日本人というリスク (講談社+α文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 大変参考になりました。
    「ん?そーかな??」と思う部分もありましたが、色々な考え方を知ることは、とても大切だと感じました。

    ぜひぜひ、読んでみてください

  • 東日本大震災を目の当たりにし、「日本人も日本社会もますますリスクに対して脆弱になっているのではないか」と感じた著者が、「日本社会を覆ういい知れぬ不安の正体を「人生設計のリスク」と捉え、その対処法を纏めた書。2011年刊行。「伽藍の世界を捨ててバザールへと向かう旅の方法」であり、著者独自の「人生設計論の完成形」になっている。

    著書は、「リスクを回避し、安定した人生を送るために、私たちは偏差値の高い大学に入って大きな会社に就職することを目指し、住宅ローンを組んでマイホームを買い、株や外貨には手を出さずひたすら円を貯め込み、老後の生活は国に頼ることを選んできた」が、「皮肉なことに、こうしたリスクを避ける選択がすべて、いまではリスクを極大化することになってしま」ったという。

    そして、今や「私たちは一人ひとりの金融資本と人的資本だけを頼りに、グローバルな市場経済と孤独に相対することを余儀なくされて」いるのであり、「個人のリスクを国家のリスクから切り離すこと」が肝要なのだ、と説いている。

    人々のマイホーム信仰は生物の本能である「縄張り」感覚のなせる技である、という指摘、面白かった。「経済合理的に考えれば、賃貸よりマイホームが得とはいえない」にも関わらず、マイホームを所有することが「もっとも安全で有利」と多くの人に信じられている理由は生き物としての本能にあったとは!

    同調圧力が強く窮屈な日本社会の特質について、「日本人はずっとこの窮屈な世界を憎んできましたが、秩序や安全や感謝や礼儀正しさといった日本人の美質はすべてこの世間が生み出したものです」、という指摘にも考えさせられた。いいとこ取りってできないものかな。

    本書のような本を読むと、老後に備えて資産管理をしっかりやらなきゃ、と焦りを感じてしまう。世界株投資(ETF)がおすすめとのことだが。コロナ禍後の世界経済、どうなるんだろうか?

  • メモ。
    開かれていない社会では悪評がずっと残る。人はそうならないよう、できるだけ目立たないことが生きる術になっていく。

  • 日本人はつねに天災(とくに地震)と隣り合わせに生きていかなければならない。
    リスクを嫌う民族であるにも関わらず、ポートフォリオをマイホームへ一本化し、会社にすがり、円資産が安全だと考えて金融資産を円預金に集中させる。引退後は年金と社会保障で問題なく生きていけると高を括って資産形成を怠る。

    まずは当たり前だと思っている慣習を疑い、本当に合理的な判断は何か考えると、本書のような結論にたどり着く。それは、
    ・プロフェッショナルを目指す
    ・マイクロ法人を設立、活用する
    ・金融資本の長期分散投資
    ・ポートフォリオの分割
    ・人的資本への投資
    といったものだ。
    「黄金の羽根」「残酷な世界で生き残るたった一つの方法」などの本を読んでいる人は、そちらと内容が被っているのでそちらを読んだ方がいいかも。
    ブラックスワン、天災の話は面白かった。3.11をきっかけに書き直された本。

  • いつもの作者の言葉が繰り広げられる。
    復習にはよい。

  • 小説『マネーロンダリング』以降、橘氏のファンであり、これまで様々な著書を読んでいたため、特に新鮮な話はなかった。財政破綻の実際的な意味を分かりやすく説明していたり、世界株インデックスに投資する意義が説明されていたり、得るものもある。家を賃貸するか購入するかという話に力点が置かれているが、著者のこれまでの主張と説明を繰り返しているのみ。

著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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