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感想・レビュー・書評
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ある種、ビジネス書。
裏のハローワーク、騙すか騙されるか
腹の中の読み合いやパニックに陥った相手に対しての
ここでこの一言!というのが人間らしいというか、心理戦まさにポーカーだと思った。
後ろの方の章に「生き指」と「死に指」という
小指詰めるという意味合いでもこんなに解釈が違うのかと勉強になった。
因みに最後の一文の著者からの言葉
「無事である、これ以上の幸福は考えられない」
…本当無事でなによりです、と思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表と裏で世界がはっきり分かれているわけではなく、どこかでつながりがあることがよくわかった。資本主義の世界、需要があるからこそ裏ビジネスも成り立つ。
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三才ムックの『裏仕事師の本』シリーズとか、同シリーズから生まれた北尾トロの『怪しいお仕事!』などの類書。
非合法、もしくは合法でも裏社会に近いキワドイ職業の人々に、その仕事の内実について話を聞いたインタビュー・ノンフィクション集である。
この手の本にはピンからキリまであり、中には著者自身がもろDQNで知性のカケラも感じられないものもある。が、本書の著者には醒めた知性が感じられるし、危険を顧みない体当たり取材もがんばっていて、読ませる内容になっている。
北尾トロの本ほど文章に味がないが、読み物としてのクオリティーはかなり高い。ただし、この本を読んだからといって何の役にも立たないし、ためにもならない(話のタネにはなる)。あくまで読み捨ての娯楽読み物である。
タイトルが「ハローワーク」となっているのは、登場する職種についてそれぞれ「リスク」「収入」「労力」「犯罪性」などの五つ星評価がつけられ、「もし読者がこの仕事に就くとしたら」という観点がもうけられているから。
もっとも、著者自身は取材の途中で何度も「仕事を手伝わないか?」と誘われ、そのつど即座にことわったそうだけど(笑)。
登場する仕事は、全20種。
マグロ漁船乗務員、新薬の治験バイト、原発作業員、鍵師、新聞拡張員、示談屋、産廃処理業者、クスリの運び屋、総会屋、麻雀裏プロ、詐欺師、夜逃げ屋、闇金、マリファナ栽培などなど……。
この手の本にしばしば登場する定番のような職種が多いし、どっかで聞いたような話ばかりでつまらない項目もあるが、平均すれば面白いもののほうが多い。
著者は以前あらゆるドラッグを経験したことがあるそうで、さすがに運び屋とマリファナ栽培についての項目には深み(笑)がある。
たとえば、著者とは旧知の友人だというマリファナ栽培業者が、花でも育てるような口調で苦労話をするあたり、すごく生々しい。
「手を広げると、それだけ維持費もかかるんですよ。特に冬場に栽培ってことになると、部屋の温度を常に上げておかないといけないので、光熱費だけでもバカにならない。月に4、5万かかったりしますからね」
いちばん面白かったのは、「偽造クリエイター」を自称するマニアックな男へのインタビュー。
偽造テレカを皮切りに、さまざまなものの偽造に手染めてきたこの男は、犯罪者のクセにアーティストめいたこだわりと美学をもっていて、そこがなんともおかしい。小説の主人公にしてもよいくらい。
「私は紙幣や金券の偽造はやりませんが、それは恐ろしく手間と経費がかかるからであって、できないからではありません」
そんなことを豪語するこの「偽造クリエイター」(何が「クリエイター」だ!)は、いちばん儲かるのは人気アイドルのコンサートの偽造チケットだが、偽造するのがかんたんすぎて「つまらない」から自分はやらない、という。ううむ……。
アヤシゲな隠語が飛びかい、裏仕事師たちの意外に人間臭い素顔が垣間見える本書は、昔の『噂の眞相』風に言うなら「ヒューマン・インタレストあふれる」一冊だ。 -
なんていうかな、真っ当な道を歩いてこれて良かった・・・って感じ。
こう言う道を歩く人と歩かない人の違いって、何なんだろう? -
臓器の話はへこむ。