日本のいちばん長い日 [東宝DVDシネマファンクラブ]

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監督 : 岡本喜八 
出演 : 三船敏郎  加山雄三  山村 聡  笠 智衆  黒沢年男 
  • 東宝 (2013年8月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104078254

日本のいちばん長い日 [東宝DVDシネマファンクラブ]の感想・レビュー・書評

  • いまリメイク映画が劇場公開されていて、戦後70年ということで様々な話題にも事欠かない時節がらということもあり鑑賞してみました。
    タイトルに相応しく158分の大作ですが、時間の経つのが短く感じられるくらい見入ってしまいました。

    1967年東宝。監督は岡本喜八。原作は大宅壮一編『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』で、著者は半藤一利とのことです。
    どちらかというと当時の状況を描く目的の映画ですので、様々な視点が入っていて主演はなかなか特定しづらいのですが、やはり阿南陸相役の三船敏郎になるんですかね。それにクーデター側として陸軍省の中堅将校役の黒沢年男や高橋悦史も一方の主演であったかもしれません。
    ほかに鈴木首相役に笠智衆、東郷外相役に宮口精二、米内海相役に山村聰、下村情報局総裁役に志村喬、迫水書記官長役に加藤武、森近衛師団長役に島田正吾、野中児玉基地司令役に伊藤雄之助、徳川侍従役に小林桂樹、昭和天皇役に八代目松本幸四郎、ナレーターに仲代達矢と豪華俳優陣が魅力的です。ちょい役として新珠三千代や加山雄三も出演しています。あと、横浜警備隊隊長役として天本英世が怪演していましたね。
    加藤武はつい先ごろ訃報が流れていました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

    内容は終戦の聖断と終戦の詔勅から玉音放送レコード作成にいたる過程、そして後半はそれを奪取し本土決戦に持ち込まんとする陸軍中堅将校のクーデター事件を描いています。
    冒頭と最後の生々しい当時の映像が全体を引き締めています。当時を印象づける白黒映画なのも効果的で、全編を通して鋭い緊迫感と緊張感に包まれているとともに、そこかしこに見られる監督のシニカルな表現も的を得たもののように思われます。特に終戦を決定する道程の描写は、緊迫感とともに瑣末な物事に固執する人びとの皮肉が大いに込められていて、演出としてもとても興味深いものがありました。
    こうした映像表現と相まって、三船敏郎の阿南陸相の大いなる苦渋と黒沢年男の畑中少佐の狂気ぶりは特に際立っており、観る者を当時の世界に引き込んでいくかのようでありました。また、軍の統制を最優先する陸軍最高首脳たちが冷静なのと、特攻を見送りに児玉基地を訪れた一般民衆の熱狂ぶりは、阿南陸相や畑中少佐ら、そして「聖断」にのぞむ昭和天皇の姿勢と対比されており、これまた映画としての面白さを引き立てていたと思います。
    あと個人的には、八代目松本幸四郎の昭和天皇の苦悩と、ほのぼのとした笠智衆の鈴木首相の強い意志の描写もなかなか面白かったです。終戦の詔勅の文言を吟味する緊張感溢れる閣議の中で、阿南陸相と米内海相の意見の対立を、遠い耳をそばだてて聞く鈴木首相の仕草は何ともいえない愛嬌を感じさせました。(笑)八代目松本幸四郎がちゃんと映っていなかったのは時代を感じさせますね。
    映画としてはいろいろな視点が描かれていたため、焦点がぼやけてしまうきらいはありましたが、これも当時の状況を多面的に描いたものと考えると、交わりもないストーリーにも象徴的な意味として活きていますね。

    本作公開年に昭和天皇もこの映画を観賞したとのことですが、本来なら忘却してしまいたいこのような途轍もない過去を描いた映画をどのような感慨をもって観賞されたのでしょうか。
    国土への空襲で都市は廃墟と化し、数百万の一般臣民も殺戮される。沖縄は占領され、原爆を落とされ、ソ連も参戦してくる。自分に対して一般の臣民は恐怖を憶えるほどに熱狂をしてみせ、軍中堅の自分の名を借りた狂信ぶりは危険に思える域に達している。
    戦後、軍の暴走を止められたのはお前だけだったといわれた存在にもかかわらず、信任した重臣らのみが罪に問われ、そのまま在位することを求められ続けた存在。常に超人的な神として求められ続けてきた存在。
    実... 続きを読む

  • 解説:

    大宅壮一(実際には半藤一利)の同名ノンフィクションを「上意討ち 拝領妻始末」の橋本忍がシナリオ化し「殺人狂時代」の岡本喜八が監督した。

    撮影は「喜劇 駅前競馬」の村井博、音楽は「続組織暴力」の佐藤勝が担当。

    157分と長尺にもかかわらず、最初から最後まで緊張感を持続させ、数多くの登場人物をさばいた岡本喜八の手腕が光る。

    スタッフ・キャストともに素晴らしい仕事ぶりで、日本映画の底力を見せつけた。

    広島と長崎への原爆投下やソ連の参戦など、日本の敗戦が決定的となった昭和二十年八月、特別御前会議でポツダム宣言の受諾が正式に決定した。

    だが終戦に反対する陸軍将校たちはクーデターを計画、一方、終戦処理を進める政府は天皇陛下による玉音放送を閣議決定する。

    終戦反対派は各部隊ごとにバラバラに行動を開始、やがて終戦を受け入れようとする師団長を射殺したり、玉音放送を中止すべく録音物を奪取しようとするなど、その行動が徐々にエスカレートしていく。

  • 陸軍隊長の壮絶な切腹シーンが忘れられない。
    映画でなければ、この緊張感は得られない。

  •  タイトルは知っていましたが,今まで,買ってまで見て見ようとは思いませんでした。「どうせ,戦争の話だろう」「終戦についてのごたごたがあって,誰かが自決して…なんて,面白くもない」と思っていたのでした。
     が,今年,『日本の戦争を終わらせた人々』という話を自分の所属している研究会で聞いてからは,「終戦って,本当に紙一重で実現したんだ」ってことを知って,当時の人々の努力に感謝しました。
     先の戦争を終結に持っていくために,如何に,いろいろなことがあったのか…。教科書では,ここまで詳しくは習わないので,興味のあるひとは,見て見てください。

  •  1967年公開、東宝製作。岡本喜八監督、三船敏郎主演。

     東宝創立35周年記念作品という看板にふさわしく、いつもの岡本作品のメンバーに加え、東宝映画を彩った俳優たちが多く登場する豪華な一作。個人的には、笠智衆の鈴木貫太郎がちょっとよかった。
     しかし、この映画はとにかく暑苦しい。物語内容の暑苦しさもさることながら、たびたびアップで映される陸軍の青年将校、軍人たちの顔が、目を背けたくなるくらい暑苦しい。自分が「国家」「国体」を情熱的に思っていさえすればそれでいいという夜郎自大と自己陶酔的なヒロイズムの鬱陶しさを、この映画自体が示してしまっている。
     
     岡本の本領は、やはり軽快なコメディふうのアクション映画だと思うので、決してすぐれた作品とは思わない。しかし、この映画を観て、愚劣で単細胞でメンツばかりを重んじる日本の軍人や政治家がすぐれていたと思う人間はいないだろう。その意味では、たいへんに教育的な作品ではある。

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