日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書) [Kindle]

  • 24人登録
  • 3.70評価
    • (2)
    • (3)
    • (5)
    • (0)
    • (0)
  • 7レビュー
著者 : 吉本佳生
  • 講談社 (2013年4月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (262ページ)

日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  •  今年四月に出版されたばかりの本書は基本的に時事ネタなので、すぐ読まないと陳腐化するだろう。扱っているのは端的に言ってアベノミクスの将来予測だ。ただし、成功するかしないかを他人事のように語るのではなく、成功させるためには何が必要か提案している点は読むと価値がある。

     様々なデータを示して自説を展開しているので説得力はある。しかし興味深いのはバブルに対する評価だ。一般的にバブルは「良くない状態」の代名詞のように語られるが、著者はバブルを必ずしも悪いものとは捉えていない。そもそもバブルかバブルでないかは結果論、つまり膨れ上がった資産をその後の持続的な経済成長に繋げられたか否かで決まることだと主張する。

     言われてみれば確かにそういう見方はできる。例えば戦後日本の高度経済成長は朝鮮特需をきっかけに始まったことは周知の事実だが、もしそれが一過性の好景気で終わっていたら、朝鮮特需もまたバブルとみなされていただろう。

     アベノミクスはバブルを生むかもしれない。それ自体は悪いことではない。大事なのはその後、私たち国民がそのチャンスを活かすか、それとも浮かれて騒いで終わりにするか、どちらの道を進むかということだ。それは政治の問題ではなく、産業界と国民の問題なのだ。

  • 言いたいことは分らないではないのだけれど、如何せん自分の主張に都合の良いデータを冒頭から繰り出しすぎという印象が強かった。それ故に、逆に警戒しながら読んだ。筆者の主張は男・大・正・長への賃金の配分が偏っているので、その是正により景気が変化するというもの。でも、そんな単純な話ではないような気がして仕方ないのは私だけだろうか?

  • 日本は世界一の債権国なので金はある。解決方法もなくはない。しかし、患者が治療に協力しなければ医者でも病気は治せない。既得権益を一掃して、副作用があろうとも移民を入れるのが一番効果的なのは、わかるが、未だに同質性を重んじる日本人がそれを許すとは思えない。「移民なんぞ入れたら“日本”が“日本”じゃなくなる」と保守的な老人が言うならまだわかるが、若い人でもそういうことを言う人が結構多くて失望することがある。
    効果的な方策を実施せず、みんな仲良くボッシュートがいいなら、さっさと破綻して、日本2.0として生まれ変わった方がいいと思うのは私だけだろうか。

  • 日本では「男性で、大企業に就職していて、正規雇用ののかたちで、長年働いている人」は、高い所得を得ることができるが、この「男・大・正・長」のどれかが条件が外れると、主要先進国中で一番落差が大きな賃金格差に直面する、その格差拡大こそが不況を深刻化させた原因のひとつとして、日本経済、日銀を検証し、アベノミクスに転換を迫る。

    提言としては、アベノミクス三本の矢である「インフレ目標を設定しての金融緩和、公共事業拡大を中心とした財政政策、産業の成長戦略」を「金融緩和を日本の都市部の不動産価格の上昇に繋げる、公共事業はできるだけ都市部に集める、そして都市部でのサービス業を成長発展させ、「女・小・非・短」の賃金を上昇させると説く。

    人口密度が高いところがサービス業が発展するのはもっともな話、個人的には良いと思うのだが、「田舎を切り捨てるのか(怒)」などと反論も多そうですね。また、東証REIT指数も三月末決算での利益確定以降下がっているのが気になります。

  • ちょうど"結局賃金上昇がないと景気回復しないよな"と考えていたので、タイトルを見て即購入。
    賃金も総額の上昇だけでなく格差解消が必要としている。それは、高所得者より低所得者のほうがお金をより使うからだ。
    またアベノミクスは成功の条件はなかなかシビアなのではと感じた。
    そもそもGDPなどのどの経済指標を見るかにより大きく異る。
    著者の経済政策の"都市に人を集めてサービス拡充を"は興味深い。
    とにかく経済もしっかり事実を見なくてはならない。

  • アベノミクスの影響考察と提言も含め、非常に説得力のある内容。
    1つだけ腹に落ちなかったのは、「低所得世帯ほど可処分所得を消費に回す率が高いから、そのグループにお金を回すべき」という下り。お金を回すとその比率自体が下がってしまう気もするので(貯金を始める)、ちょっと乱暴過ぎる気もする。

  • この本に書かれているような、すぐには効果が現れない政策が歓迎されることはないのだろうな。

全7件中 1 - 7件を表示

吉本佳生の作品一覧

吉本佳生の作品ランキング・新刊情報

外部サイトの商品情報・レビュー

日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)を本棚に登録しているひと

日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)を本棚に「積読」で登録しているひと

日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)はこんな電子書籍です

日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)の新書

ツイートする