プラットフォーム戦略―21世紀の競争を支配する「場をつくる」技術 [Kindle]

  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • これからプラットフォームを作ろうと思ったらどうすれば良いか?

    既存のプラットフォームがあり、かつ、
    すでに強いポジションを築いている場合は以下の関係になる。
    ----------------------------------------
    プラットフォーマーの力 >> 参加者の力
    ----------------------------------------
    そこに「不満」が生まれる。

    よって
    ----------------------------------------
    プラットフォーマーの力 >> 新プラットフォーマーの力 >> 参加者の力
    ----------------------------------------
    という関係になれば不満を軽減できる。
    これは価格競争でレッドオーシャン的である。
    が、誰かが必ずこういったやり方で仕掛けてくる。

    構造的に、サンクコストが下克上障壁になる。
    ポジションを守るにはプラットフォームの相対価値で
    トップクラス(No.1である必要はない)を維持して、
    サンクコストを増大すればよい。
    攻めるには、プラットフォームの相対価値で勝り、
    サンクコストをゼロ化するか肩代わりすればよい。

    結局、攻め側としてはユーザ獲得コストのゼロ化
    (プラットフォーム乗り換えコストを最低でもゼロ)、
    できればマイナス(ユーザにとってはボーナス)化
    できるかどうかが鍵になる。

    例えばMicrosoftみたいにね。



    いずれ、プラットフォーム変更のサンクコストを
    ほとんどゼロ化するブレイクスルーが生まれる。
    すると極限的には
    ----------------------------------------
    新^∞プラットフォーマーの力 ≒ 参加者の力
    ----------------------------------------
    という具合に未来はフラット化する。

    フラット化したとき何が起きるのか?
    世界には自分が特別でいられる領域が乏しくなる。
    つまり、みんなが不満を持ち始める。そして、
    他者を主人公化するメンタリティや
    ライフスタイルを持つ者が希少な(ある意味)勝者になる。

    つまり
    ----------------------------------------
    新^∞プラットフォーマーの力 << 参加者の力
    ----------------------------------------
    という構造が成り立つ仕組み/状況が肝要になる。



    ということは、価値交換の基準が1つではムリ筋である。
    基準が1つだと、たんなる収奪構造になってしまう。

    お金や権力で
    ----------------------------------------
    プラットフォーマー >> 参加者
    ----------------------------------------
    にしたいなら

    お金や権力よりも(参加者にとって)価値があるものについて
    ----------------------------------------
    プラットフォーマー << 参加者
    ----------------------------------------
    となるような、理想的な貿易構造を作る必要性がある。
    あるいはその逆も可。

    希少性の問題で、みんなが欲しいモノが嫌いで、
    みんなが嫌いなモノが欲しい人が中心になる。
    そういう状況を作り出す技術/個性を持つものが
    フラット化されたプラットフォーム後の勝者(?)となる。



    例えばプラットフォーマー的人材を目指すなら、
    みんなにとってストレスだが、自分にとってエモいものを探し、
    たくさん作ればよい。度がすぎると奇人、変人、天才だけど。

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  • 2017年93冊目
    興銀からNTTドコモに転職。
    そしておサイフケータイというプラットフォームを普及させた著者が語るプラットフォーム構築戦略。
    その経験からプラットフォームに構築のための戦略について説明している本です。
    本書は2010年の本なので、スマホ普及前の時代です。
    おサイフケータイで構築されたプラットフォームも今は過去の話。
    Apple PayやAmazon、Instagramなど今のプラットフォームにどう対応するか。
    今から参入するにはどうするかということで原則的な部分は参考になります。

  • 「ポケモンGo!のヒットで間違いなく儲けてるのは一体誰なんでしょうか?」

    週刊ダイヤモンド 2016/08/06号の記事によりますと・・・

    >ユーザーからの課金収入のうち約30%は、googleが徴収。約70%を(googleから独立した)米アンティックと(任天堂が32%を出資している)ポケモンが分け合う構造になっているとのことです。

    挙げましたケースではgoogleを指します。googleはAndroidスマホで利用可能なアプリをgoogle playというプラットフォーム(基盤)上で配信しています。

    その基盤を有しているが故に、ポケモンGo!の場合はユーザーが課金すればするほどgoogleにも自動的に収入がもたらされるような収益構造になっているのです。

    具体的にどのよう企業が存在するのでしょうか?

