アルマゲドン」のような英雄もいなければ感動もないが、それぞれの物語に登場する人々の何気ない会話にほっこりした。
個人的には「3.籠城のビール」「7.演劇のオール」「8.深海のポール」がお気に入り。
伊坂幸太郎さんの作品に登場する人物は変わり者が多いけど、会話のキャッチボールで出てくる言葉のセンスが素敵で好き。
自分も洒落た(?)言葉選びができる人になりたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」
8年後に人類は滅ぶ。
生きるとは。死ぬとは。
いま、ここ、自分がいる意味とは。
家族とは。恋人とは。
人との繋がりとは。
幸せとは。
「世界の終わりがそこで見てるよ」と。 -
世界が終わる。不思議な設定。
以外と普段とおりの人びとの生活がある。 -
伊坂幸太郎も好き。終末ものも好き。読まねばならない!
終末が来る事による混乱が落ち着いた時期の話なので、思いの外、皆さん普通(?)に生活していらっしゃる。 -
8年後、小惑星が衝突し地球は滅亡する。
そう予告されパニックに陥った5年を経て、小康状態にある余命3年の世界。
残された時間の中で人生を見つめ直す8つの短編。
復讐をする者、新しいことをはじめる者、自ら命を絶つ者、子供を産む者、何も変わらない者…
自暴自棄になった人間の醜さや脆さに直面し大切な人を失った人々が絶望の淵を彷徨いながらも、残された未来を穏やかに過ごしていけるような希望の詰まった作品だった。
"明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?"
"あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?"
この言葉を見て、3年後確実に終わる人生と明日終わるかもしれない人生、そう大差がないような気がした。
これが私の人生、と胸を張れるように今はもがいて足掻いて精一杯生きようと思う。
この本を読んでいる最中
実際に、数年後地球に衝突する可能性が高い小惑星が発見されたニュースが流れてきてちょっと焦った。 -
8年後隕石が地球に衝突し、地球がなくなってしまう
話は、その事実が発表されてから5年後の話。
世の中が荒れて、そして小康状態が訪れた時の話。
武田幸三をモデルにしたキックボクサーのセリフがかっこよかった。
「世界があと何年で終わるとしても、生き方に変わりはない」
「あなたの生き方はあと何年生きるつもりの生き方なのか?」
親子が和解したり、子供を産むか産まないか迷ったり、復讐を果たして死のうとしていたり、警察官の父親が、責任感から混乱を治めようとして逆恨みされて殺されてしまったり過剰に演出し数字を取ろうとするメディアに妹を殺され、復讐しようとしたり、幼い兄弟の母親が死んでしまったり、食料の奪い合いで奥さんをなくしたり、人を殺してしまった罪悪感から娘を残して自殺してしまう両親がいたり、でもこれって普段生きていても起こりうることなのだと思う。
私は終わりが約束され、それが私の努力ではどうにもならないとわかったらとても荷が軽くなると思う。
でも、会社に行くかなー? -
今の気持ちに(母、股関節の人工関節手術で入院中)とてもそぐった話だった。
P246「演劇のオール」
「外から観る人はいろんなこと言えるけどね、考えて決めた人が一番偉いんだから」 -
有名な作家さんなのに、読んだのは初めて。「あなたの今の生き方は、どの位生きるつもりの生き方なんですか?」という言葉があるという紹介にひかれて読み始めた。皆死んでしまう前の、もしかしたらほんの短い最後のささやかな日常なのかもしれないのだが、どのストーリーにも作者の心根の温かさが垣間見えて良かった。