2021年5月9日記述
新ブラックジャックによろしく第6巻。
佐藤秀峰氏による著作。
ビックコミックスピリッツ2007年8号 - 2010年33号の間、連載された。
臓器提供した若い男性の葬式が簡単に描写される。
臓器提供の実態を知らず息子の臓器を金で売ったというデマを話す人間にはへどが出る。
また前巻で近藤医師(夫)が臓器移植を後悔した受領者もなんだかんだ理由をつけて自分を納得させて提供者の分も精一杯生きるとか何とか言い出すと予言していた通りの展開をする所は人間の性というものを見た気がする。
この6巻では教授の過去、近藤夫妻の過去
教授の娘美和(透析を受けていた)の過去が語られる。
かつての透析では機械が未熟で成長に必要な成分まで濾過していた。
その為、17歳なのにまるで10歳くらいの身体のままであった。
近藤と美和ちゃんが原宿駅周辺(当時)を遊びに出る場面はやや時代を感じる。
(今では原宿駅の駅舎も少し変わってしまった)
ムツミと美和ちゃんが親しくなり、ムツミが美和ちゃんの為に腎臓を提供すると申し出た部分は驚いた。
昔から臓器提供には否定的であった
近藤ムツミが美和に対してだけは異なる判断をしたのだった。
しかし、手術を控えた前日、美和は病院から飛び降り自殺したのだった。
少し前のページで自分はなぜ生まれてきたのだろう?と疑問を持ったのが引き金だったか・・・・腎臓の移植、透析、様々な要因に振り回され
続け自分の人生とは何か悪い方向に考え過ぎた為なのか。
教授は斎藤の質問に対し、(何の為に臓器移植を推し進めたのか?)自分のためだよと。
娘を助けたかったのは自分の為。
移植医療を発展させたかったのも自分の為だと。
エゴの行き着く先に希望はあるのか?
斎藤のエゴが誰かを幸せにするのか?
それとも自らのエゴに焼かれてしまうのか?
その先が見たいのだと。
印象の残った部分
憎むことも愛することも同じ意味だって(気づくんじゃないかしら)
どっちみち相手に執着して離れられない関係になるなら憎むよりも愛した方がマシだってことにね
STAND BY ME描くえもん第6話
かなり無理のあるスケジュールで何とか作品を入稿する過程が描かれている。
地獄である。
原稿料の取り決めなど契約を結んでいないと簡単に搾取される。
掲載するなら契約はしっかりと結べ。