    今とはなっては数多く存在します。google、Apple、Amazon、楽天、Steamといった企業がパっと思い浮かびます。

    なぜプラットフォーマーは何故強いのでしょうか?

    プラットフォームに乗っかっている企業たちはプラットフォームあっての自分たちの利益獲得のためプラットフォームなしでは生きていけません。しかし、プラットフォーマー(プラットフォームの提供者)が強いがために、「プラットフォーマーの横暴」と言われている現象もまま起こります。

    プラットフォーマーが自分たちに有利な条件・ルールに変更した場合にもプラットフォームに乗っている者たちは従わざるをえないのです。

    実は、私達日本人は容易には逃れられない日本というプラットフォームに乗っている。

    実は私達はビジネスの世界だけにとどまらず、既に大きなプラットフォームに乗っかって生きています。

    それは”国”。つまり、日本というプラットフォームに乗っかって生きているのです。

    プラットフォームですから、同様に”プラットフォームの横暴”が起こりえます。

    プラットフォーマー=日本が国に都合良いように不利な条件を国民に強いるケース。これがプラットフォーマーの横暴です。

    例えば、増税や国民年金の支給年齢の引き上げなどがこれに当たるとも言えるのかもしれません。

    過去フランスでもプラットフォーマーの横暴が起こりました。1978年にプラットフォームに乗っている人(フランス国民)が反発しました。これがフランス革命です。

    プラットフォーム社会において私達に求められているものは?

    ビジネスでも国民として生きることにおいてもプラットフォーマーの横暴に抗えるパワーが求められます。

    そのためにはキラーコンテンツとなることです。

    キラーコンテンツとは例えばテレビで言うところのもっとも視聴率が取れる番組のようなものを意味します。

    一時期の任天堂とドラクエの関係です。

    ファミコン任天堂というプラットフォームに対するエニックスのドラクエの関係です。

    MicrosoftはXboxというゲームプラットフォームを有していますが、プラットフォーマーの横暴が起こり、Xbox Liveの会費をメーカーに配分しないことに加え、顧客サービス、請求、管理権限を独占しようとしたそうです。

    ところが多くのキラーコンテンツを有するゲームメーカーであるエレクトロニック・アーツ(EA)が反発し、EAはXbox Liveにゲームを提供することを拒否し、そして競合のソニーのプレステ2用に開発したゲームだけにオンライン機能を搭載するという強い態度にでました。

    そのことで、結局、Microsoftは妥協せざるを得ず、EAがユーザー情報、課金の管理権限を持つことを認めざるを得ない結果となったそうです。

    (まとめ)キラーコンテンツとなるためには?

    (極めて当然とも言える落とし所ですが)自分自身の得意分野を磨いておくとともに日々の勉強を怠らないこと。健康管理することの重要性が再確認されます。

    最速でサバイブせよ!プラットフォームビジネスから自分たちの生き残りを考える! | 最速で頭の整理Web http://clearmyhead.dynu.com/digitaropiano/?p=1653

  • 用があって読む。噂通り中身が薄く2時間で読み終えた。昔からある商売モデル。例えば「胴元は儲かる」みたいな話だし、自分でも書いてるけど不動産屋の街作り商売とかの話。強いて言えば、方策を書いた5項目・9項目だけが役立つ。これも考えれば誰でも同じ結論になるのだけど、先に並べてくれた点が助かる。

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著者プロフィール

経営コンサルタント。㈱ネットストラテジー代表取締役社長、社団法人プラットフォーム戦略協会代表理事。 東京大学経済学部卒業。日本興業銀行、NTTドコモiモード企画部担当部長を経て2007年ハーバードビジネススクールHagiu准教授とコンサルティング&研修会社㈱ネットストラテジーを創業し社長に就任。米国イリノイ州生まれ。ハーバードビジネススクール招待講師、早稲田大学MBA非常勤講師、BBT大学教授、楽天オークション取締役、タワーレコード取締役 ドコモ・ドットコム取締役を歴任。著書に『プラットフォーム戦略』(東洋経済新報社)、「ビジネスモデル超入門」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『新・プラットフォーム思考』「シリーズ 経営戦略・ビジネスモデル・マーケティング・金融・ファイナンス」(朝日新聞出版)など多数。

「2019年 『すごろく経営学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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