特捜部Q―キジ殺し― 特捜部Q [Kindle]

  • 早川書房
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  • デンマークのコペンハーゲン警察本部に設置された特捜部Q。そのミッションは過去の迷宮入り事件の再捜査だが、今回は既に決着済み(犯人は刑務所で服役中)の殺人事件を洗い直すことに。新人ローセも助手に加わり、カール、アサド、ローセの3人体制で陰惨な事件に挑む、シリーズ第2弾。

    ディトリウ、トーステン、ウルレク、クレスチャン、ビャーネ、そしてキミー。寄宿学校の同級生6人は、つるんでは目を覆うばかりの残虐な犯罪行為を繰り返していた。その後クレスチャンは亡くなり、ビャーネは服役中、キミーはホームレスに身をやつし行方不明だが、ディトリウ、トーステン、ウルレクの3人は罪に問われることなく富と権力をほしいままにしていた。ディトリウ、トーステン、ウルレクの3人に深い恨みを抱くキミー。

    キミーの復讐劇は成就するのか。捜査妨害の圧力がかかる中、カールらは真相を暴くことができるか。

    第1弾にも増してハードな犯罪を扱っていて、なかなか読み応えあり。ローセもいい味出してるし。このシリーズ、ページ数が多いのと、登場人物が多くて名前が頭に入ってこないのが玉に瑕かな。検索できる電子ブックでよかった!

  • 特捜部Qに新しくローセが加わる。マークとは噛み合わないところもあるようだが、私は結構好きなキャラ♡(๑♡ᴗ♡๑)
    20年前に起きた殺人事件は既に犯人も逮捕され、結審しているが、寄宿学校出身のあるグループを疑うカール。
    グループのメンバーは今や誰でも知っている有名でお金持ちなひとたち。
    その分性格が…こんな人が同級生にいたら学校生活終わるな…とムカムカしながら読み進めた。
    唯一の女性キミーが鍵を握っているとみたカールは…
    いやー、ラストまでムカムカの連続だったよ( ˘•ω•˘ )
    最後はこうきたかー!

  • 北欧ミステリに入り込むきっかけとなった特捜部Qシリーズの2作目。
    前作での成功でステイタスが上がった特捜部。2人から3人にパワーアップ、癖のある女性メンバーが増えて今後面白くなりそう。あいかわらず捜査班は足で稼いで、けっこうひどい目にあったり、サスペンス要素満載なのが特徴のシリーズ。
    登場人物のキャラがよく立っていて、しっかり最後まで読ませるし、主人公であるカールのなかなかうまくいかない人生が対照的に軽くて楽しいが、本作のメインストーリーについては、熱量としてちょっと空回り気味に感じた。ページをめくる手が止まらないというほどではないかという意味で。
    今回は犯人側のある女性の人生と復讐譚が並行的に書かれるが、少女時代にその彼女が属していたグループは、暴力や性欲を抑えることができない病的な集団で、彼らが行う悪行非道が現在までひきずられている設定。そっちのグループのパートはみなさん暴虐的な言動で、読んでて気分が悪くなるし、感情移入もできない。一方、特捜部の方、特に主役のカールは格好良さはまるでないのはいいとしても、カールとアサドのラストでの生存は何かお情け的で助かるわけで、キツネにも助けられ、犯人女性にまで助けられ、作者の意図なんだろうけど、どうにもスカっと感がなくわだかまりが残った。新メンバーのローセがインドア的役割に徹底したところも気になったが、次回以降もっと脚光が浴びるキャラになるかもしれない。いずれにしても、読むのを止めようというつもりはないので、3作目に期待したい。
    総じて北欧ミステリの犯罪は残酷なところがある気がしてて、ややもすると一線を踏む超えた惨状も特徴かなとも感じてて、立て続けに読むのは考えた方がいいかもしれない。

  • 怖いけれど面白くて引き込まれてしまうシリーズ。ビャアン副課長が前作からちょっと気になってたので、内面が少し見えて興味深かった。バクもカールと退職前に和解できて嬉しい。
    キミーはかなり残酷で怖い面もある一方で深い愛情も持ち合わせていて、その両面性の書き方も上手いなと思った。

  • ドラマを先にみてしまったが、原作の方がより暴力的で破壊的な若者達が表現されていた。
    アサドとのちょっと笑える関係が、思わず目を覆いたくなるような事件の合間にある事で、マークとアサドに親近感を抱いてのめり込む作用にもなっていると思う。
    金持ちにも屈せず向かっていく姿もまた爽快。
    それにしてもマークは何度も撃たれたりで体もぼろぼろでよく回復してること、、、

  • 私は評論家ではないので、つける星の意味は作品評価とはちょっと違う。該当の作品から面白み、教訓、学びなど何か有益なものを引き出すことができたかという点に尽きるから、いわば自分の目というか感覚の採点表なのです。だから一般的には駄作だとか、子供向けだとかは関係なく、自分がそこからなにがしか引き出せたらOK。面白かったらもう満点なのです。
    この作品はリリーズ物で、しかも1作目がとても面白かったので期待してました。が、しかし、489ページ中430ページくらいまでは全く面白くなく、何も引き出すこともできず、これはいよいよ自分の目も曇ってきたかと思うほどでギブアップ寸前でした。
    純粋にエンタメとして面白くなくても、警察組織の問題や犯罪を生み出す社会背景の課題やらの投げかけなど鋭くあったら何か感じとれていたかもしれません。シリーズは結構続いているようなので何らかのものはあるのだと思うんだけどなぁ。長そうなシリーズだし次の作品で見極めをつけよう。

  • オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:キジ殺し』を今朝から聞き始める。

    犯した罪をなかったことにできるほどの金持ちのボンボン連中の火遊びは、咎め立てするものがない分、どんどんエスカレートしてしまう。病院経営のディトリウ、ファッションデザイナーのトース点、証券アナリスト兼ディーラーのウルレク、船舶会社経営の亡きクリスチャン、罪を自白して服役中のビャーネは寄宿学校時代からの悪ガキ仲間で、ホームレスのキミーもかつてはその一員だった。

    特捜部Qに新たに加わったアシスタントのローセ。そして、誰がそこに置いたか不明の事件ファイルは、ディトリウらが容疑者とされながら、すでにビャーネの犯行ということで結審した兄妹殺人事件のものだった。犯人も動機も手口も明らかなので、当面の関心は、誰がそのファイルを特捜部Q に届けたのかと、ディトリウらに追われるキミーの復讐劇?が成就するか。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:キジ殺し』の続き。

    キミーは落ちぶれたのではなく、自らの意思でホームレス生活を始めたらしい。ディトリウ一味から200万クローネも巻き上げて。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:キジ殺し』の続き。

    事件ファイルをカールのデスクに置いた人間が判明した。かつてホルベク署の資料を持ち出して、殺された兄妹の母マータに渡した警察官アーネ・ヤコプスンの息子ヨハンは、同姓のコペンハーゲン警察本部殺人捜査課長マークス・ヤコプセンの部下だった。

    ディトリウは妻テルマの浮気相手フランク・ヘルモンを殺し損ない、逆に妻から脅迫され、離婚と財産分与を迫られる。そして拳銃を持ったキミーも、ディトリウ不在時の彼の家に押し入り、「また会いにくるからよろしく」とテルマに言い残して立ち去った。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:キジ殺し』の続き。

    事件から手を引けと警察上層部から横槍が入る。指示を出したのは、殺人捜査課副課長のラース・ビャアンだという。カールの自宅からも警告と思しき血痕が見つかり、いよいよ天邪鬼のカールの闘争心に火が着いた。ホームレスとして身を隠すキミーを探す過程で雇われ探偵のオールベクと遭遇する。事件隠蔽のやりくちからしてあまりにも稚拙で、なぜいままで立件できなかったのか、理解に苦しむ。デンマーク警察、もちょっとしっかりしろよ。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:キジ殺し』の続き。

    キミーの自宅からナゾの証拠物件6点が見つかった。これが殺人事件の証拠なら、あと4人殺されたことになる。カールを捜査から締め出そうとした殺人捜査課副課長ラース・ビャアンは、ディトリウらと同じ寄宿学校の出身だと判明する。マジか。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:キジ殺し』の続き。

    血を見るのが好きなキミーは、少なくとも初期の暴力事件については、首謀者だったのではないか。淫乱なキミーに操られ、キミーの取り巻きにすぎなかった寄宿学校の少年たちがいつしかキミーをしのぐほどの暴力性を身につけたとか。どちらにしても、キミーは単なる被害者ではない、流産した子どもの復讐を目論んでいたとしても。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:キジ殺し』の続き。

    雇われ探偵のオールベクがキミーの友人のドラッグ中毒者ティーネを殺し、キミーは自分の肉体をおとりにしてオールベクに近づき、その復讐を遂げる。んだけど、自分の監視対象と気づかずにその女を自宅に誘い込むマヌケな探偵なんている???

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:キジ殺し』の続き。

    自分に待っていた過酷な運命は、自分が犯してきた罪の報いだとキミーはいう。だが、義理の母親がそれを「自業自得だ」というのは許せない。キミーの復讐の刃は、次々と牙を剥く。

    オーディブルはユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q:キジ殺し』の続き。

    キミーも、カールも、ディトリウら3悪人も、クライマックスの舞台、トーステンの屋敷の狩り場へ引き寄せられていく。いよいよ次回で聞き終わりそう。

    ディトリウら3悪人がキミーの足元にも及ばない小悪党だという設定はどうだったのかな。緊迫感が徐々に薄れ、尻切れトンボみたいになってしまったのが残念だった。

  • 「檻の中の女」と似て、女性への、うーん……

    胸くそ悪い

  • 今回特捜部は、何も解決してないし、誰も救ってない。最初から最後まで一人の女の復讐劇であり、特捜部はそれに並走して、狂言回しの役割を果たしただけ。

  • 社会風刺とも取れるシリーズ2作目。
    今回は謎解きというよりも、権威を盾にした巨悪に立ち向かう話。
    鬱屈した男たちが猟銃をぶっ放す様が、どう考えても銃=アレのメタファーだと感じた。こんなに特権階級って胸クソな人たちばかりなのだろうか…と疑問に思う。

    ある女の復讐劇と我らが(?)Qチームの捜査が並行して進むのが特徴的な本作。最近映画で観た、”Promising Young Woman”にも通ずるものがある。
    「母は強し」なんて言葉では片付けられない程、母性という怨念は凄まじい。

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