- Amazon.co.jp ・電子書籍 (205ページ)
感想・レビュー・書評
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短編読み切りが6篇。
サニーデイ
妻と玄米御飯
が面白かった。
つまるところ、配偶者へのリスペクト
大事だよってことかしら。
ちょっとだけ反省しよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
様々な家族の日々の暮らしを「覗き見」するかのように、日常が丁寧に描写された全6章の短編集。ネットオークションにハマってしまう専業主婦の母、14年間勤めた会社が倒産し主夫として生活を始める父、妻が家を出ていってしまい、マンションを自分の趣味の家具やアイテムで満たし始める会社員など。
「家日和」というタイトルに惹かれ、育児の合間の気分転換に思い読んでみた。
SNSで発信される人々の一瞬は、外向けに飾られた「見せかけ」のものも多く、自分の心が弱っているとザワつくこともしばしば。一方、本書を読んでいると、どんな家族(人物)であっても、毎日の小さなアップダウンの積み重ねを生きていると改めて気づける。
食卓で交わされる何気ない会話や、ハプニングを乗り越えた後の親しい人からの一言。そういった日常の些細な瞬間から、「幸せ」は感じることができる。むしろ、そんな心や環境を持てることが、一番の幸福なのかもしれない。
本書は2010年に出版されたもので、スマホやSNSも存在しない時代。タイムスリップして戻ってみたくなってしまう。
ヒューマンドラマが好きな人や、「感情は揺さぶられたくないけどホッコリしたい」といった人におすすめの一冊です。 -
「我が家の問題」を先に読んだが、こちらの方が全体的にほのぼのとした雰囲気。ごく普通の家庭にありそう(だけど、なさそう)。
「ここが青山」が好き。人間=じんかんだったのか。改めて意味を詳しく知った。本人たちに気持ちとは裏腹に周りはあれこれ言うだろうが、そのままでいてほしい夫婦だ。ここまで極端ではないが、わが家のあり方と共通するところもあり応援したくなった。 -
スピーディーな展開で話がとんとん拍子に進む。人情とユーモアがあり、読んでいて疲れない。何というか落語のような小説だ。しかし小説のネタになるとは思えない日常の小さな異変の凹凸を感じ取り、起承転結のある物語に作り替える名人芸がすごい。
家族という同じテーマを扱いながら、「ビタミンF」のようなシリアスな小説とは全く方向性が違う仕上がりになるのだなあ、などと感心してしまった。
全6編。
・サニーデイ(ネットオークションにはまった主婦)
・ここが青山(会社が倒産したため急遽主夫になった男)
・家においでよ(妻が家を出たので自分好みの部屋に作り替える男)
・グレープフルーツ・モンスター(内職の業者の若い男に惹かれる主夫)
・夫とカーテン(起業しては失敗する旦那とイラストレーター妻)
・妻と玄米ご飯(ロハスにはまった妻とシニカルな小説家の夫) -
35歳以上の既婚者の方におすすめしたい、男と女で評価が180度変わりそうな短編集。
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久しぶりに奥田作品を読みました。短編もうまい
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人間到る処青山あり
知らなかった・・・。
最後の一言でぐっと涙がでた。
「家においでよ」
これ、わかるな~。
自分の城を作りたいけど、作れない現実。
「夫とカーテン」
何かが降りてくる感覚、よくこんなリアルに描いたな。
「妻と玄米御飯」
これも、偽善ロハスへの痛烈な批判。すごく共感。 -
全編ほのぼのとして温かい気持ちになった。
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ネットオークションやロハス、流行りにピリッと風刺をきかせてユーモアたっぷりでとても面白い短編集だった。特に会社が倒産して主夫になる「ここが青山」と別居してから自分好みの部屋に作り直す「家においでよ」はご飯作りや家作りが楽しそうで読んでてとても楽しかった。「夫とカーテン」はどんどん突っ走ってしまう夫にハラハラしたけど人生のリスクも楽しんでいる様でこんな生き方もあるのかと思った。どの話も良くて一冊で奥田英朗さんのファンになった。